TV番組のセットにパチンコ台=ティーザー広告のススメ

2019.11.05 / コラム

昭和から平成、令和と時代は変わろうとも、パチンコは昔から同行者によって初めて体験する遊びだ。未経験者が一人でいきなり店に入れるものではない。

そのパチンコへ連れて行ってくれる同行者が激減しているから、新規ユーザーはなかなか増えない。つまり新規ユーザーの開拓はハードルが高い。

あるパチンコメーカーがスリープユーザーに対して、意識調査をしたことがある。一度止めてしまうと全く興味が湧かなくなる、という意見がある一方で「見てしまうとやりたくなる」、「話を聞いて打ちに行きたくなった」という意見もあった。

ここで重要なポイントが「見てしまうとまたやりたくなる」という意見だ。

2011年以降遊技機メーカーのテレビCMが姿を消して久しい。つまり、テレビでパチンコの筐体を観る機会がなくなったために、スリープユーザーを掘り起こすこともできないでいることにメーカー関係者は着目した。

「テレビCMを作るには2000万円はかかってしまうし、日工組が自主規制しているのでテレビCMを流すこともできない。それならテレビ番組とタイアップして、トーク番組のセットに新台を置かせてもらいたい」(メーカー関係者)

最近のテレビ番組で特にバラエティー番組のゲストは、新番組のドラマや新作映画の出演者が出てくるケースが非常に多い。いわゆる“番宣”で、タイアップ広告のようなものだ。

要はこの手法を用いて番組のセットの背景に新台を飾らせてもらう、という考え方だ。

写真があった方が分かりやすい。

これは2017年6月に放送されたNHKの明石家紅白の一場面である。森高千里が歌う背景にどういうわけか古いスロットが映り込んでいる。



非常に気になるアングルだ。スリープユーザーは昔の勝っていた時代を呼び起こすかもしれない。

スタジオの全体の風景はこんな具合で、インテリア的にスロットが使われている。



しかし、どういうわけか胴体部分を機種名が分からないように隠している。



例えば、坂上忍がMCを務めるフジテレビのバイキングのセットの背景に電源をONにしたパチンコを使ってくれたら、スリープユーザーは気になってしかたないはずだ。

大手メーカーともなると大手広告代理店との付き合いもあるから、ティーザー広告の手法で提案するのも面白い。

それに加え、メーカーは店頭ディスプレイ用に自動で玉を打ち出す販促用パチンコ台を作るのも面白い。動いている台を観れば興味を惹く度合いは格段に上がるというものだ。

ホールの中に入らなくてもパチンコ台を観る機会を増やすことが遊技人口を復活させるカギとなる。






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