【インタビュー】マルハン新宿東宝ビル店/店長 遠藤大介【ピデアな男】
2026.03.20 / ホール「東宝で打ったことが、人生の中で忘れられない1ページになってほしいと思っています」
都内、いや全国でも随一のブランド力を持つ店舗になったマルハン新宿東宝ビル店の店長が、今年2月に交代となった。新しく就任したのは、マルハンメガシティ長野で店長を勤めてきた遠藤大介さんだ。
現在42歳の遠藤さんは、「自分なんかが東宝の店長でいいのか」と葛藤するが、自信がないわけではない。川口店、入間店、メガシティ長野でたしかに業績を上げてきたからこそ、脂が乗った今のタイミングで東宝新宿ビル店の店長に抜擢されたと考えるべきだ。
これから同店はどのような進化を遂げていくのか。そのタクトを振ることになった遠藤さんが、どんなタイプの店長なのか。その内面を深掘りした。
パチンコホールの店長って真面目じゃダメだと思うんですよね。完璧超人みたいだったら勝てそうな感じしないじゃないですか。
PiDEA編集部(以下、編) 就任初日すごかったですね。ヤマダさん、ラリーゴさんを遥かに超えると言わんばかりの出玉量でした。
遠藤大介店長(以下、遠) 前任と比べてどうかは、意識してないというと嘘になりますけど、数字ではなくてお客さまの期待がこれくらいかなという感覚でした。ただ、あくまで感覚なので正解が何かは分かりません(笑)。初日なので。
編 遠藤さんは落ち着いた喋り方からも、そこはかとない器の大きさを感じますね。余裕を感じさせるというか。
遠 余裕はないです。それは絶対にないです。それに器は小さいですよ。社内で言えば、ヤマダとかは破天荒でクレイジーと言われていましたし、ラリーゴのキャラも濃かった。そこでなぜ僕なんですかと思っています(笑)。なんだか申し訳ないなと。
編 マルハン新宿東宝ビル店といえば、いまや全国でも1,2を争うほどのブランド力のある店舗です。そんな店を任されることになった遠藤さんのキャリアやこれまでの実績について、詳しくお聞きしたいです。
遠 初めて店長になったのは、5年前、川口店から始まりまして、次が入間店に異動になって、そのあとすぐメガシティ長野でしたので、店長としてはここで4店舗目です。
編 やっぱりこれまで任されてきた店舗の業績も上げてきたんですよね。遠藤さんってどんなタイプの店長なんですか。
遠 一応上げてきましたが、コロナ後に徐々に業界自体も回復していく中でしたので、どこの店も上がりやすい状況といえばそれまでと言いますか。ただ、その中で川口店の時はかなり急速に上がりまして、それが上司の目に止まったのかなという認識です。
編 川口店では何をやって、どれくらい業績が上がったんですか。
遠 いや、そんな大したことはしていないのですが、甲府店のグランドオープンをラリーゴと一緒にやっていたので、パチスロユーザーのシーンに選ばれる営業というか、それはうまくタイミングがあったのかなと思っています。
編 入間もパチスロで集客したような感じですか。
遠 入間に関しては上げたというと、ちょっと認められるものかどうか判断が難しいですね。
編 と言いますと?
