[WEB小説]とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方(第四夜)

2023.12.25 / 連載

「さてこれから第二の人生を始めよう」。仕事はデキるが、幸か不幸かバツイチになり、金と時間を持て余してしまった40代の某パチンコホールオーナー木村哲司(仮名)は、今日も夜会を求めて街を彷徨う。実在する人物の実体験をベースにしたファクション新連載。(原案・木村哲司 文・PiDEA X編集部)

(連載第1回目はコチラ)(連載第2回目はコチラ)(連載第3回目はコチラ)


自慢ではないが私の会社、および店舗はそれなりに繁盛している。ある時は自社店舗の視察、ある時は撮影、ある時はM&A系の大きな商談など全国を飛び回っている。

先日、新幹線に乗っていたら、水商売風だがかなりの美人と白髪混じりのオヤジが親しげに並んで座っていた。グリーン車に乗っているとよく見かける光景なのだが、「パパ活するなら白髪くらい染めとけ〜」「少しでも女の子との年齢差を近づける努力しとけ〜」と念を送っている。

パパ活が趣味な私としては許せないのだ。老けたオヤジの容貌で女の子と会うというのがそもそも失礼な話だ。特に中年以上の男性諸君は考えてみてほしい。これは非常にシンプルな話だ。誰でもいい、誰か女性と約束を取り付けた時に、もし相手が化粧をせずに来たとしたら? きっといろいろと考えることはあるだろう。だから、私からすると「甘いな」と言わざるを得ないのだ。

 


 

やたらとランチに誘ってくるパパ活マスター女には気をつけろ

……と、人様にとやかく思うところはあるものの、私とはいえ当然百発百中ではない。

以前、ある医学生の女の子と会ったことがある。私立の医学部だから結構学費がかかるらしく、貧乏なわけではないが奨学金などをもらいながらパパ活もしてやりくりをしている子だった。彼女はやはり医学生だから頭が良かった。美人で話していて面白かったし、予約困難店と言われるような人気店を、持てるネットワークを駆使して予約してくれていた。

私がお金を払って一緒に楽しくご飯を食べる。「さてそろそろ」というところでうまいことさらりとかわす。「大人」の雰囲気に持っていかないように術に長けていたのだ

私はお酒を飲まないので、金曜日とか土曜日に会って食事を共にした後に「送るよ」と言うと、毎回下ろす場所が違っていた。最後の方になると、「送ってくれなくて大丈夫」と断りを入れてきた。私の見立てでは他の男か、彼氏の家にでも行っていたんじゃないだろうかと思う。5、6回会ってずっとそんなだった。しかも私がそろそろこれから先もと思っている雰囲気も察して医学生のほうから連絡もなくなりとはそれから疎遠になり、今では音信不通だ。実に賢い。

この医学生の話ではないが、やたらとランチを誘ってくる女もいた。綾瀬はるか似の美人だったが、正直ランチに誘われても、さすがに昼はこちらも向こうも仕事をしているから、当然そういう雰囲気になることはない。あれはパパ活マスターみたいな子だ。絶対に「大人」はせずに飯だけ食って金を巻き上げるのが得意なタイプだ。新米パパさんはこの手の女に引っかからないよう気をつけてほしい。

 


 

2回目のご飯で「大人」を打診してみた結果

ただ、一度切れたからといって完全に終わりとはならないのもパパ活の面白いところ。時期をおいて連絡をしてくる子もいる。

某アパレルショップで働いていたKNちゃんだ。日本人の血が1/4しか入っていない見た目は外国人の子だった。でも日本育ち。メンタリティーも日本人。 

私はパパ活で会った女の子と一緒にアパレル店に行き、服や靴を買ってあげることがよくある。その行動の中でKNちゃんを見かけ、「美人だなー」と見惚れていたのだが、その時はまったくの赤の他人。話しかけることも、気に留めることも特になかった。しかし、それから時は流れたまたま、まったくの偶然でKNちゃんとパパ活アプリを通して出会うことができたのだ。

KNちゃんとは2回ほどご飯を食べてから、「彼女みたいな付き合いがいいからやらせてくれ」と伝えた。早いと思うかもしれないが、決してそんなことはない。大人の関係になる子というのは、大体最初のご飯でいけるものだ。私が信用している某インフルエンサー(パチンコ業界系ではないよ)も、「手が早い男のほうが、長い目で見てモテる男になる確率が高い」という持論を展開していた。興味のある方は、上記のフレーズで検索してみてほしいが、やはり決め手となる一言を「言うか」「言えないか」で世界は180度変わる。

だが残念なことに、その時はお互いにニーズがマッチしなかったので、KNちゃんとは茶飯の関係で終わった。ところがつい最近になって、KNちゃんから連絡があったのだ。しばらくパパ活をしていたが、いい人が見つからなかったらしい。これは次の段階に進めそうかなということでワクワクしている。 

実際のLINE画像を元にPiDEA X作成

 


 

「絶対に『ラブホ行こう』って言えよ」とこっそり耳打ち

これは1つ、アドバイスとして読者諸君にお伝えしたいのだが、「大人」ができなかったからといって関係を絶ってしまうのも考えものだ。なぜなら、パパ活女子には必ずパパ活友達がいるからだ。

この間も、パパ活定期(※)のUちゃんとその知り合いのSちゃん、私と私の知り合いのM君の4人で合コンとなった。M君はスケベなのだがパパ活初心者だった。ご飯を食べてお酒を飲み、女の子もトロンとしてきたところで、「俺がUちゃん送ってあげるから後は、SちゃんとM君で楽しみなよ」と言って、2人だけにしてあげたのだ。
(※注 パパ活用語 定期とは定期的に会う関係のこと。)

「絶対に『ラブホ行こう』って言えよ」とこっそりM君に耳打ちをしてやった。女の子にもよるが、大体相場のお小遣いでまぁ問題はないだろう。

するとM君は、「本当に大丈夫なんですか」とビクビクしていたが、私には確信があった。パパ活慣れしてる子はスッといける。「お小遣いあげれば絶対大丈夫だから」とだけ伝えて帰った。案の定M君は後から、Sちゃんとタクシーに乗ってラブホに向かう写真を送ってきた。

私はそれを見てにやけ、人助けをしてやったような、得体の知れぬ妙な高揚感に包まれながら眠りについたのであった(続く)。

とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方, P活, パパ活