[WEB小説]とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方(第五夜)

2024.01.19 / 連載

「さてこれから第二の人生を始めよう」。仕事はデキるが、幸か不幸かバツイチになり、金と時間を持て余してしまった40代の某パチンコホールオーナー木村哲司(仮名)は、今日も夜会を求めて街を彷徨う。実在する人物の実体験をベースにしたファクション新連載。(原案・木村哲司 文・PiDEA X編集部)

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あるYouTuberの炎上ネタに共感せざるを得なかった……!

そういえば、少し前の話だが、チャンネル登録者数210万人のYouTuberぷろたんが炎上した時に、それまで関係をもった127人の女性のリストが暴露された。覚えているだろうか。

私はキャバクラにはあまり行かないのだが、知り合いの社長などと付き合い的に行くこともある。その時にプチバズり系のYouTuberなんかを連れていくと彼が結構モテはやされたりするのを目の当たりにしている。YouTubeやTikTokなど、若い子たちが今尊敬するのはSNSを上手いこと使いこなせている人だ。お金があろうとなかろうと、この手の人はモテる。だからYouTuberのぷろたんもきっとモテまくっていたのだろう。

ある程度歳を重ねていくと、女性にモテる際に重要となるのが名声と肩書きだ。女性は自分より格上の男を求めるものだ。この男と付き合うことによって自分にどんなメリットがあるかを無意識に考える。弱者男性がなぜモテないか。自分より弱い男を好きになってもメリットがないからだ。

 

大勢の女性を同時進行するからこその行動だったと分析

少し話は逸れたが、普通の人なら、関係をもった女性のリストなどつくるはずもない。ただ同時に思うのは、過去に関係をもった女性なんて、100人を超えたら覚えていることなどまずできないということ。私も10人くらいの女性と同時進行していた時には、忘れないように備忘録としてメモを取っていたことがある。だからぷろたんのリストをみた時、まったく無関係の人物に降りかかった出来事ではあったが、実はひそかに共鳴していた。

私が女の子とLINEを交換する時は、少しでも記憶を呼び起こしやすくできるようにまず名前を変える。そうだな。簡単なところで言うと、女の子の名前に街の名前を加えるなどだ。例えば、「恵比寿Sちゃん」など。もちろん忘れないくらい関係性と記憶が定着したら元に戻す。港区だったら誰、渋谷であった子だったら誰、大阪の子だったら誰といったように忘れないようにする。

だから私はぷろたんの炎上記事を見た時に「そうだよな」と思ってしまったのだ。一人の男に愛されて一人の男の独占したい女性側からしたらとんでもない話だが、ホモサピエンスの雄は、一人のメスだけを愛するようにインプットされていない。ヒトはもともと乱交型なのだ。

そこに金という要素が絡んでくると、これはもう止めることは難しい。私がパパ活で出会った女性たちも、「お金持っていて遊んでいない人っていないよね」と意図せずヒトの本能を認めている。逆に言えば、お金を持っているのに遊んでいない人は、逆にどこか捻じ曲がっている可能性すらある。

複数の女の子を均等に愛せたりすることは、男にとってそれは裏切りじゃないんだ。誰が好きなのかって?みんなが好きなのだ。

 

先に進めそうでワクワクしたKNちゃんは、お小遣いだけ渡して帰してやった

さて、そんな長い前振りをしたところで、前にも触れたKNちゃんと進展があったのでその話をしたい。

KNちゃんは某アパレルショップで働いていた子で、日本人の血が1/4しか入っていない見た目はまるっきり外国人。でも日本育ち。メンタリティーも日本人という奥ゆかしさすらある子だ。KNちゃんは、最初にマッチングした時は発展せず、茶メシの関係で終わっていた。

しかし、その数カ月後に向こうから「もう一度会いたい」と連絡があった。いろんなパパと会ったものの変な人ばかりだったので常識人である私との関係性を求めてきたというわけだ。

つい先日、KNちゃんと会って食事をしてきた。が、やはり最初に会った時からあまり気乗りがしなかった。というのも、グラマラスといえば聞こえはいいが、久しぶりに会ったKNちゃんは外国人特有の太り方をしていた。さらに、少し勘違いもしていたようで、「私はこういう人でないと嫌だ」とか「私のことを理解してくれる人でないとうまくいかない」というようなことを話していた。

基本的にパパ活をする女性はお金をいただく側だ。私は「何を訳わかんないことを言っているのだろう」と困惑せずにはいられなかった。

また、話を聞き込んでみると、どうやらお父さんとお母さんが離婚してしまっていて、兄妹は4人。KNちゃんは長女なので、金を稼いで、兄妹たちを養わないといけない立場だった。背負うものがある状況で、望んでいない〝大人〟をしなきゃいけない。 

そんな状況で萎えてしまった私は、緊張している彼女に「少しだけど、お金をあげるから今日は帰りなさい」といってその日は別れた。KNちゃんとは先に進むことはもうないだろう。

KNちゃんとの進展を諦めた私は、もうすでに別のM子と進展中だ。その子もハーフの子で、どうやらお母さんが病気らしく、どのように介護をしていけばよいか相談を受けている。もちろん経済的にも援助しているわけだが神経が太い私は、どんなヘビーな話でもサラッと聞いてサラッとアドバイスできる。もしかしたらサイコパスなのかも知れないが、だからこそよく女の子に相談をされる。

相談に真摯に応えてあげると女性は心を開く。M子はスタイルは良いがあんまり物を買いまくっている雰囲気ではなく、おそらく質素な生活を送っている。だから私もあくまで援助をしてあげつつ、M子を隠れ家に連れて行きお互いにWIN-WINの関係性を維持している。

パパ活女子といえばお金のことしか考えていない女性ばかりかと思うかもしれないが、大体みんな事情を抱えているのだ。 

 

とあるパチンコホールオーナーの夜の遊び方, パパ活