[WEB小説]とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方(第三夜)

2023.12.07 / 連載

「さてこれから第二の人生を始めよう」。仕事はデキるが、幸か不幸かバツイチになり、金と時間を持て余してしまった40代の某パチンコホールオーナー木村哲司(仮名)は、今日も夜会を求めて街を彷徨う。実在する人物の実体験をベースにしたファクション新連載。(原案・木村哲司 文・PiDEA X編集部)

(連載第1回目はコチラ)(連載第2回目はコチラ)


スマスロやスマパチなど機械代がかさむ中、今月も目標利益率を達成して営業会議が終了した。なんとか目標を達成してふっと安心した瞬間、私が次に求めるのが女の子との会話だ。まだ熱が冷めやらぬ会議室でそっとアプリを開き、「今日はどの女の子にアポを取ろうかな♪」と悩んでいる瞬間が至福の時だ。 

パパ活をあまりしたことのない読者諸兄のために、今回はどんな子にアプローチすべきかという話をしたい。今回はライト目な話なので、具体的な描写は少ないがお許しいただきたい。


そもそもパパ活女子はサイト上に載せている自分の写真に、例外なくフィルターをかけている。アプリなどで自分の容姿をよく見せるため、肌を白く美しくしたり、目を大きくしたり、顔を小さくする加工を施している。女の子でそういうアプリを知らない人はまずいない。これはいわば現代のメイクみたいなもので、やってて当たり前の話なのにその大前提を知らないため、写真とまったくの別人が出てきたて面食らってしまう初心者パパもいる。 

私くらいの上級者になれば、「この子は加工美人だな」とか「この子は実際に会ったら可愛いはず」とフィルターを見抜く目が養われる。気をつけた方がいいのは、ちょっと補正がかかりすぎているようなプロフィール写真だ。この手のタイプは自分の容姿に自信がないパターンが多い。

また、雑誌に出ているモデルの写真を使用しているパターンもある。私の知り合いのとある営業マンはある女の子と出会った時に、「え? プロフィール写真と全然違うじゃん」と言ったところ、「何言ってんの。この子モデルの○○ちゃんだよ」と逆に諭されてしまった。

綾瀬はるかとか新垣結衣とか、そういう芸能人の写真ならおじさん世代でも分かる。だが、これから売れていくであろうモデルや芸能人の写真を使われるとさすがに分からない。要するに若い女性のカルチャーに明るくなくては、必ず騙されるということだ。

例えば、「ブルベ」とか「イエベ」とかいう言葉を知っているだろうか。女子なら当たり前のように知っている言葉で、日々パパ活で若い女性と楽しい時間を過ごしている私は、40代中盤だがもちろん知っている。

私が日々パパ活に勤しんでいることを社員たちは知らない(ことになっている)のだが、私の発言は常に若い人に寄り添っている。いやもしかしたら寄り添いすぎているかもしれない。それゆえ、10も20も若い店長たちが知らない若い子が好きそうなトレンドや、今何が流行っているか、美味しいケーキのお店とかをめちゃくちゃ知っているなと思われているはずだ。

この辺の情報をおさえていないとパパ活には向いてない。店長たちは皆、美味しいラーメンとか美味しい餃子の店の情報は知っているのだが、パパ活女子には受けない。そこがやつらと私の違うところだ。

店長たちはいつも粗利とか稼働とかいろいろ真面目な話をしているが、もっと世間を知れと言いたい。そういうトレンドを知らないとお客さまの気持ちも分からないからだ。そう考えると、パパ活で培った話術はどこでも通用するから、やったことのない人はやってみるべきなのだ。

店長たちは機械メーカーの人から営業を受ける立場だ。お世辞も言われるし、しょうもない話でも「そうなんですか!? すごいですね」とオーバーリアクションをしてもらえる。そうすると、「自分の話って面白い・俺イケてる」と勘違いしてしまうのだ。

これが対女の子になってくると、店長たちは営業マンの立場にならないといけない。自分の話もするが、逆に女の子にも話させないといけない。営業マンみたいな気質の人は、それを心得ているだが、どうやらうちの店長たちは真面目かつ営業を受ける側の立場の人たちばかりだから、「こいつら、パパ活向いてないんだろうな~」と思って見ている。

次回は私の成功体験や失敗談も交えて攻略法をお伝えしていきたい(続く)。

 

とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方, パパ活