「日本一の低貸し専門店を目指す」MGM鈴鹿店、所長代理の中山さんインタビュー【ピデアな男】

2026.06.16 / ホール

三重県鈴鹿市のMGM鈴鹿店は、2004年にグランドオープンした20年以上の歴史を持つ店舗だ。周辺には大型ハイレート店が複数あるエリアで、低貸し専門店として運営をしている。

店を任された所長代理(店長)の中山正勝さんは、まずお店が地域のハイレート客から見向きもされていないことを課題と設定する。

そこで打った策が、自分を売り出すというSNS戦略だった(@tencho_nakayama)。もちろんSNSで騒いでいるだけの店舗ではない。目指すのは日本一の低貸し専門店。その目標実現に向けて中山さんがこれまで行ってきたことを深掘りしてみた。


(低貸し専門店の日本一は)
今のMGM鈴鹿店にとっては大きな目標ですが
掲げないことには、すごいと思ってもらえないと考えました。 

 


PiDEA編集部(以下、編) 中山さん本日はよろしくお願いします。愛くるしいフォルムと笑顔が特徴的だなと思いますが、中山さんって今おいくつなんですか。

中山正勝所長代理(以下、中) 今年で49歳です。

編 えぇっ! 想像していたよりだいぶお若かったんですね(笑)。

中 「いくつに見える?」ってベタな会話ありますけど、アレ人生で年下に言われたこと一度もありません(笑)。

編 なんか貫禄がありますもんね。腕も太いし。昔何かやっていたんですか。

中 中学一年の一学期だけ柔道をやっていましたけど、鎖骨を折って辞めてから何もしてません。腕は前職が焼き鳥屋で団扇をずっと振っていたからじゃないですかね。今でも店頭で焼いています。

編 もうMGMで店長をやって長いんですか。

中 呼び方が変わったりというのはありますけど、いわゆる店長としてはもう22年くらいやっていますね。たしか平成16年の年末頃に初めて鹿児島の店舗で店長になりました。

編 結構早くに店長になったんですね。

中 当時はMGMも出店ペースが早かったので、その中で早く店長になることができました。まぁ、恵まれた環境にいたんじゃないかな。

編 現在は鈴鹿店ですが、こちらはもう長いのですか。

中 赴任して3年2カ月と、だいぶ長くなってしまいましたね。でも鹿児島時代が長くて18年いましたから。

編 なるほど。だから日焼けしている雰囲気なんですかね。

中 それもあるかもしれませんが、僕、毎朝8時から9時くらいまでは外に出てお客さまと話したりしているんです。だから日焼けしているのかもしれません。肌の黒さはそれとお酒じゃないかなと思います(笑)。

編 こちらのMGM鈴鹿店は、本日はパチスロの稼働率が7〜8割くらいと高稼働しています。普段、店舗がどんな状況か教えていただけますか。

中 低貸し専門店という特性もあり、年配のお客さまも多いです。元から良いお店だったのですが、やはりコロナ禍で苦戦しました。ただ、そんな中、時代の流れもあってパチスロが伸びていったんですね。店内を見ていただくと分かると思いますが、パチスロには若いお客さまも増えてきています。

編 グランドオープンは2004年ですよね。その時から低貸し専門店だったのでしょうか。 

中 低貸しに舵を切ったのはオープンして10年目くらいですよ。その時は僕は鹿児島だったのでどういった背景があったのかは分かりませんが、やっぱり業績的に厳しい部分があったんじゃないかなと思います。

編 鈴鹿市は人口19.5万人で、パチンコホールは10店舗ほどありますね。キング観光やマルハンといったハイレート店舗もありつつ、低貸しではダイナムと競合している。この商圏、どう捉えていますか。

中 鈴鹿市のメインストリートと言われている中央道路に接していますし、交差点の角地にあるのはすごく強い部分だと思っています。鈴鹿市内では立地は良い方です。

編 競合店舗についてはどうでしょう。

中 鈴鹿市でいうと、キング観光サウザンド鈴鹿店さんが圧倒的で、二番店にランドマークさん、マルハンさんがあってMGMもどうにかそこに食いついている感じです。

編 こちらは低貸し専門店ですが、それらの他法人さんとのコラボも結構やられていますし、元気がありますよね。「日本一の低貸し専門店を目指す」と大きく張り出されていますし、高い目標設定で運営していますね。

