いよいよ業界で話題の6.5号機がリリース開始となる。とはいえ、厳密には6.5号機という呼称と決まっておらず、コンプリート機能が搭載された解釈基準機ではないので有利区間4000G機となっている。
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細かな仕様は先日寄稿した特別記事にも書いたが、大きな変化としては「有利区間ランプ報知義務撤廃」と「差枚2400」の2つとなる。本機を含めて6月上旬よりリリースされるパチスロのほとんどはこの仕様となり、現市場に大きな変化をもたらすことになるだろう。
有利区間ランプなど、情報の有無によって勝敗が極端になることは6号機市場が大きく落ち込みを見せた原因の1つでもあった。その有利区間ランプ報知義務が撤廃されることで、ユーザー視点では今までの6号機同様の立ち回りでは期待値を大きく失う可能性が高くなってきている。6.4号機から対応可能となったが、2機種しかリリースされていないこともあって今のところまったく浸透していない。
本機はその影響がほぼない仕様ではあるが、余計な混乱を避けるためにも仕様の訴求に尽力することはホールの重要課題の1つだろう。「ディスクアップ2」「マッピー」同様に技術介入にて出率100%を超えるA+AT機となっている本機の基本情報を確認しよう。
《基本スペック》
設定 | 通常時ボーナス確率 | RUSH中ボーナス確率 | RUSH確率 | 出玉率(完全攻略) |
設定1 | 1/288.8 | 1/99.9 | 1/234.1 | 97.7(102.4)% |
設定2 | 1/283.3 | 1/225.3 | 98.6(103.1)% | |
設定3 | 1/273.4 | 1/205.1 | 100.3(104.8)% | |
設定4 | 1/269.7 | 1/198.0 | 101.0(105.4)% | |
設定5 | 1/262.0 | 1/182.6 | 102.5(106.6)% | |
設定6 | 1/246.4 | 1/163.8 | 104.3(108.5)% |
《通常・AT仕様》
50枚ベース | 約36.8G |
タイプ | A+AT |
AT仕様 | 押し順AT・約0.7枚/G※ボーナス込1.3枚 |
RUSH抽選 | BB後・レア役&キャッツ目経由・天井 |
ボーナス技術介入 | ナビ発生時に中リール中段青7を0コマ※1/3で救済 |
ボーナス技術介入発生率 | 青BBなし・赤BB約1/3・RB1/10.4 |
ボーナス枚数 | 青BB約125枚・赤BB約104枚・RB約72枚 |
ボーナス上乗せ期待G数 | 青BB約79G・赤BB約56G・RB約24G |
RUSH仕様 | RUSH中ボーナス高確率・ボーナス中G数上乗せ |
引き戻しゾーン仕様 | ボーナス高確率状態・ボーナス当選で引き戻し |
天井 | 通常時999G消化でRUSH |
「頭文字D」「ツインエンジェルPARTY」同様に状態によりリアルボーナスの確率が変化する仕様となっており、通常時の表面上のボーナスは「ディスクアップ2」同様にRUSH確定となっている。
本機のRBはRUSH中と通常時で入賞図柄を変化させ、通常時は“キャッツ目”として内部ボーナス中を高確率状態としている。そのため、終了となる払出条件は類型機種とは異なりナビのない状態での滞在ゲーム数は長めとなっている。
RUSH中はRBをボーナスとして消化させるためにボーナス確率は跳ね上がり、上乗せと獲得枚数をブーストする仕様となっている。技術介入はビタ押しが必要となるが、失敗時の1/3で救済にてゲーム数を獲得できる仕様となっている。
「ディスクアップ2」と比較すればボーナス図柄をリール内への停止となるので、難易度はそこまで高くない。さらに、類型機の甘い仕様にて期待値を積み重ねる仕様とは別に、6.5号機の仕様でもある差枚を生かせるトリガー的フラグも搭載されており、1SET50Gの80%LOOPの上位ATでは消化中のボーナスで獲得したG数を終了後に蓄積させるロングATへ期待できる性能も有しているのだ。
本機は有利区間がRUSH終了時に切れる仕様であり、最大天井999G到達時には約1,400枚を吸い込む。ここから差有利区間の放出終了条件としては3,800枚を放出することも可能となっている点は類型機種にはない唯一無二の性能だろう。RUSH終了後には約25Gの引き戻し状態へ移行して、ボーナス高確率状態にてボーナス当選で引き戻し成功となっている。
リアルボーナスタイプではあるが高確率で成立する内部ボーナスにより、高確率状態の滞在によるRUSH抽選状態が多くを占める仕様。内部ボーナスの切れ目でのリーチ目出現によるBB当選がフローとしては一番シンプルで、内部状態によってゲーム性は異なる。ボーナス高確率状態のRUSH中は、ボーナス期待度の示唆としてリールロックによる演出が発生する。ゲーム数上乗せはボーナスのみで、そのボーナス中は技術介入による上乗せの他にレア役高確率状態による上乗せ抽選を超高確率で行う仕様だ。
本機「Sキャッツアイ」の訴求ポイントは『スペック』であろう。コンテンツは業界問わず知名度が高いため、最新作としてリリースされたことが分かる程度で十分。一方、本機のウリとなるスペックでは“MY2400”規制撤廃であることの訴求が一番となる。『一撃2400枚OVER搭載』などとアピールしていきたい。スペックとしては『通常時ボーナス成立でRUSH濃厚!』『RUSH中ボーナス確率全設定1/99!加速する出玉とゲーム数上乗せ!』などRUSHへのハードルの低さとRUSH中のヒキによる出玉期待度を訴求することが効果的となるだろう。
本機の運用で注意すべきは類型機同様に“甘い”という点だ。上記の出率は技術介入精度50%での算出出率となっており、完全攻略でなくても技術介入精度75%で全設定100%を超える。しかも完全攻略時の出率は類型機よりも高いので、いかに幅広い層からニーズを集められるかが本機の出率、ひいては成否を大きくを左右するだろう。
厳しい見方をすると、「ディスクアップ2」「マッピー」ユーザーで限定された場合は最悪「愛姫」状態になり兼ねない。ボーナスを引くタイミングなど、展開により出率は不安定に上下するため、「ギアス」「頭文字D」のようなATユーザーにも興味をもってもらうことが非常に重要となる。