Las Vegas Sands 19年度2Q 経常益7.7億ドル,YoY8%増 CEO健康回復 日本は大阪特化

2019.07.25 / カジノ
2019-07-25

【海外ニュース】

7月24日、Las Vegas Sandsが2019年度2Q業績を発表。

経常利益(営業利益-ネット利払費用)は、2Q(4-6月)$768mn,YoY8%増, 2Q累計(1-6月)$1,618mn,YoY9%減。
2019年に入り、マカオ、シンガポール(Marina Bay Sands)とも前年から大きな変動がない。

現在、同社は、新規エリアの開発計画を持たない。主な既存エリアの拡張投資計画は、
・マカオのSands Cotai Centralエリアのリブランド(2018年11月発表)
– 2019年から2021年までのマカオへの投資計画(Londoner, Londoner Tower, Four Seasons Tower)は22億ドル
・Marina Bay Sands 第2期拡張(2019年4月3日にシンガポール政府と第2期拡張で合意)
– 投資額:33億米ドル(約3,700億円)
– 延べ床面積(Gross floor area, GFA)は50%拡張, 16.4万㎡, 最新アリーナ(15,000席), ホテルタワー(約1,000室)など

決算リリースにおける最高経営責任者(CEO)Sheldon Adelson氏のコメント
「新規開発機会では、日本、大阪をアグレッシブに追及」

コンファレンスコールでは最高執行責任者(COO)Robert Goldstein氏は、Sheldon Adelson氏の健康状態にコメント
「治療経過は良好。3Q発表時の10月のコールには参加するだろう」

なお、1Q発表時にはロバート・ゴールドスタインCOOが「大阪にフルコミット」と発言した。

2019年度2Q(4-6月):
・売上高$3,334mn,YoY1%増, 調整後プロパティEBITDAは$1,266mn,YoY3%増, 営業利益$894mn,YoY12%増, 株主帰属当期利益$954mn,YoY72%増
・調整後プロパティEBITDAの連結および地域別の四半期別の動向(2018年度2Q, 3Q, 4Q, 2019年度1Q, 2Q)
– 全社連結=$1,225mn, $1,282mn, $1,272mn, $1,452mn, $1,266mn(YoY3%増)
– マカオ(Sands China)=$750mn, $754mn, $786mn, $858mn, $765mn(YoY2%増)
– シンガポール(Marina Bay Sands)=$368mn, $419mn, $362mn, $423mn, $346mn(YoY6%減)
– 米国ラスベガス(Venetian, Palazzoなど)=$77mn, $76mn, $100mn, $138mn, $136mn(YoY77%増)
– 米国ペンシルバニア(Sands Bethlehem)=$30mn, $33mn, $24mn, $33mn, $19mn(YoY37%減)

2019年度2Q累計(4-6月):
・売上高$6,980mn,YoY1%増, 調整後プロパティEBITDAは$2,718mn,YoYフラット, 営業利益$1,865mn,YoY5%減, 株主帰属当期利益$1,536mn,YoY24%減

<新規開発方針>
・注力エリアは、マカオ、シンガポール、日本、韓国
・開発ポリシー&ターゲット
– ROIC(Return on total invested capital)は、20%以上
– 総プロジェクト・コストの25-35%はエクイティ、残り65‐75%はプロジェクトファイナンス(負債)

利益構成比 – マスが収益ドライバーに:
・マカオ、シンガポールとも利益はマス主体の構造に
・過去12ヵ月間の部門利益の構成比
– マカオ=マスゲーミング63%(テーブル56%+スロット7%), VIPゲーミング7%, ノンゲーミング30%
– シンガポール=マスゲーミング54%(テーブル34%+スロット20%), VIPゲーミング16%, ノンゲーミング30%

Las Vegas Sands 日本における活動

Las Vegas Sands 開発担当トップ「大阪に一本化。横浜, 東京はチャンスなし」

・6月18日、産経新聞社は、Las Vegas Sandsのジョージ・タナシェヴィッチ氏(日本・国際開発責任者, マリーナ・ベイ・サンズCEO)のインタビューを配信
・事実上、ターゲットを大阪に一本化考えをアピール。依然は、横浜市、東京都も重視する姿勢であったが、事実上、大阪以外の選択肢を排除
「大阪府市への進出計画を、独占的に優先」
「大阪府市は、行政のIRへの要求が極めて明確」
「現時点では横浜市、東京都ともチャンスがないとみている」
「横浜市は、世論調査でIR誘致への支持が示されていない」
「東京都は、五輪準備で多忙」

