【経営者にこそ読んでほしい企業コンプライアンス】まとめサイトで取り上げられ炎上も、それでも〝晒されたい〟ですか?(2)

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ユーザーも賛否両論
集客ツールとしてはアリ?

 晒し屋という呼称自体のイメージが悪く、不正行為のように捉えられがちだが、明確なルール、線引きがない。法や規制がSNSの進化のスピードに追いついていないため、現状では行為自体はグレーのような扱いとなっている。
 ただしそれは晒し屋とホールの間に金銭の授受がない場合に限る。ホールが依頼して晒し屋がツイートするのは広告宣伝にあたる。ホールが晒し屋に対してお金を支払っている証拠が見つかった場合、内容によってはホールが法的責任を負うことになる。


 ある企業では、しばらく晒し屋を使って店を盛り上げていたものの、会社をやめた従業員がその実態をリーク。所轄に完全に尻尾を握られたため、晒し屋を一切使えなくなったという話もある。晒しという広告宣伝は、ノーガードな分カウンターパンチをもらった際のダメージも大きいのだ。
 そんな晒し屋の存在をユーザーはどのようにとらえているかといえば、肯定的な意見もある。肯定派からは「情報ツールとして役立っている」という意見が多く、広告宣伝規制で、ホール側からなかなか情報が得られない現状においては重宝されている。ユーザーとは常に勝ちたいと考えている存在であり、少しでも勝利に近づける情報をありがたがるのは当然のことだ。

 

店舗情報を第三者に提供して発信することがグレーという中で、個人の晒し屋(インフルエンサー)に直接ホール関係者が依頼をかけるケースもあるようだが、出処不明な個人とのやりとりには大きなリスクがつきまとうことも。

反対に晒し屋を否定している意見も多い。

 「個人が善意でツイートしているように見せかけているのが嫌だ」「ホールから話を聞いてツイートしているんならフェアじゃないと思う」「金もらって適当な情報ツイートしてくるからうざい」「自分がよく行く店の情報をツイートされちゃって、ライバルが増えて困った」「ブログも書いてちゃんとやっているなら良いけど、ステマみたいのは許せない」などなど。

 晒し屋否定派の意見をまとめると、漠然とした不公平感に対する訴えが根強いかもしれない。一部の人間だけが情報を得ているというのは、店の信用を落としかねない。中には晒し屋を晒すアカウントがあるほど、一部の人から疎まれていることは事実だ。店が良かれと思ってやったことが逆にユーザーの反感をかってしまう可能性も理解しておくべきだろう。

 

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