遠 予算を守らなかったと言うか……。
編 さらりと爆弾発言をしてきますね(笑)。そういうことってもっとイケイケな感じの方がするものだと思っていました。
遠 これはラリーゴもそういうタイプなんですけど、予算を破るというよりは最終的にしっかり予算を達成していればいいと思っているタイプなんです。
一般的には月ごとでしっかり管理されている店舗がマルハンの中でも多いと思いますが、私としては年間で目標に沿った形であればそれでいいと思っているんです。だからよく、〝お小遣いの前借り〟みたいな感じで営業することが多いんですよね。
編 就任初日の営業もそんな感じだったってことですか。それにしても、業績に関しては途中経過は無視しても良いというお考えですか。
遠 いや、そう言うと語弊がありますね(笑)。このやり方をするには、営業数値だけの問題ではなく、いかに自分のやりたいことを伝えた上で許してくれる上司との関係性をつくれるかどうか。自分はそういう方に恵まれたという感覚です。
編 よく言えばそうなのかもしれませんが、上司の方からすると遠藤さんってコントロールが極めて難しいタイプの店長なように感じます(笑)。
遠 もしかしたら上司からは嫌がられれているかも……。ただ、自分は一般人なので、ヤマダさんとかみたいにはなれないなって感覚あるじゃないですか。だからこうするしかないというか、これが一般人の感覚だと思います。繰り返しますが、私としては自分が東宝ビル店の店長でいいのかなという葛藤はずっとあるんですよ(笑)。
編 真面目っぽい雰囲気ですし、言葉も柔らかいけど結構尖ったことおっしゃっていますよ。
遠 私、真面目かと言われると真面目じゃないですよ。むしろヤマダとかラリーゴの方が仕事に対して真面目だと思います。むしろパチンコホールの店長ってどこか隙があるくらいがちょうどよくて、真面目じゃダメだと思うんですよね。完璧超人みたいな感じだったら勝てそうな感じしないじゃないですか。「すべて計算の上でやってます」みたいな、そうはなりたくはないなと思って店長やっています。
編 うん、やっぱり独特ですよね。気が弱そうでいて、芯はしっかり持っていらっしゃる。変わった店長さんです。
遠 変わってるという話でいえば、新宿東宝ビル店でマネージャーをさせてもらっていた時期に店長試験を受けたのですが、同期がどんどん店長になっていく中で、何回連続で落ちたか分からないくらいです。これは負け惜しみなんですけど、小さい店の店長やるよりも、新宿東宝ビル店みたいな良いお店でマネージャーをやっている方が得るものが多くて楽しいと言い張っていました(笑)。
編 意外に負けず嫌い。
遠 そうなんですよ。今、メガシティ柏のシラカワさんが店長だった時のマネージャーとして働いていたのですが、「早く店長試験受ければいいのに」とよく言われていたように記憶しています。
編 マルハンの店長試験は難しいとよく聞きますが、あんまり何度も落ちたという話は聞かないような。なぜそんなに落ちていたんですか。
遠 試験が近くなっても、お店の機種構成考える方を優先しちゃったり、他のマネージャーが「それ自分がやりますよ」とか言われても面白い方を優先しちゃう性格だったんです。それこそ店長候補になってから、7年くらいはそういう状態でした。
編 ずっとそこで足踏みしていて見限られたりすることがなくてよかったですね。
遠 役職って当然責任がついて回るけど、私はそんなにギャップがあると思っていなくて、トップクラスのマネージャーは店長と近しい権限を持っているべきだし、役職がついたからといってスキルが上がるわけではありません。そういう屁理屈ばかり言ってきました(笑)。
編 少し遠藤さんの性格が見えてきましたね。ところで、前店長のラリーゴさんとは、「メガシティ長野」でバトンタッチをした関係性があります。ラリーゴ店長の後というのは、後任としてどのような印象を受けていますでしょうか。
遠 キャラが強いから、お客さまから覚えられやすいし、スタッフの心をつかむのがうまい店長ですよね。つまり、やりづらいですね。だからこそ、自然にぬるっと入っていくようにしました。人は環境の変化を嫌う性質がありますからね。誰しも異動になると、何か自分を出さなきゃいけないと思いがちなんですけど、私はむしろマネージャーの頃の方が自分の色を出していたなと思います。
編 店長になってむしろ控えめになったと。それはなぜですか。
遠 川口店で店長になった時、自分を出し過ぎたがゆえにうまくはまらなかった経験があるので、ぬるっと入るのがベストだと思っているんです。まぁ、自分の色があるのかというとよく分からなくなるのですが。
編 遠藤さんの目指している理想の未来像とはどのようなものでしょうか。
遠 社内的な話をすれば、このお店はマルハンを象徴するようなお店であるべきだと思います。一方で私個人の考えを述べるとするならば、私はもう決めていることがあります。老後は奥さんと毎日パチンコを打っていたい。そのために必要なことが3つあります。
編 その3つ教えてください。
遠 まず、収入は多い方がいいということ。もう一つは家族。家族を大切にしないうと老後一緒に打ってくれる人がいなくなっちゃいます。そして、もう一つはパチンコが健全な状態でいること。
この3つを条件として働いて、仕事の頑張りが業界をポジティブな方向に向かわせるようにしていきたいです。そうしないと、もしかしたら私が好きなパチンコがなくなってしまう可能性が少しあると思っています。そういう思いで日々の行動の優先順位を決めています。
店舗としては前年よりも選ばれている状態なので、地域でお客さまを奪い合うのではなくて、お客さまからパチンコ店は面白いと思ってもらうこと。それが理想です。自分がマルハンでもそうじゃなかったとしても、パチンコ業界という枠組みの中でポジティブな行動をとってくれる人を増やしていきたい。それが自分の目指す理想の店舗像です。
編 今でも打つんですか。パチンコとパチスロどっちを打ちます?
