業界の〝基礎票約9万票〟に一定の評価 平川副理事長が言及

2025.07.23 / 組合・行政

全日遊連は7月23日、都内のホテルで定例理事会後に記者会見を開き、参院選比例代表に立候補していた理事長・阿部やすひさ氏の落選を受け、選挙戦を振り返るとともに、業界としての今後の方向性について言及した。

会見には体調不良により欠席した阿部氏に代わり、副理事長の平川容志氏と平岡聖教氏が出席した。

平川氏は冒頭、「阿部氏は17日間の選挙戦を全力で駆け抜け、開票日翌日には体調を崩して現在も入院中」と述べ、阿部氏の献身を讃えるとともに、落選という結果について「残念でならないが、業界の結束と熱量は確かにあった」と振り返った。

また「9万票という数字は決して誇れるものではないが、逆風の中でも業界として一定の〝基礎票〟が存在することを示した」と評価。自民党全体への逆風が吹く中での得票について、「今後の政治活動のベースとして捉えるべき数字だ」と強調。「これを踏まえて、今後どのように考えていくかが問われている」と述べ、業界の政治的関与を今後も継続していく可能性を示唆した。

一方、平岡氏は経営層の間では結束と熱量があったものの、現場との温度差もあったことを指摘。実際、若い従業員からは「別の政党を支持したい」「政治活動より所得アップを望む」といった声もあったという。これに対し平岡氏は、「組合や企業のトップ層だけでなく、ホール現場の従業員一人ひとりに業界の目指す方向を伝えていく必要がある」と述べ、業界としての一体感を再構築するうえで、組織内コミュニケーションの重要性を訴えた。

会見ではまた、広告宣伝ガイドラインの運用状況についても報告された。2025年5月29日にガイドラインが改正され、6月末までの約1か月間で3706件の処理件数があり、そのうち1070件が是正勧告の対象となったという。

さらに、新規顧客の獲得を目的とした新たな取り組みとして「0円コーナー」が検討されていることが紹介された。これは業界の記念日など特定日を設け、実際にお金を使わずにパチンコ・パチスロを体験できる試験的な施策。

現時点では法的整理が必要であり、警察庁とのすり合わせを進めながら慎重な対応が求められているが、若年層や未経験者への新たな入口として期待が寄せられている。

基礎票, 約9万票, 全日遊連, 平川容志副理事長