[WEB小説]とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方(第六夜)

2024.01.24 / 連載

「さてこれから第二の人生を始めよう」。仕事はデキるが、幸か不幸かバツイチになり、金と時間を持て余してしまった40代の某パチンコホールオーナー木村哲司(仮名)は、今日も夜会を求めて街を彷徨う。実在する人物の実体験をベースにしたファクション新連載。(原案・木村哲司 文・PiDEA X編集部)

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「鮨よし田事件」について1人のパパとして思うこと

Xで2.8億回ものインプレッションをわずか数日間で叩き出す大騒動になった鮨よし田の件。

多分、情報を発信した女性はラウンジ嬢で、同伴か何かで店を訪れたのだろう。あの騒動の是非について私から発信できることはないが、少なくともあの鮨屋という空間での王様は大将だと思っている。

お客さまは神様ではない。大将から「やめてくれ」と言われたらそれに応じるべきなのである。基本的に高級鮨店というのは、大将にへつらわないといけない場所だ。

私もパパ活である高級鮨店に行った時に、隣にずっと文句を言うオヤジが座っていたことがあった。

大将は大人な対応で、「うにまずいですか。ほな下げますね」と言って出した鮨をパッと下げたりしていた。私も一通り食事を終えて会計を済ませた後、「うに美味しかったですよ」とボソリと伝えたら大将はニヤッと笑っていた。そういうものなのだ。

ただ、いつも思うのは、ああいう高級鮨店というのはつくづく個室だったらいいのになと思う。

せいぜいカウンターにつけるのは10人くらいで、見知らぬ男女が一堂に介すことになる。その中に1人でも民度が低い人がいると雰囲気が悪くなるのだ。

金を持っている人というのは一代で財を成した系が多い。この手のタイプは、結構派手でやりたい放題系も多く民度が低い。だから、女性側も自分が連れてきた男が金を持っていたら気が大きくなる。多少、女性側の態度も悪かったんじゃないだろうかと思っている。

それに誇張なく、半分くらいは年上の男性とそれよりもずっと若い女性という客層で構成されている。

店内で写真を撮ること自体は撮ってもいいに決まっているが、それもマナーがあって、出された鮨をパッと撮るくらいが好ましい。

ただ他のお客さんが写りこんだりするような撮り方は論外だ。その人らが不倫カップルだったりすると、見つかったら良くないことになる。だから大将が気にするのも理解できる。

ソープ嬢のたちばなさんがXで投稿していたのを思い出す。「その辺のキャバ嬢をなめたら怖いですよ。キャバ嬢なんか、自分で男を呼び出しておいて、男をぶん殴って警察呼んで『殴られた』と言いますから。自分が被害者ヅラするのがうまい」と。

やっぱりラウンジ嬢は男と常日頃戦っている。だから闘い上手なのだ。被害者意識を巧みに使いこなして女の武器を総動員しているのだ。 

 

 

パパ活女子を口説く時の常套文句「あなたにとっては高級でも~」

話は変わるが、以前パパ活アプリで会った女の話。その子はプロフ写真が実在モデルの写真を使っている子だった。

どうやらその子は芸能人になりたいようで、事前の文字情報では「とある有名な養成事務所に入るのに、入学金が50万かかるから出してほしい」ということだった。

写真を見て私は「どんな可愛い子かな」と興味が出て会ってみることにした。

そうしたら出てきたのはブスではないが、なんというか品がなく、透明感ゼロ。場末のスナックでも3番手くらいの芸能人とはほど遠いおねーちゃんだった。

「この子はなんで勘違いしているのだろう?」

気になって話をしてみた。

どうやら彼女は境界知能にあたる子だった。LINEのメッセージの時点で日本語になっていないような支離滅裂な文章を送ってきていたしおかしいなと思っていた。

「あなたADHDって知ってる?」私が聞くと、「え、友達からはよくぶっ飛んでるって言われるけど、何? 私が発達障害ってこと?」と受け入れられないようだった。

そんな話をしていたら、彼女のスマホが鳴った。

着信はスクールからだった。会話の内容に聞き耳を立ててみると、どうやら勧誘されている。彼女はオーディションも受けたと言っていたが、素人目からしても「ぜってーこんなん入れねーよな」というのが率直な感想だ。

プロダクションの資金源になるだけだし、歳も26歳くらいでデビューするには遅いし、器量もない。だから「やめときなよ。モデルよりも向いている仕事があるかもしれないよ」とやんわり勧めたが、持ち前の頭の悪さゆえか、私の言葉を聞こうとしなかったのだ。

彼女とは最終的に「まぁ頑張りなよ」と言って5万円ほど渡してそれっきり。今思えば身なりもあまり綺麗ではなかったように思う。

大体パパ活アプリの子はそれなりの格好をしている。

スナイデルとかマーキュリーデュオとかその辺のブランドが多い。ただ、安くてもお嬢さんっぽく見えるブランドもあったりして、その辺はセンスなのだと思う。例えばグレージュというブランドで、2000円そこらでシャツなどが買える。

私が女の子を口説く時の常套文句がある。ご飯をおごってあげて、「何か服買ってあげるよ」と。すると「そんなそんな、いいです! 高いものいらないです!」と断りを入れてくるのだが、「あなたにとっては高いかもしれないけど、僕にとってはコンビニでジュースを買うくらいのレベルですよ」と。これを言うと、女の子側もまず私の提案を受け入れることになる。 

その上で私の武器はトークの巧みさだ。

自分で言うのもおこがましいが、私の話は面白いし、経験も深いので女の子が悩んでいることも大体分かる。「彼氏が詮索しすぎ」とか「やきもちがウザい」とか、そういう悩みに対して「なるほどね~」と解決策を出すのではなく、とにかく共感スタンスで聞いてあげる。その上で2、3個図星をついてやると、「こんなに私のこと分かってくれる人初めて」と目の色を変えるのだ。

手慣れたパパ活女子はみんな大人しい。高級店に行き慣れているので、物怖じする子はいない。

ただ私の好みで言えば、リアクションが良い子がいい。慣れていて「これ美味しいね」と平然と言うよりも、わぁー、こんなの初めて! すごい! 嬉しい!」と言ってくれるスレてない女の子の方がいい。

ちなみに、私は鮨よし田さんには行ったことはないが、高級鮨店に連れていくのは、口説きおとして大人してくれそうな子。または肉体関係ある子だ。

とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方, パパ活