マルハンメガシティ2000蒲田7はさらに信頼を積み重ねていく。奇才ウスイが迎える2年目とは?【ピデアな男】

2026.07.15 / ホール

マルハンメガシティ2000蒲田7がグランドオープンから1年を迎えた。Xでは宇宙好きとしても知られる奇才・臼井哲朗店長(@ngc2070r136a1)が掲げた2年目のテーマは「熱の残し方」だった。

派手な看板に中身を追い付かせると語った1年目を経て、さらに信頼を積み重ね、今度はブレない・崩れない店舗づくりを目指していく。

「期待値を上げすぎることは自分たちの首を締めること」と言い切り、業界の常識に真正面からアンチテーゼを突きつける。探究心こそが生きがいだと自覚する「研究者」店長の、終わりなき実験を詳しく聞いた。


身の丈以上に期待値を上げてしまうと、小さな裏切りを重ねることになる。それは結局、自分たちの首を締めることにもなると思います。 

PiDEA編集部(以下、編) 衝撃のグランドオープンから、ちょうど一年が経過しました。以前の蒲田駅東店の時代も含めて蒲田歴はどれくらいになりますか。

臼井哲朗店長(以下、臼) もう3年経ちました。

編 臼井さんは、法人間をまたいだ共闘施策などのはしりでもあった「大田区活性化計画」を実現するなど奇才っぷりを発揮してきました。そんな臼井さんが2年目に表現したいことはなんでしょうか。

臼 ちょっとそういう言い方をされるとハードルが上がっちゃうんでやめていただきたいですが(笑)。2年目のテーマは熱の残し方です。グランドオープンの時は、日が分かりやすいものだったのもありましたし、注目を集めるような戦略ができたと思います。グランドオープンして1年目というのは、良くも悪くも熱があります。しかし、熱って放っておくと、冷めていくというよりは、表面から少しずつはがれていくものだと思うんです。

編 熱がはがれるというのは、宇宙好きな臼井さんらしい物理っぽい表現ですね。

臼 そうですね(笑)。でも、残し方とは言っても、熱そのものはいずれ落ち着いていくものです。その先で何が残せるかを見せたいなと思っています。「あの店派手だったね」って言われるだけじゃなくて、中身があるところをお客さまに理解されるような店舗になっていきたいなと。 

編 ユーザーから理解されるっていうのは一段進んだ感じがしますが、どういうアクションが必要になると思いますか。

臼 まずは期待に応えるというところの積み重ねだと思っています。お客さま一人ひとりにいろんな期待の形があると思うんです。どれだけ多種多様な期待に応えていくのか。設定・出玉という期待ももちろんあると思いますけど、この場所に来たら刺激が感じられるよねとか。これはなんて表現すればいいんだろう(笑)。

編 課題があるとすれば、どんなことを設定しているんでしょうか。

臼 目立つ店というだけで終わりたくないというのが結構あります。営業の納得感、居心地の良さとか、選ばれる理由はいろいろあると思います。2年目だからというわけではなく、「また来たいな」と思っていただける理由づくりみたいなことを日々の営業の中で積み上げていくのは、この一年かけてやってきたことでもあるんです。

編 そうすると臼井さんが考える「良いお店」の定義ってなんでしょうか。

臼 今日はコガワさん、なんか難しいことばっかり聞いてきますね(笑)。これまた抽象的だけど、「ブレない店・崩れない店」が良い店なのかなと思っていて、営業自体もそうですけど、出玉を出して派手さがある店をつくろうと思ったら、極端な話、一日でつくれてしまう部分もあるじゃないですか。でも、ブレない・崩れないっていうのは、ちゃんと積み重ねて信頼を作り上げていることだと思うんです。もちろん環境の変化はあります。厳しい時も含めて、筋を通せているかが、良いお店かなと思います。 

編 お客さまからの信頼っていうのは、お店に帰属するのか店長に帰属するのか。どちらだと思いますか。

臼 どちらでもあると思います。もちろん店長がつくり出す部分は大きいんですけど、一方でお店の信頼っていうのは店長が変わっても脈々と受け継がれていくものです。だから半々です。

編 ちょっと大きな話ばかりになったので、ここからはもっと臼井さん個人の思想にフォーカスした質問に切り替えます。奇才ウスイ店長の誕生について。これまでのキャリアを教えてもらえますか。

臼 初めて店長になったのは埼玉の鷲宮店。鷲宮店で2年務めてから、蒲田駅東店に異動して2年。そしてここがグランドオープンから1年なので店長歴としては計5年半ほどになります。

編 当時の鷲宮店の状況は。

臼 埼玉マルハンの中では、稼働率で川越店、入間店に次ぐ3番手くらいでした。

編 一方の蒲田駅東店はいかがでしたでしょうか。

臼 都内の駅前で大型店でしたので、私が就任した時から良い店舗でした。

編 そこに抜擢されるというのは、やはり奇才っぷりを発揮していたからでは?

