省エネで業界を変える―「現場視点」の経営で挑む、第二幕 尼子勝紀氏の新たなる挑戦
2025.11.22 / その他省エネ・節電ソリューション「エコミラ」を扱う代理店・株式会社メイホウの新会長に、長年パチンコ業界で現場と経営の両面を歩んできた尼子勝紀氏が就任。電気代高騰と猛暑で苦しむホールの実情を踏まえ、導入前検証を徹底する〝リスクゼロ〟の実装でコスト構造を変えると宣言する。省エネと遊技機販売(新台・中古機)の両輪で、若年層回帰を見据えた〝業界への恩返し〟に挑む。
現場で磨いた眼で“本物”を選ぶ 40年超の歩みと事業承継の決意
編集部(以下、編):本日はよろしくお願いいたします。まずは尼子会長のご経歴、メイホウ事業承継に至るまでの経緯をお聞かせください。
尼子勝紀氏(以下、尼):私がこの業界に入ったのは18歳のときで、友人に誘われてホールでアルバイトをしたのがきっかけでした。活気のある現場に強く惹かれ、以来40年以上にわたってパチンコ業界一筋で働いてきました。ホールスタッフとしてスタートし、遊技機メーカーに入社。その後、同メーカー関連会社の代表取締役まで、さまざまな立場を経験しました。会社を退任したあと、他業種への転身も考えましたが、やはり自分が生きてきたのはこの業界です。
編:そこでメイホウさんの事業に興味を持たれるようになったのはなぜでしょうか。
尼:全国を回ってホールの方々と関わる中で、「電気代が重い」「空調費が経営を圧迫している」といった声をずっと聞いてきました。その課題をどうにか解決したいと思っていたときに、旧知の平井社長(現メイホウ代表)から、省エネ装置「エコミラ」の話を聞いたんです。説明を聞いた瞬間、これは本物だと感じました。特許を取得した技術であり、従来の節電装置とは明確に違う。開発者の思いにも共感し、1年以上かけて検討したうえで、メイホウの事業を承継することを決断しました。長年お世話になった業界に、実務を通じて恩返ししたいと思っています。
編:貴社がエコミラを取り扱うようになった経緯を改めて教えてください。
尼:東日本大震災以降、全国的に電力供給が不安定になりました。特にホールのような電力消費の多い施設では、節電ニーズが一気に高まりました。当時の省エネ装置は「室外機を止めて電気を抑える」方式が主流で、室内が暑くなるなど快適性を犠牲にするものでした。エコミラは違います。エアコンを止めずに、モーターの回転数を制御して電気を抑える仕組みです。室温を変えずに節電できるのが最大の特徴で、省エネと快適性を両立できます。その技術が認められ、(財)省エネセンターの最優秀賞も受賞しています。技術的にも社会的にも信頼できるものだと確信しました。
編:数ある省エネ商材の中で、エコミラのどこに魅力を感じましたか。
尼:水や電気や空気は〝見えない商品〟です。だからこそ、信頼できる仕組みが重要です。エコミラは特許があることで、類似製品との差別化が明確であり、主要エアコンメーカーの保証範囲内で施工できる点も大きな安心材料でした。さらに大きいのは、導入前に必ず「お試し設置」を行うことです。実際の電力データを取得し、削減率と回収期間を明確に算出したうえでご提案します。納得してから導入していただく仕組みですので、リスクがありません。結果が出なければ無償撤去するという姿勢が、お客さまからの信頼につながっていると思います。
止めずに節電 エコミラの効果と実績
編:なるほど、検証ありきの姿勢が信頼を生んでいるわけですね。実際の導入実績についても教えてください。
尼:大手家電量販店やファミリーレストラン、紳士服量販店、食品工場、スーパーマーケットなど、幅広い施設で採用されています。名前を公表できない案件も多いですが、50店舗規模での採用や、工場ラインでの継続採用など、再現性の高い事例が増えています。こうした実績こそが、技術と運用の信頼を示す何よりの証拠です。パチンコホールさまでいうと、400台規模のお店で年間20%以上の電気代を削減した例(※下記の事例参照)もあります。500台規模の中~大型ホールであれば、空調起因の電力削減が経営に与えるインパクトは非常に大きいと感じます。
編:販売や提案の際に、どんな点を重視されていますか。
