Mohegan Gaming 19年度業績　経常赤字, 米北東部の競争激化～日本再検討,北海道見送り後

2019.12.09 / カジノ

2019-12-09

【海外ニュース】

12月5日、Mohegan Gaming & Entertainment（米国コネチカット州、インディアン部族経営）は、2019年度業績（2018年10月-2019年9月）を発表。

Mohegan Gaming & Entertainmentは、コネチカット州Mohegan Sunを主力とし、ペンシルベニア州Mohegan Sun Pocono、カナダ・オンタリオ州MGE Niagara Resortsを運営。

経常損益（営業利益からネット利払い費を減額）は、2019年度通期は$1mnの赤字, 4Q（7-9月）は$21mnの赤字。営業利益がネット利払い費をカバーできない構図（経常赤字）。

主力のコネチカット州Mohegan Sunの収益力低下が深刻。米国北東部、とくに本拠地のコネチカット州に隣接するマサチューセッツ州、ニューヨーク州との競争が激化が響く。

なお、Mohegan部族は、コネチカット州のカジノ産業を、 Mashantucket Pequot部族とともに寡占するステイタスを有する。施設は、前者がMohegan Sun、後者がFoxwoods Resort Casino。

Mohegan Gaming & Entertainmentは、日本については、北海道にフォーカスしてきた。6月28日、北海道苫小牧市ＩＲ事業構想案を発表（投資額35億ドル～45億ドル）、10月10日には苫小牧市内に事務所を解説。
Mohegan Gaming & Entertainmentは、北海道の誘致申請見送りを受け、日本戦略を再検討中。

Mohegan Gaming & Entertainment 業績動向：
＜2019年度通期業績（2018年10月-2019年9月）＞
・売上高$1,389mn,YoY2％増, 営業利益$136mn,YoY44％減, 部族帰属当期利益$3mnの赤字（前期$131mnの黒字）
・ネット利払い費用は$137mn。営業利益がネット利払い費をカバーできない構図（経常赤字）
＜2019年度4Q業績（2019年7月-2019年9月）＞
・売上高$414mn,YoY19％増, 営業利益$16mn,YoY77％減, 部族帰属当期利益$21mnの赤字（前期$38mnの黒字）
・ネット利払い費用は$37mn。営業利益がネット利払い費をカバーできない構図（経常赤字）
・プロパティ別
– Mohegan Sun＝売上高$250mn,YoY9％減, 営業利益$43mn,YoY21％減
– Mohegan Sun Pocono＝売上高$64mn,YoY3％減, 営業利益$31mnの赤字（前期$11mnの黒字）
– MGE Niagara Resorts＝売上高$91mn, 営業利益$5mn（2019年度4Qが最初の四半期フル連結）

Mohegan Gaming 日本における営業活動～北海道, 和歌山県などで活動履歴

・北海道は、11月29日にＩＲ申請見送りを決定
誘致レース（843）北海道＝鈴木知事道議会本会議「IR,今回の申請見送り。将来に挑戦」

Mohegan Gaming 苫小牧市内に事務所開設。海外ＩＲ4社目～アジア未開業組が先手

・10月10日、Mohegan Gaming & Entertainmentは、苫小牧市内に日本法人の事務所を開設
・北海道（鈴木直道・知事）のＩＲ誘致方針の決定までは、プレオープンの位置づけ
・当面は、スタッフ1名が週3日ほど勤務。活動は、ＰＲ活動と苫小牧市、道のＩＲ機運醸成のサポート
・苫小牧市内への事務所開設は、2018年1月のクレアベストニームベンチャーズ、2018年12月にラッシュ・ストリート・ジャパン、2019年4月のハードロックジャパンに続く4社目

第1回［北海道］統合型リゾート産業展（2019年12月11日・12日）5社出展へ～苫小牧市事務所3社

・10月9日、第1回［北海道］統合型リゾート産業展の実行委員会（運営事務局：株式会社イノベント）は、出展する海外ＩＲ事業者５社を公表
– ハードロック・ジャパン
– メルコリゾーツ＆エンターテインメント
– モヒガン・ゲーミング・アンド・エンターテインメント
– ラッシュ・ストリート・ジャパン
– SJMホールディングス
・メルコリゾーツ＆エンターテインメントは、9月18日、「横浜ファースト」戦略を発表済み

Mohegan gaming 苫小牧ＩＲ構想案　投資最大4,900億円～Hardrockに追随。競争のバー引き上げ

・6月28日、Mohegan Gaming Entertainmnetは、本拠地の米国コネチカット州にて、苫小牧市におけるＩＲ事業構想案を発表
・構想案のポイントは以下の通り
– 施設名”Inspire Entertainment Resort Hokkaido”（インスパイア・エンターテインメント・リゾート北海道）
– 投資額は35億ドル～45億ドル（約3,800億円～4,900億円）
– 運営時直接雇用は5,000人～7,000人
– ホテル３棟（計2,500室）, 会議場（収容6,000人）, アリーナ（収容10,000人）, 乗馬, クロスカントリースキー, 農業などの自然体験, アイヌとモヒガンの博物館
– 韓国仁川空港エリアのInspire Koreaと連動
– 地元パートナー企業とのコンソーシアムを組成、出資比率はこだわらない
・苫小牧市ＩＲの投資額は、道が示したガイドラインは2,800～3,800億円。一方、5月にハードロック会長が50億ドル（約5,500億円）、今回がモヒガンが最大45億ドル（4,900億円）とバーを引き上げた。苫小牧市に参入意欲を持つ、シーザーズ、メルコリゾーツ、ラッシュなどがどのように対応するか注目される

