外国人パチンコFIRST TAKE「別の国の人同士が日本でつながる。 パチンコを媒介して……、ね。」

2026.03.02 / 連載

 

 パチンコを外国人に教えているという文脈から、「長北が相手にしている人はインバウンド、観光客ばっかりなんでしょ?」と言われがちですが、実際のところ観光客相手のツアー業は全体の2割くらいだったりします。

 だいたいの場合は、地元近辺のパチンコ屋さんで、困っていたりする外国籍っぽい方に声をかけ、「ニイサンそれ当たってるよ」とか、「ボーナス中は一度逆押しするとお得だよ」とかをレクチャーをするという、いわゆる昭和のオッサンムーブをやっていることの方が多いんですよね。今回は、とある日にエヴァBTのシマで黙々とBAR枠上上ビタ時の出目を研究していた時のお話です。

 1台跨いで2つ隣の席に若者2人組が着席し、ワイワイと打ち始めました。なんとなーく聞こえてくる声を聞いてると、1人はおそらくベトナム訛りの日本語。もう片方はあまり聞き取れませんでしたが、おそらく日本人の〝センパイ〟か、同郷の〝トモダチ〟。そんな彼らをちょっと気にして見ていると、案の定というかボーナス確定画面で難儀しているようでした。そんな時は私から一声かけてササッと目押し。技術介入を成功させ、ガンバレヨーと自席に戻って遊技を再開する。これが私のお決まりのムーブでした。

 すると、さっきの2人がヒソヒソと話しながらこちらを見ている気配を感じます。いや、見ているというより、どう声をかけていいか迷っている感じです。こういうモジモジしている時の空気って、万国共通で分かりやすいですね(笑)。軽く会釈すると、少し安堵したような顔で近寄ってきて、「コレ……アタッテル?」と尋ねてきます。今度は2人そろって液晶を指してくる。見ると、しっかりとボーナス確定画面。当たってるよと伝えると、「アノ、デキナイ……」と、目押しを手伝ってほしい旨を伝えてきます。こういう時の対応は大体決まっていて、最初の2、3回くらいは2リールだけ目押ししてあげて、最後のリールは自分でタイミングを図って止めてもらう。目押しにあんまり恐怖感を持ってほしくないし、自分でそろえた方が嬉しいですもんね。結果、見事にスーパービッグを射止めたベトナムニキ。それと同時にこちらは900ほどのハマリを達成。

 そんなこんなで、わいわいと1時間ほど遊技したのち、席を立つ2人。心の中で(オツカレー)と見送ると、彼らは手にオレンジジュースを持ってUターンしてきます。なんと「アリガトゴザイマシタ」とそのオレンジジュースをくれたんです。昔はこういう光景よくありましたよね。隣のおばあちゃんからやたらにコーヒーを貰ったりしたもんです。

 ほっこりしみじみしていると、先ほどの2人が「オカネナクナッチャッター!」とまた戻ってきました。どうやら精算機にカードを入れても現金が戻ってこないとのこと。

 大慌てで店員さんを呼んで確認してもらいます。店員さんによると、どうやらカードが2枚に分かれており、そのうち1枚はまだ機械にそのまま取り残されている可能性。大慌てで席に戻ってみると、カードは無事。皆して胸を撫でおろした瞬間でした。

 なんだかんだと仲良くなった2人に出身地を聞いてみると「ワタシはベトナム」「ワタシはネパール」。どうりでお互い会話が日本語なのね。海外に働きに出て、同郷同士で仲良くなるのはよくある話ですが、他国のコミュニティーへはなんとなく入りづらいというのもまたよくある話。パチンコがその架け橋となっているのであれば、この上ない話だと思ったのでした。

 本日の収支:-35k。得難い体験:プライスレス。 

イラスト:エリートニート山ン本(@elite_yamamoto)


(PROFILE)
長北真●1984年沖縄産まれ。アメリカの全寮制高校で3年を過ごし、青山学院大学法学部を卒業。パチンコ歴は20年超。ネットワークエンジニア、プロジェクトマネージャー、翻訳家、大手SNS内管理職、カジノディーラー等多彩なキャリアを積み、マレーシアでコンタクトセンター設立管理に従事。300名以上の外国人に対し、日本人向けのサービスを教育。2022年よりGlobal Pachinko株式会社を立ち上げ。低迷するパチンコ業界の新しい道を切り開くべく奔走中。Xアカウント(@global_pachinko)

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