中 「目指す」と貼り出していますけど、本音を言えばまだそのランクに達しているとは思っていません。関東でも関西でも有名なお店さんはいっぱいあります。パチスロは瞬発的に稼働が上がりますけどパチンコはまだまだですし。

編 低貸し専門店ならではの難しさもあるんじゃないかなと思いますが、どんなところが難しいですか。 

中 僕がここに赴任してまず最初に思ったのは、低貸し専門店という時点でハイレートを好むお客さまからは見向きもされないんだなって。見ないし、行かないし、話題にも上らない。鈴鹿のキング観光さん2店舗、マルハンさん合計4店舗でコラボして地域活性化・近隣地域からの集客を増やしつつ、さらに自店へ誘導する為に何をしていくか。どうしようか考えた結果、自分をキャラクター化して売り出そうと。

編 選択肢に入る入らないの前に、認知されていないというのは相当なハンデですね。

中 赴任した当初はそれが根強くありましたね。当然、ハイレートを打つ方の中にも低貸しを打つ方もはいます。でも、打たない方が圧倒的に多い。僕自身も低貸しを打つかというとほぼ打たなかったですし。

編 そこでXで知ってもらおうと。 

中 僕自身が元々そういう目立ちたい気質で、似たような施策を打っていました。2024年8月からXを運用しました。

編 MGMの店長アカウントとなると、一番フォロワー数も多いのではないでしょうか。よくうまいこといきましたね。

中 グルメ的なことや、どうでもいいようなくだらない話を延々としているんですが、ある程度の地の部分を見せたら、どんな人でも面白がってもらえるんじゃないかなと思っています。これが店舗アカウントだと複数名で運営されているのがなんとなく見えますし、裏側の話をすると、一定の決められたラインの中でしか言葉を表現できません。何か告知をするにも、上長に必ず確認を取る。許可が必要でがんじがらめな状態は地の部分とは言えないなと考えました。僕の場合は結構自由にやらせてもらっていて、ポスト文とか画像とか、いろんな方とのコラボを比較分析したりして、それがうまくハマりました。

編 実際営業面では、認知されることの効果ってどう感じていますか。

中 お客さまから話しかけてもらえるのが一番の効果じゃないかなと思います。おじいちゃん世代の年配の方でも僕のXって結構見てもらえています。常連だけじゃなく、準常連の方も「見たよ」と言われます。遠方から僕に会いに来たと。効果ってそういうところで実感しますよね。フォロワー数とかインプといった数字が伸びたのは、それらの延長線上のことで、結構皆さんくだらなくて面白いことが好きなんだろうなって。僕が面白いと思われているかは分からないけど、Xってそういうことをやっている人が人気じゃないですか。自分もその輪の中に入ってみようと思ったんですね。 

編 ちなみにXを始めた当時ってSNS運用経験はあったんですか。

中 Windows98くらいからパソコンを持っていたんです。本が好きだけど、周りに本を読む人がいなかったので、ネット上で交流を求めていました。2ちゃんとかテキストサイト全盛期で、自分のHPを立ち上げるのがブームだった頃です。当時、知り合った人でいまだに交流している人もいるのですが「20歳そこそこのお前のまんまだね」って言われます。

編 そういう経験があってXもすんなり入れたんですね。

中 20年前にやっていたことを今もやっているだけって感覚なのですが、当時と違うのは、今は顔も仕事もすべて曝け出している部分です。相手がどういう方なのかも分からないでコミュニケーションをとっていますからね。

編 顔出しはリスクと捉えるか、メリットと捉えるか。 

中 そういう意味では低貸しで一番メリットは顔出しがしやすいことかなと思います。ハイレートな店ってセキュリティー上しょうがない部分もあるんですよ。それこそ荒い地域のハイレートな店だったら同じ方法ではやってないと思います。ローレートのお店ってそういうのを全然気にしない、エンジョイしたい方が圧倒的に多いので、顔出しをしていて怖い思いをしたことはありません。だからハイレートな店で絶対に顔を出したくないという人がいるのも分かります。

