Melco Resorts 豪NSW州当局がCrown株式20%取得を調査~Stanley Ho氏との関係禁止

2019.08.10 / カジノ
2019-08-10

【海外ニュース】

8月8日、オーストラリア・ニューサウスウェールス州ゲーミング管理当局(The New South Wales Independent Liquor and Gaming Authority)は、Crown Resortsの状況変化を調査すると発表。
Crown Resortsは、その直後、当局への協力方針を発表。

Crown Resortsは、主力のメルボルン(ビクトリア州)、パース(西オーストラリア州)で施設を所有し、現在、シドニー(ニューサウスウェールス州)において施設を開発中。

調査は、Melco Resorts & EntertainmentによるCrown Resortsの株式19.99%の取得取引を中心とする。

オーストラリア・ニューサウスウェールス州ゲーミング管理当局は、Crown Resortsがスタンレー・ホー氏および関連会社と重要な関係を持つこと禁じる方針であり、それをライセンス条件とした。
当該ライセンス条件は、これまで未公表であった。

スタンレー・ホー氏は、ローレンス・ホー氏(Melco Resorts & Entertainmentの最大株主かつCEO)の父親である。

8日の州議会では、スタンレー・ホー氏の関連企業および関連人物のリスト(全59社・人)が提示された。その中に、”Lanceford Co Ltd”が含まれており、その役員(6月時点)にローレンス・ホー氏の名前があった。

リストには、Melco Resorts & Entertainmentグループやローレンス・ホー氏の名前は含まれなかった。一方、SJM Holdings、Shun Tak Holdings、パンジー・ホー氏、デイジー・ホー氏、メイジー・ホー氏(3氏ともローレンス・ホー氏の兄弟)は含まれた。

8日のオーストラリア側の動きを受けて、Melco Resorts & Entertainmentは、自社および親会社であるMelco Internationnal Developmentの取締役、マネジメントは、スタンレー・ホー氏から完全に分離しているとコメント。

5月30日、Melco Resorts & Entertainmentは、CPH Crown Holdingsから、Crown Resortsの株式19.99%を取得すると発表。取得総額は、約17.6億豪ドル(約1,333億円)。
Melco Resorts & Entertainmentは、6月6日に10%分の株式を取得を完了し、9月末までに残り9.99%を取得する方針。

CPH Crown Holdingsは、James Packer氏の持ち株会社であり、Crown Resortsの株式の約47%を所有する。

Melco Resorts & Entertainmentは、さらに、Crown Resortsに対する所有権を増やす意向を持っている。

なお、Crown Resortsは、2014年にニューサウスウェールス州ゲーミング管理当局とIR開発を合意したが、その時は、Melco Resorts & Entertainmentと提携関係にあった(当時 Melco Crown Entertainment)

2017年5月, Melco Resorts & Entertainment, Crown Resortsとの提携解消:
・2017年5月8日、Melco Resorts & Entertainmentは、Crown Resortsが保有する自社株式すべてを買い取ると発表
・5月15日に一連の取引が完了した後、Crown Resortsは、Melco Resorts & Entertainmentの株主を保有しない
・今回の取引を契機に、アジア、日本への展開における協業合意(The joint venture arrangement)を終結する
・Melco Crown Entertainment(現Melco Resorts & Entertainment)の創業から2015年末まで、Melco International Development、Crown ResortsはそれぞれMelco Crown Entertainment株式の34.3%を所有するイーコールパートナーであった

Melco Resorts 19年度2Q 経常益1.3億ドル,YoY2.3倍。主力COD回復。日本は大阪, 横浜

7月24日、Melco Resorts & Entertainment(MLCO、米国NASDAQ上場)が2019年度2Q実績を発表。

経常利益(営業利益-ネット利払費用)は、2Q(4-6月)$131mn,YoY2.3倍, 2Q累計(1-6月)$251mn,YoY13%増。

収益柱であるマカオCity of Dreamsの利益急回復。2019年に入り、マカオ市場全体は前年比フラットであり、City of Dreamsの回復の背景は、2018年6月に開業したMorpheusの貢献に加え、グループ内プロモーション戦略(顧客をStudioCityからCity of Dreamsに寄せる)と推測される。