臼 いや、それが実はそんなに特別な経緯でもないんですよ。

編 自分がちょっと変わってるなと感じるところってありますか。 

臼 表現があんまり良くないかもしれませんが、他の人が「これが正しいよ」って言っていることを、そのまま信じないという性質があります。成功事例や失敗事例、理論とかも含めて、体験を通して得たことじゃないと信じないと言いますか。

編 そこは頑なのは、何か理由が?

臼 分かっているつもりになってしまうのが脆いなと思うんです。知識を一回受け取って終わらせるんじゃなくて、仕事現場に落としてみて、時には失敗して、それでも残ったものを磨いて自分の中に置くようにしています。これは仕事の面だけではなく、あらゆる知識・情報についてもです。まぁ、ちょっと頑固なだけかもしれないですけどね(笑)。

編 ってことはセミナーとかも苦手なんじゃないですか。

臼 あー、苦手ですね(笑)。知識が意味がないとは言わないですけど、知識を実践してみて、その先で得られるものが本当に意味があるものじゃないですか。これが他の店長と違うかは分からないですけども、そういう価値観が自分の軸にあります。だからやったことないことは、体験したい。「大田区活性化計画」もそうでした。これをやったらどうなるんだろうって。 

編 なるほど。鷲宮店ではいろいろ試されたりしたんでしょうか。

臼 鷲宮店の時は初めての店長でしたからそんなに特別なことはやっていません。

編 では、マルハンメガシティ2000蒲田7でも試してみたいことはありますか。

臼 そもそも店舗によって市場環境が違います。鷲宮店は埼玉の北部で県境でしたので、その地域に合わせた営業がやっぱり必要なわけですよ。一方、都内駅前だったら大砲を打つような営業も必要です。これは結局、期待値のコントロールという話なんです。

編 目に見えない期待値をコントロールするってセンスが必要ですよね。

臼 パチンコホールの営業って、どこのお店でも基本的に、広告宣伝をして期待値を高めるじゃないですか。期待値を高めれば集客はできますが、その代償としてお客さまから求められることはどんどん高まっていきます。それに答えられる準備があればお客さまからの信頼は得られるかもしれませんが、小さな裏切りを重ねていくことになります。端から見たら広告宣伝を減らしたように見えるかもしれませんが、無理に期待値を上げることは自分たちの首を締めることになると考えています。ただ、オープン時の熱量と日常営業の設計は、自分の中では別物。期待を上げるフェーズと、日常で信頼を積み上げるフェーズを、はっきり分けて考えているつもりです。

編 ということは、販促費用も減らしているんでしょうか。

臼 表現が難しいですが、来店は期待値を上げるためにやっていたわけじゃなく、誰がいつ来るかということの意味を持たせるために、一月の中で固定で来店していただいています。ですので、やらないということではありません。

編 なるほど。「出す」ということだけなら、どんな店舗でも可能ですが、パチンコホールもビジネスである以上無制限ではない。出す意味まで含めて自店のやり方や臼井さんの考え方を楽しんでほしいということですか。

臼 利益のために集客する。もちろんそれはそうなのですが、やっぱり来ていただいたお客さまには楽しんでいただきたいという思いが強いということです。 

編 臼井さんご自身は店長を続けていて、どんなところが楽しいですか。

臼 店長だと運営のことを決められるので、いろいろと試すことで、自分の中で体験値をつくり出せるところです。こんなこと言うのは勇気がいりますが、「業績が上がってやったー」というよりは、別のところに楽しみを見出しています。

編 自分の考えている理論の証明みたいな、ある意味で研究者みたいなことをやっているってことですか。

臼 たしかに言われてみれば、日々実験してる感覚なんですよ。大きな仕掛けから、日常レベルの小さなことまで試してみて、思っていたような結果が出なくてもそれはそれで良くて、それを積み重ねていって得られる体験知識が、今の自分を満たしている感じです。