編 業績は数字面でも上がりましたか。

中 詳細は数字は伏せますが、稼働は伸びています。

編 ただ、意外なことにこういうスタイルの店舗さんなのに、広告宣伝は結構外部媒体を使われていますね。

中 今日はYouTubeの配信の方が来ています。いつも呼んでいるグループのトップの方が初めてくるということで、盛り上げてきました。広告宣伝でいうと、Xを始めてからばっさり切りましたよ。そこから少し方針が変わって、今は演者さんに寄せている感じです。ある程度の広告宣伝であれば僕自分のXで賄えちゃうので必要ないかなとも思っているのですが、呼ぶ方によってはストーリーができると思うんです。初来店ではガチガチだったけど、慣れてきて、頑張っているのを見てファンになっていく。そういうのを紡いでいった方が、ただパチンコ店にきて勝ち負けだけを欲している方以外の方に刺さると思うんです。鈴鹿だけじゃなくて、全国各地に不労所得持っている土地持ちの方とか、〝隠れ富裕層〟ってめっちゃいると思っていて、そういう方が何を求めているかというと楽しさだったりすると思うんです。ある意味ではお金持ちだからといって気兼ねしない、若者ならではの気風の良さとか。そういうアプローチができるような方に来ていただいています。

編 SNSをもしやっていなかったとしたら、この土地で戦えていたと思いますか。 

中 今と方向は違うけど戦えていたと思いますよ。おそらくほぼ取材も演者も呼ばないスタイル。ただ、よっぽど会社の理解を得られないといけないだろうなとは思います。

編 会社の理解を得るといえば、1月31日の営業とんでもなかったですね。あれは理解得られたんでしょうか。

中 あれはフォロワーが1万人を突破したことを記念して総付景品を配ったんですよ。

編 いや、読者の方にもデータを見れば分かってもらえると思うのですが、そのフリにしては結果がやりすぎていると言いますか、あそこまで出す必要があったのかなと。

中 これあんまり言いたくないんですが、月末というのは狙っていたんです。フォロワーも一万人を突破したので、その一カ月前くらいのオールナイトの時に、店内のマイクでアナウンスしたんですよ。「フォロワー一万人突破記念で総付景品を配ります!」と。普段から来店がある時は朝イチマイクでしゃべったりしているのですが、そのノリです。 

編 それこそよく理解が得られたなと思うんです。

中 業績というか収益的な部分をすべてクリアした上でのことだったので、特に何も言われることもなく。でも、強くしないと目立たないとは思っていました。低貸し専門店では、どこの店でも見たことないようなレベルの強烈なインパクト。

編 グランドオープンでもあれほどのものはそうそう見ないですよ。

中 でも、意外と年一くらいでやっているんですよ。5月28日だったかな。

編 あー、たしかに2025年の1月31日もやっていましたね。これはもう低貸し専門店の日本一と言えるのでは?

中 ある分野とか瞬発的なところでいえば日本一かもしれませんが、はたして何が日本一なのかは毎日お客さまが来て、出玉も見えたりとか、雰囲気も含めて判断されることだと思います。今のMGM鈴鹿店にとっては大きな目標だけど、掲げないことにはすごいと思ってもらえません。まずは面白いと思ってもらえる施策なんです。それこそ日本一だったら滋賀のオメガさんが低貸し日本一と言っている。そこには敵わないですよ。

編 今、右肩上がりで上がってきて満足感はありますか。

中 満足はしてないです。去年パチスロを40台増やしましたけど、まだ台数を増やせる余地がいっぱいありますし、パチンコの稼働も上げたいし。

編 なるほど。中山さんご自身はどうなっていきたいですか。

中 60歳が定年だとすると、残された期間はあと12年弱です。最近強烈に思うのは、どんな業種でとかじゃなくて、単純に面白いことばっかりしたいなと。以前から、前面に出てお客さまと談笑したり接客したりするのはやってきました。SNSをやってからさらに精神的な自由度が増した感じがします。楽しいことを突き詰めてやりたい。楽しいことばっかりでも難しいんですけどね。 

 


インタビュー:PiDEA編集長コガワ(@pideanaotoko1

MGM鈴鹿店, ピデアな男, 中山