外国人パチンコFIRST TAKE「『To LOVEる』逆押しベトナム人 助けようとしたらいなくなっちゃった」

2025.08.12 / 連載

「To LOVEる」逆押しベトナム人
助けようとしたらいなくなっちゃった

イラスト:エリートニート山ン本(@elite_yamamoto)

 

 パチンコ屋で困っているヒト、ときどき見かけませんか。個人的には、こういう人を助けてあげることがちょっとした〝趣味〟……いや、活動の一環になっていて、ホールを歩いていて「これは迷子確定だな」という外国人を見つけると、つい声をかけたくなるんですよ。

 で、これがなかなか面白いというか、時には「え、なんでそうなるの?」という事件に発展することもあったりします。つい先日遭遇したのが、まさにその典型的なケースでした。

 都内某ホールで、スマスロ「ToLOVEる」を、3人の外国人男性が囲んでいるのを見かけました。見た目はベトナム系っぽい若者。スマホで何かを探りつつ、真剣に相談をしています。ところが、その間もレバーを叩いてはひたすら逆押ししているではありませんか!!

 見かねて声をかけてみると、案の定、日本語はもちろん英語もほぼ通じない。「これはもうジェスチャーしかない!」と、リールを指差しながら全力説明開始です。

 「ミギカラオスノ、ダメ! ヒダリカラ!」

 「こう!こう!」

 と、リールを押す手順を身体で表現しながら必死にアピールするも、3人の表情は「???」のまま。あぁ、異文化コミュニケーションって深いなぁ……。

 悪戦苦闘していると、後ろから声を掛けられます。振り返ると、そこにいたのは店員さんでした。「すみません、席の後ろに立っての遊技観戦はご遠慮いただいております」とのこと。(この場合、観戦してるのは席に座っている彼らじゃないかい?)と、内心でツッコミを入れつつ「スミマセン」と会釈しつつ、「僕は彼らに遊技方法を教えているだけなんですけども〜」などと話しをしていたら、今度はベトナム人さんチームがクレジットを残したまま離脱していってしまいました。日本人同士で話しているのに威圧されてしまったのか、まさに脱兎のごとく消え去ってしまったのです。

 「助けようとしたのに、逆に相手に威圧感を与えてしまった」「声をかけたらものすごく警戒された」。これ、実は稀にあるおもしろ話なんかじゃなく、結構よくある話です。声をかけたうちの2割くらいは「なんかものすごい警戒されてるなー」と感じるくらい。これでもいろいろ工夫を凝らして大分改善した方で、4割ぐらいは睨まれ終了していた割合を、なんとか2割まで下げた感じ。

 異国の地にきて、おっかなびっくりパチンコ店に入ってみたら、急に180cm90キロのスキンヘッドおじさんに声をかけられたとなればそりゃ怖いですよね(笑)。

 相手が外国人だからというわけではなく、日本人が日本人に教えるケースでも、40過ぎのおっさんがうら若い女子に声をかけたとしたら、最初に感じるのはなんらかの犯罪の匂いでしょう。実際、目も合わせてくれないケースなんてのはザラです。

 今回のケースについても、実はいろいろな問題を内包している話だなぁと思ってしまうわけです。いやね、「長北が24歳の美女だったら問題なかったろ?」というのは、それはそうかもしれない一方で、店舗さんの対応については初心者に観戦くらいさせてあげられる施策が必要なんじゃないかと。プレイヤーについても、何らかの形で初心者とマッチングしてもらえる施策が必要なんじゃなかろうかと。そしてそのことに気付いてるお店って結構少ないんじゃなかろうかと。というわけで、ベテランプレイヤーと初心者プレイヤーの簡易マッチングプロジェクト「ブラザープロジェクト」を始めました。まだ何もやってませんけど、なんかいい感じに動いたら僕が楽できそうだなぁと思っています。

「ブラザープロジェクト」の詳細は長北真のXアカウント(@global_pachinko)にて。

(PROFILE)
長北真●1984年沖縄産まれ。アメリカの全寮制高校で3年を過ごし、青山学院大学法学部を卒業。パチンコ歴は20年超。ネットワークエンジニア、プロジェクトマネージャー、翻訳家、大手SNS内管理職、カジノディーラー等多彩なキャリアを積み、マレーシアでコンタクトセンター設立管理に従事。300名以上の外国人に対し、日本人向けのサービスを教育。2022年よりGlobal Pachinko株式会社を立ち上げ。低迷するパチンコ業界の新しい道を切り開くべく奔走中。Xアカウント(@global_pachinko)

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