尼:私が何より大事にしているのは現場視点です。結局、お客さまのためにならないことは続きません。だからこそ、検証・実証・公開を徹底しています。削減率を導入前に見える化し、それを現場の安心につなげる。信用を積み重ねていく姿勢が大切だと思っています。
省エネは業界が強くなるための 「手段」であるべき
編:尼子会長は、この省エネを「目的」ではなく「手段」と位置づけていますね。
尼:「設備投資の選択と集中」と「地域との共存」を考えると、短期的に利益を追うだけでなく、環境や社会とのつながりを意識した経営が重要です。省エネは単なるコスト削減ではなく、空間価値を高めるための投資です。お客さまが快適に過ごせる環境を整えることが、結果的にリピートにつながります。利益至上主義から脱却し、地域に愛される店舗づくりを進めることが、これからのホール運営に求められていると思います。
編:省エネを「経営の投資」ととらえる発想なんですね。
尼:そうですね。コストカットだけではなく、経営を支える技術として、エコミラを位置づけています。導入効果を数字で可視化し、浮いたリソースを顧客体験の磨き込みや若年層へのアプローチに再配分する。これが、私たちが描く新しい循環モデルです。
編:いまお話に上がりましたが若者のパチンコ回帰についても、強い問題意識をお持ちのようですね。
尼:そうですね。今の業界は「遊びづらくなった」と感じます。その結果、若者が離れていった。ここを取り戻すのが一番の課題です。私は業界の歴史を隠さず描くドラマを、人気のNetflixのような映像プラットフォームで発信すべきだと思っています。業界が背負っていたかつての負の側面から、今のクリーンで開かれた姿までを正面から描くことで、偏見を壊し、若者の興味を呼び戻せるはずだと思っています。
編:ありがとうございます。最後に今後の展望をお聞かせください。
尼:私が目指すのは「信用を積む」ことです。導入前の数値検証、導入後のフォロー、合わない案件を断る勇気。地味ですが、それを徹底することが信頼を生みます。省エネと遊技機の両輪でお客さまの継続的な勝ち筋を作る。そこから生まれた余力が遊技機の選定や顧客体験の向上につながれば、業界はもっと強くなる。お世話になったこの業界に、数値と快適性、そして信用で恩返しをしていきたいと思います。
パチンコホールにおける エコミラの導入効果
パチンコホールにおける電力消費の約50〜60%は空調が占めるとされ、特に夏季は空調費が経営を圧迫する要因となっている。従来の節電手法は「室外機を一時停止させる」ことで電力量を抑える方式が主流だったが、これでは室温が上昇し、遊技環境の快適性が損なわれるという課題があった。こうした課題に対し、空調制御システム「エコミラ」は、空調を止めずにモーターの回転数を制御する独自技術を採用している。特許を取得したインバーター制御により、設定温度を維持したまま電力を抑えることが可能だ。
インタビューで尼子氏が話したように、導入前には必ず実地検証を行い、店舗の電力データや空調設備の構成を分析したうえで、削減効果を算出する「削減効果試算表」を提示。試験導入時の結果をもとに、削減率と投資回収期間を明示してから契約する仕組み。導入後に期待値を下回った場合は無償撤去・原状回復を行うなど、徹底したリスクゼロの姿勢が特徴だ。
実際の導入事例では、東京都内400台規模のホールにおいて契約電力を195kWから115kWへ引き下げ、年間約235万円の電気代削減を実現。埼玉県500台規模のホールでは最大デマンド値が198kWから155kWに下がり、年間約8万9500kWh(約224万円)のコスト削減を達成したという。投資回収期間はいずれも2~3年以内と短く、固定費の圧縮に直結する。これらの結果は、節電のために室温を上げる「我慢型」の省エネではなく、「止めずに賢く使う」ことで持続的な効果を得られることを示している。
空調制御の最適化によるデマンド抑制は、電気契約基本料金の引き下げにも寄与し、経営の安定化につながる。店舗の規模やゾーニング、稼働時間帯ごとの負荷を分析し、それぞれのホールに最適な設定を行う「個別最適化」も強みといえる。
単なるコスト削減策にとどまらず、「快適性を保ちながら経営を強くする」。これこそが、ホールにおける新しい省エネ戦略の形といえるのではないだろうか。
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