【経営者にこそ読んでほしい企業コンプライアンス】まとめサイトで取り上げられ炎上も、それでも〝晒されたい〟ですか?

2022.06.17 / 連載

晒すのは是か非か!?SNSにはびこる晒し屋の実態

個人で好き勝手に店の情報をツイートするならば良いが、ホール側からの依頼でツイートすると話は別。晒し屋は業者でありながら個人を装った広告宣伝の手法の1つだ。改めて利用すべきかどうかを考えてみよう。

(関連記事:【経営者にこそ読んでほしい企業コンプライアンス】炎上するフリー演者とパチンコホールがそれを回避する方法

数千〜数万のフォロワーを抱えている晒し屋は、ホールや代理店、メディアから依頼を受けて「オススメ機種情報」をツイート。集客目的のツールとして一部で利用されているが、トラブルや炎上の火種になることも多い。

広告宣伝規制の抜け道?個人のツイートで集客の時代
 2002年、警察庁生活安全局生活環境課は、パチンコ営業における広告及び宣伝について、風適法による規制の概要と違反する表示例を文書で公表した。しかし、その後も解釈の間隙を突くような告知があと断たず、改めて2011年、2012年に具体的な事例を交えた内容で規制を通達。取り締まりを強化するという内容を受けて、厳しくなっていったパチンコ店の広告宣伝。「著しく射高心をそそるおそれのある行為」はNGとなり、それまで実施してきた「設定発表」「特定機種を想起させるイベント」「特定の日付をうたう行為」など、パチンコホールがやってきた告知は規制された。


 厳しい規制の中で告知ができないホールに変わって情報を発信するようになったのが、雑誌や動画などパチンコ関連のメディアである。取材という形で店舗に向かいホールの情報をレポートしてユーザーに伝えるという形が主流になった。ホールが直接発信するのではなく、第三者であるメディア関係者がホール内で見聞きした「推し機種」や「強い日」などをユーザーに発信することで集客につなげてきた。しかしこの手法も地域によっては規制の対象となってしまう。


 そこで、2〜3年前くらいから台頭してきたのが、今回取り上げる晒し屋という存在だ。晒すというとイメージが悪く「まとめ屋」「インフルエンサー」と呼ばれる場合もあるが、SNS(おもにTwitter)でホールの情報をツイートして、フォロワーに伝える行為をする者の総称である。多くの場合ではツイッターのフォロワー数を拡散力の担保として、1ツイートあたり数万円でホールから仕事を受けるパターンが多く、個人だけではなく広告代理店などがビジネス化しているステルスマーケティングの一種だ。


 晒し屋の起源を振り返ってみよう。特定の店舗を攻略する際に、ジグマのような存在が狙い台の傾向と対策をツイートする、いわば「立ち回りがうまい第三者の狙い目情報」といったような様相だった。しかしこれが集客につながると踏んだ業者がビジネス化し、「店が推したい情報を影響力のある一般ユーザーが発信する」というねじれた構図になっていく。情報を発信しているのは店ではなく個人であるから、広告宣伝規制の外でやり放題の状態となっている。


 今でもデータ公開サイトの情報を調べて傾向を分析してツイートする個人もいるが、ホール側から情報提供を受けていない限り分かりようもない情報がツイートされることもあるのはこのためだ。 

晒し屋の特徴

 

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