今回、会社は、Studio City第2期の投資計画に言及。開発予算は、13.5億ドルから14億ドルを見込む。

ローレンス・ホーCEOの日本に関するコメント:
「日本は、引き続き、我々のコアフォーカス。5月には、当社は大阪向けのIRデザイン”City of the Future”を公開した。また、当社は横浜市のRFI、大阪市のRFCに参加。当社の強みは、アジア・プレミアム顧客、ハイクオリティ・アセット、ワールドクラスのエンタテインメント、ソーシャルセーフガード、法令順守である。当社は、自治体、地域社会の理想的なパートナーになることをコミットする。当社のは、日本におけるIR開発機会の獲得レースにおいて、良いポジションに位置すると信じる」

2019年度2Q業績(4-6月) $=米国ドル:
・売上高$1,443mn,YoY17%増, 調整後EBITDAは$411mn,YoY28%増, 営業利益$205mn,YoY74%増, 株主帰属当期利益$100mn,YoY75%増
・プロパティ別営業利益
 Altira Macau=$2mn,YoY82%減
 Mocha=$4mn,YoY18%増
 City of Dreams=$184mn,YoY90%増
 Studio City=$39mn,YoY47%増(Melco Resortsの株式所有率=54%)
 City of Dreams Manila=$39mn,YoY11%減

2018年度2Q累計業績(1-6月) $=米国ドル:
・売上高$2,805mn,YoY10%増, 調整後EBITDAは$792mn,YoY13%増, 営業利益$393mn,YoY16%増, 株主帰属当期利益$218mn,YoY2%増
・プロパティ別営業利益
 Altira Macau=$12mn,YoY53%減
 Mocha=$8mn,YoY10%減
 City of Dreams=$342mn,YoY32%増
 Studio City=$88mn,YoY2%減(Melco Resortsの株式所有率=54%)
 City of Dreams Manila=$62mn,YoY14%減

Melco Resorts & Entertainment 親会社よりキプロスCoD Mediterranean開発社株を取得

6月24日、Melco Resorts & Entertainmentは、Melco International Developmentとの間で、Melco International Development が所有するICR Cyprus Holdings全株の取得について合意したと発表。

Melco International Developmentは、Melco Resorts & Entertainmentの親会社(Melco International Developmentの所有比率55%)であり、ローレンス・ホー氏を筆頭株主(ローレンス・ホー氏の所有比率55%)とする。

ICR Cyprus Holdingsは、キプロス共和国において、City of Dreams Mediterraneanを開発する現地法人(コンソーシアム)。株主構成は、Melco International Developmentが75%、残りは地元企業Cyprus Phassouri(Zakaki)など。
Cyprus Phassouri(Zakaki)は、キプロス共和国のCNSグループ傘下。CNSグループは、不動産、通信、酪農、農業、鉱業など多角的に展開。

取得は、株式交換、すなわちMelco Resorts & Entertainmentが自社株式をMelco International Developmentに付与、であり、バリュエーションは3.75億米ドル(約410億円)。

シティ・オブ・ドリームス メディテレーニアン(City of Dreams Mediterranean)概要

開発主体:ICR Cyprus Holdings(コンソーシアム:Melco Resorts & Entertainment(75%, 譲渡完了後), 地元資本Cyprus Phassouri Zakakiなど(25%)
投資規模:全体計画は5億ユーロ(約650億円)
ライセンス:期間30年(最初の15年は独占)

<メインIR施設>
場所:リマソール
施設:ホテル500室(five-star), カジノ(面積7,500㎡,テーブル100台以上,スロット1,000台以上), レストラン(11店), リテイルモール, エンタテインメント, ウェルネスセンター, スポーツセンター, 国際会議センター(9,600㎡)など
開業予定:2021年
雇用創出:建設期間中4,000人, 開業後2,500人(正規雇用)

<暫定カジノ施設 Cyprus Casinos, “C2” (メイン施設開業2021年に営業終了)>
投資額:EUR13mn(約17億円)
場所:リマソール
施設:建物面積 4,600m²、うち、ゲーミングエリア 1,300m²(テーブル33台-VIP含む, スロット 242台), 飲食
開業:2018年6月28日
雇用:運営 593名(営業終了後、メイン施設へ移籍)

<サテライト・カジノ施設(4ヵ所)>
施設:3つのスロットパーラー, 1つのテーブルを含む小型サテライトカジノ
場所:ニコシア, ラルナカ, ファマグスタ, パフォス
開業予定:2018年, 2019年

 

マカオ:Melco Resorts New Cotai社の破産再建 Studio Cityの所有強める好機に

5月3日、Bloombergは、New Cotai Holdings社がニューヨーク州にて、Chapter 11(連邦倒産法第11章, 再建型)を申請したと報じた。