遠 PとSでいえば半々です。本当は朝から打ちに行きたいんですよ。川口店の頃はよくアイランド秋葉原店さんの抽選に並んだりしていました。「店長になったら特定日に休めるじゃん、やったぜ」って思っていたのに……。
編 「思っていたのに」?
遠 いや、今でも覚えていることなんですけど、店長になってなかなか結果が出ない時、当時の上司から、店内のポスターやお客さまへ展開しているものが「ちゃんと伝わってなくない?」と指摘されたことがあったんです。
その時に咄嗟に言い訳が出て、スタッフのせいにしちゃったんですね。そうしたら「自分で確認してないの? ヤマダはやってるよ」と言われたんです。私、ヤマダさんと話したことないですけど、ヤマダさんは毎日夜に来てそういう細かい確認もしていたそうです。それで言い訳できないなと思うようになって、細かいことも全部自分の目で確認するようになりました。大変なんですけど、たしかにそこから業績も良い方向に変わっていったなという感じはあったんです。
編 それで打ちに行けなくなった?
遠 そう。験担ぎじゃないけど、それを始めて良くなり始めたから朝の抽選に行けなくなったんですよ。だから、打ち方の話に戻すと、基本的には仕事を終わらせて夕方から行くことがほとんどです。そうなるとなかなか高設定なんか座れないですよね。悔しいです。
編 験担ぎみたいな、そういうことは大事にするタイプなんですね。
遠 半袖キャラもそうです。入間店の時に、真冬の寒い日にたまたま抽選整理を半袖で出てしまったことがあって、その時に「あの店長半袖だぞ(笑)」とネタにされることがあって、そうなるんだったらとやめられなくなりました。そんなことしてたら次長野です。最悪ですよ。
編 嫌々言いながらもファンの期待に答えている感じでいいですね(笑)。
遠 パチンコホールって基本的にお客さまが負ける確率の方が高くなる場所です。だから少しでもネタになるものが提供できるならいいなと思ってやっています。シラカワさんヤマダさんみたいに会うだけで喜ばれたりする人もいるじゃないですか。私からすると、悪しき風潮ですよ。なぜなら私みたいな一般人には半袖くらいしかありませんから(笑)。
編 日々の営業判断の中で、「ここだけは絶対にブレない」と決めている基準はありますか。逆に、状況によって柔軟に変える部分はどこでしょうか。
遠 それはお客さまとの接点だと思います。演者さまとかでも取材でも招いておいて、朝から店長がいなかったらおかしいじゃないですか。こういう時代だからこそ、そういう接点を大事にしたいと思っています。たとえ全店店長会議とかがあっても、来店と重なったら会議を遅刻してでも接点を大事にします。100人も店長いるわけですから、1人くらいいなくても進むでしょうと。
編 胆力がすごい。いや屁理屈か。
遠 何もない日でも朝はいたいです。「この一万円がなくなったら今月はカップラーメンだ」というようなお客さまが朝並んでいるかもしれないじゃないですか。そういう仕掛けの日の方が確率は高いけど、小さい可能性も見逃したくないと思うので、できることなら365日毎朝店頭に立ちたいです。どうしても外せない会議とかはあったり家族の用事がある日もあるので、年に10日とかくらいは立てないんですけどね。
編 そこまで毎朝店頭に立つ理由ってなんでしょうか。
遠 毎日見ているから変化に気付けるのであって、変化した時に早く動いた方がロスが少なかったり先行者利益が取れますよね。
編 最後、東宝ファンに今後期待してほしいことなど。
遠 期待されるとハードル上がるからそんなに期待しないでください(笑)。でもやっぱり、東宝で打ったことがお客さまの人生の中で忘れられない1ページになってほしいとは思っています。私が南国育ちを毎日打っていたホールって覚えてますし、あれがあったから今こうして仕事になっているかなと思うので、東宝がそんなお店であればいいなと思っています。
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