パチンコ295万台が撤去対象!?/風営法20条1項

2015.11.10 / ホール

パチンコ撤去問題と風営法20条1項

小誌既報のとおり、11月6日、警察庁生活安全局保安課は全日遊連など5団体を招集し、検定機と性能が異なる可能性のあるパチンコ機の撤去を要請した。

その理由が「8月までの調査によれば、約6割が一般入賞口に玉が全く入らず、残り4割も10分間に10個も入らないとのことであり、検定機と同性能のパチンコ遊技機が1台も発見されていない」というもので、風営法20条1項に違反するというのである。

では風営法20条1項とは何か。

「第四条四項に規定する営業を営む風俗営業者は、その営業所に、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして同項の国家公安委員会規則で定める基準に該当する遊技機を設置してその営業を営んではならない」

そして、第四条四項とは

「第二条第一項第七号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る)については、公安委員会は、当該営業に係る営業所に設置される遊技機が著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める基準に該当するものであるときは、当該営業を許可しないことができる」

前者は「著しく客の射幸心をそそるおそれがある(中略)遊技機」を設置した営業を禁じており、後者は「営業所に設置される遊技機が著しく客の射幸心をそそるおそれがある」場合に、営業を許可しないことを示している。

295万台の撤去リストとスケジュール

前段が長くなったが、11月6日の5団体に向けたパチンコ撤去要請は、そのままズバリホールに向けられている。そして、その対象機種はMAX機のみならず、ミドル、ライトミドルなどおおよそほとんどのスペックのセブン機が該当するとみられている。日遊協のホームページで確認すると平成26年の全国に設置されているパチンコが295万台ある。最悪、このすべてが撤去対象となる可能性もある。

では実際、撤去対象の遊技機はどれなのか。日工組がそのリストを近日中に公表することになっている。そして、その先に待っているのが撤去のスケジュールである。いつまでに、どの機種を何台まで撤去しなくてはならないのか。そこが最大の問題である。

中古機としての売却は不可

「著しく客の射幸心をそそるおそれがある(中略)遊技機」として、違法な認定を受けた機種は当然中古機流通もできない。なので、資産価値はゼロ。ここを、責任の一端を担っている日工組メーカーが買い取りしようというのが、いまの流れと言われている。

詳しいコンサルタントに話を聞いた。

「あまりに問題が大きすぎて、把握できてきないホールが多いようです。さらに、自分には関係ないと思っているホールまであるようですが、日本全国すべての(スロ専以外の)ホールのパチンコ台が問題の俎上に乗っていると考えた方が良い。甘デジの海物語は大丈夫とか、牙狼はまだ出たばかりだから大丈夫とか、そんな問題ではありません。最悪すべてのパチンコ台が撤去される可能性もある。中古機売買もできない。メーカーが買い取ってくれるとしても、値段に期待はできない。非常に大きな問題なのです。まずは、この現実をしっかりと分析しなくてはなりません」

※写真はイメージです。

全日遊連, 警察庁生活安全局保安課, 風営法