New Cotai Holdings社は、Studio Cityの運営会社である(Studio City International Holdings)の株式の23%を所有する。負債総額は、5億ドルから10億ドル。

New Cotai Holdings社は、Silver Point CapitalとOaktree Capitalにより2006年に設立された。2011年、Melco Resorts & Entertainment(Melco)が3.6億ドル(約400億円)を投じ、Studio City International Holdings株式の60%相当を買い取った。

その後、Melco社が少数株主保有分を買い取る方向で、協議を重ねてきたが、バリュエーション面で折り合いがつかなかった経緯がある。その後、Studio City International Holdingsが株式公開し、Melco社が54%、New Cotai Holdings社が23%を保有する状況となった。

今回のNew Cotai Holdings社の破産再建の手続きは、Melco社がオーナーシップを強める好機となる可能性がある。

マカオ Studio Cityの概要
<第1期>
・開業:2015年10月
・投資額:32億ドル
・土地面積 13.1万㎡
・建物:延べ床面積は全体予定70.7万㎡、うち第1期は47.7万㎡
・カジノフロア 約46,000㎡。テーブル292台、スロット957台
・ホテル 1,600室、リテイル 35,000㎡
<第2期 計画中>
・プロジェクト予算は、13.5億ドルから14億ドルを想定
・ホテル2棟(計900室)、ゲーミングエリア
・ウォーターパーク、飲食、リテイル、MICE、シネプレックスなど

 

マカオ:政府,カジノ営業権満期に伴う再入札準備~21年実施予想も。日本営業に影響

5月11日、梁維特(Lionel Leong)・マカオ特別行政区経済財政庁長官は、記者団に対し、カジノ営業権(コンセッション)満期後の方針について言及。ポイントは、

・改めて、”更新(Renewal)”ではなく、”新規入札(New Public tender)”を実施する方針を強調
・政府は、現在、入札実施に向けた法的な準備を進めている(ゲーミング法および関連規制の改正など)
・入札、すなわち事業者選定では、マカオの観光レジャーセンター化への貢献、ノンゲーミング強化などに重点を置く

一方、5月に入り、マカオのゲーミング法専門家であるJorge Godinho氏(マカオ大学・法学部客員教授, リーガルコンサルタント)は、”新規入札”が2021年に実施されると予想。

背景には、4月19日に、崔世安(Fernando Chui Sai On)・マカオ特別行政区行政長官が、議会にて、再入札が現行コンセッション満期(2022年6月26日)前に実施されること、すなわち現行営業権の延長オプションを行使しない方針を明らかにしたことがある。

マカオのカジノ営業権の”新規入札”は、日本におけるIR区域整備計画の選定認定(国による都道府県等と事業者の決定)の時期と一致する可能性がある。その場合、マカオの現行カジノ営業権保有者は、その喪失リスクを抱えた中で、日本参入営業を展開せざるを得ない。

マカオでは、コンセッション保有者(または、コンセッション保有者とサービスアグリーメントを締結した事業者)のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、権益であり、6社の企業価値を支える原動力である。

図表の通り、マカオでは、6社(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、すべて2022年6月26日に満期を迎える。

ゲーミング・コンセッションに関して、現行法、契約(政府-事業者間)が規定するポイントは以下の通り。
・現行コンセッション満期後、新規コンセッションは、フレッシュな入札プロセス(Public Tender)を通じて付与
 (政府は、繰り返し、”更新”ではない点を強調)
・現行ゲーミング・コンセッションは、最大5年間の延長が可能
 (2019年4月、政府は延長しない方針を表明)
・政府は、2017年より、現行ゲーミング・コンセッションを早期償還できる権利を持つ
 (現在まで、政府は権利行使について言及なし)
・現行ゲーミング・コンセッション保有者は、それを喪失した場合、カジノ施設を、対価なしに、マカオ政府に移管する義務
 (カジノ施設の喪失は、事業性の観点から、自動的に全施設の喪失を意味する)

2017年央、政府高官は、初めて、”新たな入札(New Tender)”という表現を用いた。その発言は、現コンセッション保有6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2022年6月26日 SJM Holdings 香港証券取引所 22 1
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所 2 2
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所 6 3
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 5 4(サブ)
2022年6月26日 MGM China 香港証券取引所 2 5(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 4 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2018年12月末時点
注2:2019年3月15日、マカオ政府はSJM Holdingsのコンセッション(MGM China Holdingsのサブ・コンセッション)の満期日を、2020年3月31日から2022年6月26日に延長を承認
注3:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

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