Melco Resorts 19年度4Q 経常益0.9億ドル,YoY35%減~足元は肺炎打撃。日本は横浜集中

2020.02.21 / カジノ
2020-02-21

【海外ニュース】

2月20日、Melco Resorts & Entertainment(MLCO, 米国NASDAQ上場)が2019年度4Q実績を発表。

経常利益(営業利益 less ネット利払費)は、4Q(10-12月)$91mn,YoY35%減, 4Q累計(1-12月)$447mn,YoY26%増。

4Q(10-12月)は、収益柱であるマカオ市場のマス顧客は堅調をキープ。ただし、全社的なコストアップを吸収できず、営業利益$173mn,YoY15%減となった。

2019年度3Qより、欧州サイプラス島の施設運営会社ICR Cyprus Holdingsが連結対象化(前年を訴求修正)。7月31日に、親会社であるMelco International Developmentが所有していた、ICR Cyprus Holdingの株式75%を取得した。

2020年に入っての新型肺炎の影響については、マカオの同業他社と同様、厳しい認識。1月末以降、売上高がほぼゼロとなる中、デイリーの固定費を3百万ドルから2.5百万ドルに縮小。

2019年12月末のネット有利子負債は、30億ドル(キャッシュ14.3億ドル, 有利子負債43.9億ドル)。

ローレンス・ホーCEOの日本に関するコメント:
「日本はコアフォーカス。2019年9月に横浜ファーストポリシーを決定」
「2019年12月には、横浜市RFCに提案を提出」

2019年度4Q業績(10-12月) $=米国ドル:
・売上高$1,451mn,YoY3%増, 調整後EBITDA $383mn,YoY5%減, 営業利益$173mn,YoY15%減, 株主帰属当期利益$68mn,YoY46%減
<プロパティ別営業利益>
・Altira Macau=$8mn,YoY46%減
・Mocha=$4mn,YoY96%増
・City of Dreams=$146mn,YoY12%減
・Studio City=$74mn,YoY31%増(Melco Resortsの株式所有率=54%)
・City of Dreams Manila=$18mn,YoY30%減
・Cyprus Operations=$6mn(前年同期$1mnの赤字)(Melco Resortsの株式所有率=75%)

2019年度4Q累計業績(1-12月) $=米国ドル:
・売上高$5,737mn,YoY11%増, 調整後EBITDA $1,574mn,YoY14%増, 営業利益$748mn,YoY22%増, 株主帰属当期利益$373mn,YoY10%増
<プロパティ別営業利益>
・Altira Macau=$27mn,YoY20%減
・Mocha=$16mn,YoY25%増
・City of Dreams=$655mn,YoY31%増
・Studio City=$222mn,YoY18%増(Melco Resortsの株式所有率=54%)
・City of Dreams Manila=$100mn,YoY18%減
・Cyprus Operations=$17mn(前期$13mnの赤字)(Melco Resortsの株式所有率=75%)

Melco Resorts 新型肺炎受け投資方針見直し~日本営業継続, 豪Crown株式追加取得中止

2月6日、Melco Resorts & Entertainmentは、新型肺炎の影響を受け、2020年の投資方針を、コア・アセット集中、ノンコア・アセット見直しとすると発表。

コアの位置づけは、マカオ、フィリピン、キプロスの既存施設、そして、日本(横浜市にフォーカス)への営業努力とした。

ノンコアの位置づけには、オーストラリアCrown Resortsの株式追加取得を含めた。

これにより、Melco Resorts & Entertainmentは、CPH Crown Holdingsと合意していた、Crown Resortsの追加取得を停止し、取締役の派遣もしないことになった。

2019年5月30日、Melco Resorts & Entertainmentは、CPH Crown Holdings(Crown Resorts創業家であるJames Packer氏の持ち株会社。Crown Resorts株式の約47%所有)から、オーストラリアのCrown Resortsの株式19.99%を取得すると発表。取得総額は、約17.6億豪ドル(約1,333億円)。
Melco Resorts & Entertainmentは、6月6日に10%分の株式を取得を完了し、9月末までに残り9.99%を取得する方針とした。しかし、その後の当局による調査を受けて、残り9.99%の取得をペンディング。

当局の調査とは、2019年8月に持ち上がった、オーストラリア・ニューサウスウェールス州ゲーミング管理当局(The New South Wales Independent Liquor and Gaming Authority)による、Crown Resortsへのライセンス適性調査。

2020年1月21日、当局は、Crown Resortsの幹部に対するヒアリングを実施。Crown Resorts側は、ネガティブな疑念を否定。
1月24日、Crown Resortsは、当局の調査への対応すべく、マネジメントチーム再編を発表。
2月24日には、公聴会が開催予定され、Melco ResortsのCEOであるローレンス・ホー氏も調査対応が求められていた。

