フォロワー1.6万人を抱えるアイドル店員として活躍していた鳥喰栞織さんは、結婚を機に卒業ツイートをして話題となった。そのツイートから約2カ月。アリーナ美女木店には、彼女の姿があった……。
ある日、PiDEA編集部の元に一報が入る。着信は三慶商事のやじお氏だった。やじお氏といえば、あゆちゃんまんのプロデューサーとして名を知られている人物だ。そんな氏から「ちょっと伝えたいことがあるから(アリーナ)美女木店に来てほしい」と頼まれ、別の日店に向かった。
朝10時前に店に着いてみると、まだ開店前で人の気配はない。駐車場で右往左往していると、気配を察してやじお氏が外まで降りてきてくれた。
事務所に通され、世間話をしていると、最近の若者らしい青髪の青年が「どうも」と言って部屋に入ってきた。この青年はTwitter上で鳥喰栞織・伊織の名前で活動しているうちの1人、通称「いお兄」の方だった。
それはそうだ。栞織さんは3月31日を持って結婚を期に卒業するとツイートしていたのだからここにいるわけがない。
しかし、手には茶髪のカツラを持っている。伊織氏はおもむろにカツラを被り、髪を整えていく。どこか見たことのある顔だ。座りながら現場猫の決めポーズ「ヨシ」を決める。その姿は鳥喰栞織さんそのものだった。
ここでようやくやじお氏が口を開いて核心を語る。
「実は伊織は栞織で、栞織はアリーナをやめていなかったんですよ」
双子設定として始動 そして卒業へ
<前へ(1)(2)(3)(4)次へ>
1/4ページ