PiDEA編集部がマカオのディーラー養成学校を直撃

2014.06.27 / カジノ

マカオのタイパ地区にある「MPI(マカオ理工学院)ゲーミングティーチング&リサーチセンター」は、マカオでカジノディーラーとして働くための免許証を発効する唯一の機関である。満21歳以上のマカオ住民(IDカード保持者)であれば誰でも入学可能で、カジノ産業を重視するマカオ政府の資本が入っており、授業料はなんとすべて無料だ。マカオでは住民ステイタスを持つ者しかディーラーになる資格がないが、カジノリゾートの急増とともにディーラーも慢性的な人材不足。必然的に給料も他の職業にくらべ比較的高いといわれる。そのため、同センターが2003年にオープンして以降、延べ10万人がディーラースキルやカジノ関連の技術や知識学び、カジノやホテルなどで就業している。

そんなマカオのカジノ産業を人材育成の面で支え続ける同センターを直撃、その施設や人材の育成過程を取材した。

6月はちょうど学期の狭間にあたり生徒の姿はまばら。普段なら多くの生徒が実習や講義を受けているという。センター長へスターさんの案内で巡った施設内は、エントランスから講義室まで、どこも驚くほどキレイだ。政府が力をそそぐ施設だけあってパソコンなどの設備も最新で、これだけの施設を無料で使用できるということに改めて驚く。各所を見学後、最後に案内された広大な部屋は、バカラ、ブラックジャック、ルーレットなど20台前後のカジノテーブルが設置される実習室。学期中ではなかったが、実際にいくつかのテーブルでは講義が行われていた。

へスターさんに話を聞くと「センターの受講生ではなくマカオ大学の学生さんです」とのこと。同センターは、マカオ大学以外にも海外の大学や機関などとも提携し共同で研修を行っている。ラスベガスのネバダ大学などともワークショップを行ったことがある。なお、センターのディーラーの免許証は、米ニュージャージー州アトランティックシティのケープコミュニティカレッジとの共同設計で発効されているため、アトランティックシティのカジノで就業することも可能だが、へスターさんによれば「マカオのカジノのほうが給料が高いので実際に渡米する人はほとんどいません」と言う。

センターでは、カジノで提供されるすべてのテーブルゲームのディーラーの実習および免許証の発行を行うほか、カジノリゾートの運営を支えるさまざまな技能育成に関するカリキュラムも組まれている。また、普段では見たり触れたりすることのできない設備も備え、カジノ運営がいかに多くの技能や設備で成り立っているか改めて理解することができた。ということで、詳細は次号PiDEA105号(7月15日発行号)の誌面「アジアインサイドアウト」で紹介しよう。

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