当局の調査対象は、主に以下の二つの事象。
・Crown Resortsが違法行為に関与するマカオのジャンケット業者との取引していた可能性
・Melco Resorts & EntertainmentによるCrown resorts株式19.99%取得方針に関連し、Melco Resortsの大株主としての適性

Melco Resortsの適性調査のポイントは、Melco Resortsが、スタンレー・ホー氏および関連会社と重要な関係を持つかどうか。当局は、Crown Resortsへのゲーミングライセンス付与の条件として、スタンレー・ホー氏および関連会社と重要な関係を持つこと禁じる規定を設けていた。

Melco Resortsの創業CEOかつ最大株主であるローレンス・ホー氏は、スタンレーホー氏の子息である。

2019年8月、Melco Resortsは、自社および親会社であるMelco International Developmentの取締役、マネジメントは、スタンレー・ホー氏から完全に分離しているとコメントを発表。

Crown Resortsは、主力のメルボルン(ビクトリア州)、パース(西オーストラリア州)で施設を所有し、現在、シドニー(ニューサウスウェールス州)においてIR施設を開発中。

2017年5月, Melco Resorts & Entertainment, Crown Resortsとの提携解消:

・2017年5月8日、Melco Resorts & Entertainmentは、Crown Resortsが保有する自社株式すべてを買い取ると発表
・5月15日に一連の取引が完了した後、Crown Resortsは、Melco Resorts & Entertainmentの株主を保有しない
・今回の取引を契機に、アジア、日本への展開における協業合意(The joint venture arrangement)を終結する
・Melco Crown Entertainment(現Melco Resorts & Entertainment)の創業から2015年末まで、Melco International Development、Crown ResortsはそれぞれMelco Crown Entertainment株式の34.3%を所有するイーコールパートナーであった

 

Melco Resorts & Entertainment 親会社よりキプロスCoD Mediterranean開発社株を取得

6月24日、Melco Resorts & Entertainmentは、Melco International Developmentとの間で、Melco International Development が所有するICR Cyprus Holdings全株の取得について合意したと発表。

Melco International Developmentは、Melco Resorts & Entertainmentの親会社(Melco International Developmentの所有比率55%)であり、ローレンス・ホー氏を筆頭株主(ローレンス・ホー氏の所有比率55%)とする。

ICR Cyprus Holdingsは、キプロス共和国において、City of Dreams Mediterraneanを開発する現地法人(コンソーシアム)。株主構成は、Melco International Developmentが75%、残りは地元企業Cyprus Phassouri(Zakaki)など。
Cyprus Phassouri(Zakaki)は、キプロス共和国のCNSグループ傘下。CNSグループは、不動産、通信、酪農、農業、鉱業など多角的に展開。

取得は、株式交換、すなわちMelco Resorts & Entertainmentが自社株式をMelco International Developmentに付与、であり、バリュエーションは3.75億米ドル(約410億円)。

シティ・オブ・ドリームス メディテレーニアン(City of Dreams Mediterranean)概要

開発主体:ICR Cyprus Holdings(コンソーシアム:Melco Resorts & Entertainment(75%, 譲渡完了後), 地元資本Cyprus Phassouri Zakakiなど(25%)
投資規模:全体計画は5億ユーロ(約650億円)
ライセンス:期間30年(最初の15年は独占)

<メインIR施設>
場所:リマソール
施設:ホテル500室(five-star), カジノ(面積7,500㎡,テーブル100台以上,スロット1,000台以上), レストラン(11店), リテイルモール, エンタテインメント, ウェルネスセンター, スポーツセンター, 国際会議センター(9,600㎡)など
開業予定:2021年
雇用創出:建設期間中4,000人, 開業後2,500人(正規雇用)

<暫定カジノ施設 Cyprus Casinos, “C2” (メイン施設開業2021年に営業終了)>
投資額:EUR13mn(約17億円)
場所:リマソール
施設:建物面積 4,600m²、うち、ゲーミングエリア 1,300m²(テーブル33台-VIP含む, スロット 242台), 飲食
開業:2018年6月28日
雇用:運営 593名(営業終了後、メイン施設へ移籍)

<サテライト・カジノ施設(4ヵ所)>
施設:3つのスロットパーラー, 1つのテーブルを含む小型サテライトカジノ
場所:ニコシア, ラルナカ, ファマグスタ, パフォス
開業予定:2018年, 2019年

 

