【外国人パチンコFIRST TAKE】時にはお仕事のはなし「初心者育成費用」は誰負担?

2026.06.20 / 連載

 かれこれ4年ほど、「外国人向けパチンコツアー」にてパチンコを教え続けて来た長北でございます。先日ある方から、非常にストレートな質問をいただきました。

 「ツアーって儲かるんですか?」

 はいはい、なるほど。ツアーでは、訪日客相手に2時間で1万円ほど請求しているわけですし、まぁシンプルに考えたら1時間5000円ほどの売上が立つので、それなりに儲かりそうに聞こえますよね。

 ただ悲しいかな、事実としてはまったくそんなことはありません。なんなら、倍くらいもらってもビジネスとしては全然といった感じです。3年前時点ならいざ知らず、今はツアー紹介サイトにおける広告料、プラットフォーム利用料がそこそこ高騰しておりまして、大体売上の50%くらいを持っていかれます。そうなると1時間2500円。たまに転がり込んでくる、ちょっと効率のいいバイトと思えば悪くはありませんが、法人税を払ったら手残り1600〜2000円という感じ。

 しかも、「毎度外国人の方がビッグなボーナスを射止めて大騒ぎ!」とはならないわけです。ソロで参加されている方だったりすると、スッと1/399に座り、サッと万券を消し、モヤっとしつつ退店なんてよくある話です。そもそもの話をすると、1時間よく分からない機械にお金を入れ続けるイベントなんてものに付き合ってくれません。30分ほどで「もうちょっとアクティブなものかと思ってた」なんてネガティブなことを言われたりもします。

 可能な限りそういうことがないよう、羽根モノが空いていればそちらにご案内し、甘デジが空いていればそちらへ……という感じで調整するものの、「俺はどうしても東京喰種で当てたいんじゃ!」と言われてしまえばNOとは言えません。

 「ツアーに参加したけど、よーわからんうちに2万消えてなんも起こらなかった」

 なんて口コミが入ってしまっては大変です。評価の数は今後の集客に大きく影響します。そうなると必然、1/399から引きはがしてでも1円パチンコの甘に座らせ、隣で当たるまで連れ打ち開始となります。そうすると何が残るか。ほぼゼロです。なんならタコ負けなんてのもザラです。

 と、まぁ悲観的に書いてはみましたが、これって「初心者を店舗に呼び込むコストを、既存プレイヤーが負担している」というパチンコ元来の構図なわけです。お金もそうなんですが、時間っていう意味でもそうです。わたくしも先輩から「とりあえず隣に座れ。そんでこの玉で打て」と言われて座らされたのが原体験でした。当時貰った玉を今せっせと返してる感覚が近いかも。ちょっと利子が乗りすぎてる気もしますが、それはまぁ良しとします。

 その上で言いたい。最近執り行われた「推しの日」で設置された無料パチンコについて思うのは、「ようやくスタートラインに立ったか」と。実施する店舗さんの負担が大きいというのは重々承知していますが、「それって本来、既存プレイヤーが負担していた部分ですよ」ということもご理解いただきたい限り。

 ライバルの一つである携帯ゲームなんかをみると、充実したチュートリアルに加えて、新規アカウントには「ガチャ石5000個サービス!」なんて豪勢なオマケが当然のごとく付いています。

 推しの日、ぜひとも責任をもって、毎月と言わず毎日開催していただければと思います。心から応援しております。ホント切実に。


 

著者●長北真(@global_pachinko)/1984年沖縄産まれ。アメリカの全寮制高校で3年を過ごし、青山学院大学法学部を卒業。パチンコ歴は20年超。ネットワークエンジニア、プロジェクトマネージャー、翻訳家、大手SNS内管理職、カジノディーラー等多彩なキャリアを積み、マレーシアでコンタクトセンター設立管理に従事。300名以上の外国人に対し、日本人向けのサービスを教育。2022年よりGlobal Pachinko株式会社を立ち上げ。低迷するパチンコ業界の新しい道を切り開くべく奔走中。

イラスト:エリートニート山ン本(@elite_yamamoto

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