「依存対策」から「社会との接点」へ―RSN・稲村代表が遊技業界の新たな役割を提言

2026.05.21 / ホール

5月20日、一般社団法人MIRAIぱちんこ産業連盟は、定時社員総会後に記念セミナーを開催した。セミナーでは、2024年1月にリカバリーサポートネットワーク(RSN)の代表理事に就任した稲村厚氏が、「遊技業界とRSNのこれから」と題して講演。依存問題への向き合い方や、遊技業界が果たすべき新たな社会的役割について語った。

司法書士として多重債務問題に長年携わってきた稲村氏は、2000年にギャンブル依存症回復施設「ワンポート」と関わったことをきっかけに依存問題支援へ参画。RSNにも設立当初から理事として関わってきた。

講演では、日本社会における消費者保護の変遷にも触れ、「保護される消費者」から「主体的に行動する消費者」へと社会制度が変化してきたと説明。その流れの中で、企業には単なる規制対応だけでなく、消費者との対話機能が求められていると指摘した。また、貸金業界が過払い金問題などを経て、自浄作用や相談体制の整備によって社会的信頼の回復を図ってきた事例を紹介し、遊技業界も同様に、依存対策を通じて社会との接点を築く必要があると訴えた。

そのうえで、全国に店舗網と人員を持つパチンコホールを「社会資源」として再定義。孤独社会における居場所や、災害時の避難所、地域コミュニティーの拠点としての役割を積極的に発信していくべきだと述べた。

さらに、現在実施されている自己申告・家族申告プログラムについても、単なる手続きではなく「お客様相談室」のような相談機能へ発展させるべきだと提言。ホールが対面相談の窓口となり、必要に応じてRSNなど専門機関へつなぐ体制づくりの重要性を語った。

RSNでは近年、10代・20代からの相談が増加しているという。従来の借金問題だけでなく、「居場所のなさ」や将来不安といった「実存的」な問題を抱える若年層が増えているとし、パチンコ店が一部の若者にとって〝居場所〟として機能している側面にも言及した。また、RSNでは相談内容を音声から自動テキスト化し、キーワード分析できる新システムを導入。相談傾向の可視化や学術研究への活用を進めていく方針も明かした。

稲村氏は最後に、「業界が社会の味方を増やしていくことが重要」と強調。RSNのような第三者機関を介しながら、市民社会との信頼関係を築いていく必要性を訴え、講演を締めくくった。

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