阿部理事長が選挙を総括。政治活動については「これまで通り継続する」と強調。「キャッシュレス化」についても言及

2025.11.19 / 組合・行政

11月19日、全日遊連(阿部恭久理事長)は理事会後に記者会見を開き、依存対策の進捗や広告宣伝検討会の状況などを報告した。

会見後半では、阿部理事長が自身の政治活動や参院選での敗北、そして政治と業界の関係性についても語った。

阿部理事長は、今年を「選挙もあり、とにかく忙しい一年だった」と振り返りつつも、業界の課題には一定の対応ができたと総括。来年以降の最重要テーマとして、2030年のカジノ開業を視野に「カジノはギャンブル、パチンコは“遊技”として理解されることが必要」と述べ、業界のアイデンティティー確立を掲げた。

政治活動については「これまで通り継続する」と強調。現行の風営法ではパチンコが接待業などと一括りにされている問題を指摘し、「遊技関係」「接客営業」「届け出営業(許可営業)」のように区分し直すべきだという業界側の私案を示した。これについては行政は主体的に動かないため、議員連盟(議連)を中心に働きかけを続ける必要性も改めて説いた。

また、選挙出馬時には他業種から「パチンコ業界は政治家との付き合い方がうまい」と評価されたことを紹介。風営法業界の中では、政治対応が比較的進んでいる業界であることも示唆した。

一方、参院選での惜敗については、「投票には行っても私の名前を書かなかった人が多かった」と述べ、業界内にも距離感や不満があった可能性を示した。自民党全体への逆風、賃金アップに乗り切れない業界構造、一人ひとりとの対話不足なども敗因として列挙。体調不良もあり、十分に訴えきれなかった点を悔やんだ。

さらに会見では、ホールのキャッシュレス化の課題についても言及。政府が依存症対策の一環として「公営ギャンブルでのカード利用を制限する方向」を示しており、これがパチンコ業界にも影響。実際にキャッシュレスのテスト導入を計画したホールもあったが、「国民的議論を招きかねない」と内閣官房が懸念を示していることなどを当該企業に伝え、スタートが見送られたという。クレジットカード利用が“一時的借金”と解釈される問題もあり、業界として慎重な姿勢が続いている。

なお、12月3日には職域支部の連絡会が予定されており、ここで業界としての「総括」が行われる見通しだ。

全日遊連, 阿部理事長, 参院選, キャッシュレス化, 職域支部, 議員連盟