マカオ:Melco Resorts New Cotai社の破産再建 Studio Cityの所有強める好機に

5月3日、Bloombergは、New Cotai Holdings社がニューヨーク州にて、Chapter 11(連邦倒産法第11章, 再建型)を申請したと報じた。

New Cotai Holdings社は、Studio Cityの運営会社である(Studio City International Holdings)の株式の23%を所有する。負債総額は、5億ドルから10億ドル。

New Cotai Holdings社は、Silver Point CapitalとOaktree Capitalにより2006年に設立された。2011年、Melco Resorts & Entertainment(Melco)が3.6億ドル(約400億円)を投じ、Studio City International Holdings株式の60%相当を買い取った。

その後、Melco社が少数株主保有分を買い取る方向で、協議を重ねてきたが、バリュエーション面で折り合いがつかなかった経緯がある。その後、Studio City International Holdingsが株式公開し、Melco社が54%、New Cotai Holdings社が23%を保有する状況となった。

今回のNew Cotai Holdings社の破産再建の手続きは、Melco社がオーナーシップを強める好機となる可能性がある。

マカオ Studio Cityの概要
<第1期>
・開業:2015年10月
・投資額:32億ドル
・土地面積 13.1万㎡
・建物:延べ床面積は全体予定70.7万㎡、うち第1期は47.7万㎡
・カジノフロア 約46,000㎡。テーブル292台、スロット957台
・ホテル 1,600室、リテイル 35,000㎡
<第2期 計画中>
・プロジェクト予算は、13.5億ドルから14億ドルを想定
・ホテル2棟(計900室)、ゲーミングエリア
・ウォーターパーク、飲食、リテイル、MICE、シネプレックスなど

 

マカオ:政府,カジノ営業権満期に伴う再入札準備~21年実施予想も。日本営業に影響

5月11日、梁維特(Lionel Leong)・マカオ特別行政区経済財政庁長官は、記者団に対し、カジノ営業権(コンセッション)満期後の方針について言及。ポイントは、

・改めて、”更新(Renewal)”ではなく、”新規入札(New Public tender)”を実施する方針を強調
・政府は、現在、入札実施に向けた法的な準備を進めている(ゲーミング法および関連規制の改正など)
・入札、すなわち事業者選定では、マカオの観光レジャーセンター化への貢献、ノンゲーミング強化などに重点を置く

一方、5月に入り、マカオのゲーミング法専門家であるJorge Godinho氏(マカオ大学・法学部客員教授, リーガルコンサルタント)は、”新規入札”が2021年に実施されると予想。

背景には、4月19日に、崔世安(Fernando Chui Sai On)・マカオ特別行政区行政長官が、議会にて、再入札が現行コンセッション満期(2022年6月26日)前に実施されること、すなわち現行営業権の延長オプションを行使しない方針を明らかにしたことがある。

マカオのカジノ営業権の”新規入札”は、日本におけるIR区域整備計画の選定認定(国による都道府県等と事業者の決定)の時期と一致する可能性がある。その場合、マカオの現行カジノ営業権保有者は、その喪失リスクを抱えた中で、日本参入営業を展開せざるを得ない。

マカオでは、コンセッション保有者(または、コンセッション保有者とサービスアグリーメントを締結した事業者)のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、権益であり、6社の企業価値を支える原動力である。

図表の通り、マカオでは、6社(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、すべて2022年6月26日に満期を迎える。

ゲーミング・コンセッションに関して、現行法、契約(政府-事業者間)が規定するポイントは以下の通り。
・現行コンセッション満期後、新規コンセッションは、フレッシュな入札プロセス(Public Tender)を通じて付与
 (政府は、繰り返し、”更新”ではない点を強調)
・現行ゲーミング・コンセッションは、最大5年間の延長が可能
 (2019年4月、政府は延長しない方針を表明)
・政府は、2017年より、現行ゲーミング・コンセッションを早期償還できる権利を持つ
 (現在まで、政府は権利行使について言及なし)
・現行ゲーミング・コンセッション保有者は、それを喪失した場合、カジノ施設を、対価なしに、マカオ政府に移管する義務
 (カジノ施設の喪失は、事業性の観点から、自動的に全施設の喪失を意味する)

2017年央、政府高官は、初めて、”新たな入札(New Tender)”という表現を用いた。その発言は、現コンセッション保有6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2022年6月26日 SJM Holdings 香港証券取引所 22 1
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所 2 2
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所 6 3
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 5 4(サブ)
2022年6月26日 MGM China 香港証券取引所 2 5(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 4 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2018年12月末時点
注2:2019年3月15日、マカオ政府はSJM Holdingsのコンセッション(MGM China Holdingsのサブ・コンセッション)の満期日を、2020年3月31日から2022年6月26日に延長を承認
注3:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

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