近しいところに危険アリ!? 〝巻き込まれ炎上〟が増加中ー経営者にこそ読んでほしい企業コンプライアンス

2023.05.11 / 連載

健全化を掲げてもすり寄ってくる 業界にはびこる怪しい面々
全国で「暴排条例」が施行されてから10年以上が経過。パチンコ業界も健全化を掲げて、クリーンな業界を目指してきているが、それを阻む怪しい輩は後を絶たず、むしろ加速している。


身近な人物が炎上する
巻き込まれの被害

つい先日、モデルとしても活躍していた道端ジェシカが麻薬所持の容疑で逮捕された。処分保留で釈放されたというが、映画プロデューサーの夫宛に届いた荷物に合成麻薬のMDMAが入っていたという。

また、政治学者としてテレビでも活躍していた三浦瑠麗も配偶者が業務上横領の疑いで逮捕、起訴された。その影響で出演してたテレビ番組を降板する憂き目にあっている。
自分自身がどれだけ襟元を正していても、身近な人物が不祥事を起こすことで、尻拭いをしなければならないことはある。それは避けようのないことかもしれないが、一方で自身だけがコンプライアンスを遵守しているだけではダメだという教訓ともいえる事例だ。好事魔多し。自身が成長・成功している時ほど、巻き込まれ炎上は意外なところでやってきて、そのダメージは大きくなっていく。
コンプライアンスの遵守といえば、聞こえはいいが実行するのは簡単なことではない。範囲を広げていけば無限に決まり事をつくることはできるだろうが、管理業務が増えてくれば、それ相応のコストやマンパワーを必要とすることになる。コンプライアンスというのは一朝一夕にはいかないのだ。 

スマスロ北斗の大ヒットに
忍び寄る攻略詐欺

さて、パチンコ業界は4月3日に導入開始となった「スマスロ北斗の拳」の影響で、久しぶりに活気付いている。歴代のパチスロ機を超える稼働を記録しているとSNSでも話題となっているのは多くの業界関係者もご存知のことだろう。
そんな盛り上がりに水をさすような事例として「●想●生強制打法」なる怪しげな商材が販売されているのをご存じだろうか。いくつかのまとめサイトが注意喚起も含めて面白おかしく記事化して話題になっていたため、今調べてみてもヒットするはずだ。このような攻略情報販売は古くから存在しており、詐欺行為として業界としても購入しないように呼びかけられているが、不思議なものでいつまでたっても、いつの世にも無くならないのが実情だ。
「スマスロ北斗の拳」の人気にあやかって、怪しげな商材が販売されることによって被害者が多く出てしまうことも大きな問題だが、こういう情報が話題になり、注目を集めてしまうこと事態が業界にとって悪影響となってしまっている。
4号機を彷彿とさせるゲーム性でスリープユーザーも久しぶりにホールに足を運んでくれたかもしれない。そんな喜ばしい状況において、昔と変わらず、怪しい攻略詐欺がまとわりつくようでは、戻ってきてくれたファンを手離すことにもなりかねない。

パチンコ業界に訪れた久々の明るいニュースが「スマスロ北斗の拳」の大ヒットなわけだが、さっそく、怪しげな会社が詐欺情報を販売し始めたと話題になった。

目立つための炎上は
お店にとってプラスなのか?

 ここからは攻略詐欺情報とは別の話を展開していきたい。今、業界全体の健全化を阻むイメージダウンにつながってしまっているのが、悪目立ちしているフリー演者たちだ。最近では自身もパチンコ店の来店を生業としているにも関わらず、別のパチンコ店の写真を載せて「パチンコしかやることないんかボケが」という暴言ツイートをしたり、PayPayを送ってこいと要求したりするような無茶苦茶な行いをしている演者も登場している。
Twitterやまとめサイトではその演者の行動を揶揄したり、面白おかしく取り上げたりする風潮もあり、かなり悪目立ちしている。数々の行いを反省せんとアップした動画では、最後に中指を立てて視聴者を挑発する。それでもこうした人たちのビジネスが成立してしまっているのは、悪目立ちでも集客につながればいいとホール関係者自体がモラルを無視してしまっているからだ。しかし、一過性の注目で人を集め、話題になることがお店にとってプラスだろうかはしっかりと考えなければならない。

また、パチンコ系の来店仕事は問題なくても別仕事で炎上することで、マイナスとなってしまう事例もある。九州地方で活動している女性演者「まいまろ」は、「まいまろわーるど」という別名義で公営ギャンブルのボートの仕事をしていた。先日、購入していない舟券を購入したかのように見せかけて捏造したとして炎上した。この影響でボートの仕事は辞めることになり、パチンコ系の来店の仕事も自粛することになったわけだが、呼ぶ計画を立てていたホール関係者や調整をしていた代理店は、代役を立てたり、日付を調整したりと、多大な迷惑と損失を受けることになった。
別業種の炎上ではあるものの、こうした被害が降りかかってくる可能性もあることを肝に銘じておく必要があるだろう。

冒頭でお伝えした通り、これがコンプライアンス遵守の難しいところだ。パチンコ業界とは関係のない個人のアカウントで起きてしまった騒動とはいえ、企業としてだんまりを決め込むことはできない。このような予想外の巻き込まれ炎上が起こる可能性もゼロではないのだ。こうした被害を避けるためには、ルールや改善などの手段ももちろん重要となるが、その前にコンプライアンス遵守の意識や風土・文化を根付かせることも同じくらい重要ではないだろうか。問題が発生してしまった後は、被害を最小限に抑え、社会的な説明責任など行動も重要となる。  

裏で誰かが系を引いているのか、本人の意志なのかは定かではないが、とにかくSNSで悪目立ちをしている女性演者。話題性はあるかもしれないが、呼んだ店舗にとってプラスになるとは言い難い。

 

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