北海道：日経ＩＲセミナー in 札幌市　プレゼン5社（2019年3月5日）

– シーザーズ・エンターテインメント
– ハードロック・ジャパン
– メルコリゾーツ＆エンターテインメントジャパン
– モヒガン・ゲーミング＆エンターテインメント
– ラッシュ・ストリート
日経ＩＲセミナー in 北海道札幌市　約370名参加　海外ＩＲ５社, 協賛プレゼン枠確保

和歌山県：IRビジネス構築セミナー（2019年2月19日）協賛４社

– ブルームベリー（フィリピン）
– バリエール（フランス）
– ギャラクシー（香港・マカオ）
– モヒガン・ゲーミング（米国）
誘致レース（582）和歌山県＝IRビジネス構築セミナー地域中心に300名～海外４社協賛

北海道：北海道ＩＲショーケース（2019年1月9-10日）出展７社＋特別協賛１社

– シーザーズ・エンターテインメント
– ハードロック・ジャパン
– メルコリゾーツ＆エンターテインメント
– モヒガン・ゲーミング・アンド・エンターテインメント
– ラッシュ・ストリート・ジャパン
– SJMホールディングス
– 〈特別協賛〉クレアベスト

韓国：Mohegan Gaming　Inspire　1A開業2022年に｡1BにParamountテーマパーク構想

2018年12月6日、Mohegan Gaming & Entertainment（米国コネチカット州、インディアン部族経営）、米国Paramount Picturesは、韓国・仁川国際空港エリアのProject Inspireにおいて、Paramountブランドのテーマパーク開発に関する戦略パートナーシップを発表。

併せて、Project InspireのPhase 1Aの開業見通しが、2021年から2022年に遅れることも発表された。
Paramountブランドのテーマパークは、1Bの位置づけであり、開業予定は2025年。

Paramount Picturesは、これまでに日本を含む様々な場所で、テーマパーク構想を検討した経緯があるが、実現に至らなかった。

アジアにおける米国ブランドのショーやテーマパークは、現地向けローカライズが不可欠。米国の催し物を、そのまま持ってきたケースでは、ほぼすべて失敗に終わった経緯がある。

Mohegan Gaming & Entertainmentは、コネチカット州Mohegan Sunを主力とし、ペンシルベニア州のMohegan Sun Poconoも運営。ネット売上高の8割は、コネチカット州に起因。

なお、Mohegan部族は、コネとカット州のカジノ産業を、 Mashantucket Pequot部族とともに寡占するステイタスを有する。施設は、前者がMohegan Sun、後者がFoxwoods Resort Casino。

2018年5月、Mohegan Gaming & Entertainmentは、Project Inspire開発会社の株式について、韓国ローカルパートナー所有分を取得し、100％所有とすることを発表。
Mohegan Gamingは、ローカルパートナーの社名、購入金額に言及しなかったが、過去の公開情報より、ローカルパートナーは韓国の化学会社KCC Corp（同社所有分24.5％）と推定される。

Mohegan Gaming & Entertainmentは、日本については、北海道をプライマリー・フォーカス市場と位置付ける。

Project Inspire 概要：

・開発予算＝Phase 1合計16億米ドル, 最終累計50億米ドル
・開業予定＝Phase 1Aは2019年5月に着工, 2022年開業予定。Phase 1Bの開業予定は2025年

Phase 1A施設
・カジノスペース 150テーブル, 700スロット（電子ゲーム含む）
・5-starホテル 1,250室以上（スイーツ、ヴィラ含む）
・15,000席の最新コンサート・スポーツアリーナ
・半球ドーム 4,500㎡, プール, ライド, ダイニング, リテイル
・会議場 19,000㎡, 仁川ソウル地区最大のボールルーム 5,617㎡

Phase 1B施設
・Paramountブランドのテーマパーク 404,000㎡

カジノＩＲジャパン

オリジナルサイトで読む

カジノIRジャパン

Mohegan Gaming 19年度業績 経常赤字, 米北東部の競争激化～日本再検討,北海道見送り後

Mohegan Gaming 日本における営業活動～北海道, 和歌山県などで活動履歴

Mohegan Gaming 苫小牧市内に事務所開設。海外ＩＲ4社目～アジア未開業組が先手

第1回［北海道］統合型リゾート産業展（2019年12月11日・12日）5社出展へ～苫小牧市事務所3社

Mohegan gaming 苫小牧ＩＲ構想案 投資最大4,900億円～Hardrockに追随。競争のバー引き上げ

北海道：日経ＩＲセミナー in 札幌市 プレゼン5社（2019年3月5日）