編 「欲満たし汁」みたいなのが出てますね。ただ、それはきっと業績の向上にもつながっていることなんでしょうね。

臼 もちろんです。探究心が自分を満たしていますし、だからこそ失敗しても凹まない。どこか客観的なように聞こえるかもしれないけど、業績に対する責任は当然背負っています。

編 マルハンメガシティ2000蒲田7の1年目を総括するといかがでしょうか。

臼 期待を信頼に変える一年でした。オープン日もそうですけど、店名も含めて派手な看板に中身を追い付かせる一年だったかなと思います。

編 何か課題は見つかりましたか。

臼 課題はいっぱい見つかりました。例えば、マルハンメガシティ2000蒲田1との連携です。やはり「7」と「1」は2店舗で一つなので、営業的なところ以外でも連携をとりながら進めていく必要があるかなと。 

編 例えばどんなことでしょうか。

臼 営業的な面というより、運営面なんですよ。例えば、現状では両店舗それぞれに役職者がいて店長がいて運営自体が別々でスタートしたところがあります。

編 それを統合して効率化を図るということでしょうか。

臼 効率化とかより、効果性・シナジーを発揮していくことを考えるイメージです。店舗ごとの特色もありますが、広告販促や新台購入、人材育成などすべての領域でもっと一つでやって効果検証したり、単店にはできないことがあるはずです。

編 東日本Cでいえばドミナント出店はここだけで、しかも両方メガシティでの展開ですからね。ここを任せてもらえているっていうのは、ご自身のキャリア的にも大きな意味がありますよね。

臼 そうですね。お客さまはもちろん、社内外から信頼していただけるように、期待に応えていきたいですね。

編 ところで、もう周年日でやることは決まっているのでしょうか(※取材日は6月中旬)。

臼 どんな店舗も基本的にはグランドオープン当日を、それ以降の営業で超えることはありません。単日の結果だけじゃなくて、直近一年間でどういう思想で営業してきたかを表現したいなと思います。ただ派手にするだけという単純な話じゃないと思うので。逆に派手にすることだけだったら簡単ですし、ここまで積み重ねてきた意味はあまりなくなってくると思います。周年に対して期待してくださるとは思います。期待には応えたいです。ただ、私は厄介なことにそんなに素直じゃない性質です。ということを知っていると、いろんな想像ができると思いますので(笑)。

編 それも含めて、考えて楽しんでもらいたいということですね。

臼 そうですね。その日もそうですし、店内でもそうですし、いろんな駆け引きはフェーズごとに存在すると思います。良番とれて座ったら平均差枚いくらみたいな、分かりやすいことだけをする店にはしたくないとは思っています。

編 なるほど。昨今のそういう風潮にアンチテーゼがあるということですね。

臼 はっきり言えばそうです。じゃあ他の日を全部無視して一年間そこに集約すればいいのかというと、それを多くのお客さまが望んでいるわけではないと思います。

編 その先にある店舗像はどんなものでしょうか。

臼 いろんな意味で強い店ですね。集客面・営業面だけじゃなくて、人材面でもそうだし、お客さまに提供する価値、すべてをひっくるめて、行く理由がある強い店です。

編 その行く理由が出玉だけの店にはなりたくない、と。

臼 もちろん出玉は必要だけれども、それ以外の発見もある店にしたい。……こう言うと、じゃあお前どうなんだって話にもなりそうですけど(笑)。

編 その答えが見つかった時が、研究者ウスイとしての完成系ですかね。

臼 研究って、答えが出た瞬間に次の問いが立つものだと思うんです。だから、完成系って正直あんまりイメージが湧かなくて。5年後10年後を考えることは、40歳なのでもちろんあります。ただそれは、キャリアの答え合わせというより、次にどんな問いを立てられるか、という話なんですよね。立場が変わっても、探究心を満たせるかどうかが自分の基準であることは、変わらないと思います。 

編 なぜそこまで臼井さんは道を追求したいのでしょうか。

臼 分からないから面白い、というだけなんだと思います。分かっていることを繰り返すより、まだ分からないことに手を伸ばしていたい。それが自分にとっての生きがいなんだと思います。


文章/PiDEA編集部コガワ(@pideanaotoko1)

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