大阪府市IR推進局 RFC参加登録者 海外業者中心に7者

・6月4日、大阪府市IR推進局は、「(仮称)大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業の事業コンセプト募集」(Request for Concept, RFC)」の参加登録結果を公表
・参加登録者数は7者(五十音順)
– ウィン・リゾーツ・リミテッド
– MGMリゾーツ・インターナショナル/オリックス株式会社
– ゲンティン・シンガポール・リミテッド
– メルコリゾーツ&エンターテインメント リミテッド
– ラスベガス・サンズ・コーポレーション
– 2者は名称非公表を希望
・RFCの位置付け
– RFCへの参加は、RFP(事業者選定。国の基本方針公表後)参加のための条件ではない
– RFCへの応募実績は、RFP(事業者選定。国の基本方針公表後)において評価の対象となるものではない
・大阪府市RFCの詳細は以下を参照
誘致レース(668)大阪府市=RFC参加登録者公表~海外業者中心に7者。RFPとは分離

Las Vegas Sands アデルソンCEO「大阪を追及」明言@米PA州Bethlehem売却発表リリースで

・5月31日、Las Vegas Sandsは、米国ペンシルベニア州Sands Bethlehemの売却完了をリリース
・売却先は、Wind Creek Hospitality(アラバマ州インディアン部族系)。売却エンタープライズバリューは13億ドル
・Las Vegas Sandsは、そのリリースに、Sheldon Adelson氏の発言として以下を記述
「本売却は、当社が大型、観光促進型IRにフォーカスする重要なマイルストーンである」
「Macau、Singapore, そして、Osaka, Japaへの投資機会を追及」
・シェルドン・アデルソンCEOが、大阪追及を明言したのは初めて

ジョージ・タナシェビッチ氏「コンソ組成。マジョリティ51%以上は必要」@JGC

・5月16-17日、Japan Gaming Congress(JGC)が都内にて開催された。主催は、Clarion Events Ltd.(クラリオン・イベンツ, 英国)
・開催期間中、海外IR事業者は、単独またはグループセッションにて、それぞれ日本におけるIR事業会社の在り方の方針を述べた
・ジョージ・タナシェヴィッチ氏(総支配人およびCEO, マリーナ・ベイ・サンズ)
「コンソーシアム組成に向け、日本企業との交渉作業を開始。日本企業に求める役割は、計画策定への貢献。株式持分は、マジョリティ(51%)以上が必要」

Las Vegas Sands 大阪府市RFC参加へ タナシェビッチ氏「日本市場を理解したパートナーが必要」

・5月15-16日で開催された関西IR産業展において、ラスベガス・サンズは、大阪府市のRFCへの応募方針を明らかにした
・ジョージ・タナシェヴィッチ氏(総支配人およびCEO, マリーナ・ベイ・サンズ)のメディアへの発言
「日本市場を理解したパートナーが必要」

ロバート・ゴールドスタイン氏COO「大阪にフルコミット」@投資家向け電話会議

・4月17日、Las Vegas Sandsが2019年度1Q業績を発表
・投資家向け電話会議では、最高執行責任者(COO)であるRobert Goldstein氏は日本について以下を発言。
「大阪にフルにコミットしている」

Las Vegas Sands CEOアデルソン氏(85)がん治療中。治療後, 復帰見通し~Bloomberg

3月1日、Bloombergは、Las Vegas Sandsの創業CEOであるシェルドン・アデルソン氏(85)が、がん治療中であり、2018年12月から出勤していないとレポート。

Bloombergは、Las Vegas Sands広報担当の提供情報として以下を明らかにした。
– シェルドン・アデルソン氏(85)は、非ホジキンリンパ腫の治療中
– 現在は通常勤務ができない状態。 ただし、治療環境中でも、CEOの職務を遂行
– 治療の完了後に通常のスケジュールに戻れる見込み

オリジナルサイトで読む