中古機バイヤー・機械購入担当・コンサルに聞く 遊技機市場予測2026

2026.01.23 / 機種

「e牙狼12」や「e東京喰種」そして「L東京喰種」など、一部機種はヒットをしたが、機種寿命の短命化、新台効果の希薄化などが強まった2025年。本企画では中古機バイヤー、ホール企業の機械購入担当者、業界コンサルタントへの取材を通じ、2025年の振り返りから2026年の新台、中古機市場の動向予測とホールが取るべきの遊技機の選択を立体的に読み解いていく。


一部機種に支持が集まる市場において遊技機の今後を探る

本企画では、中古機バイヤー、機械購入担当者、ホールコンサルタントという立場の異なる5名に取材を行った。現場で売買を担うバイヤー、全国規模ホール企業で機械選定に携わる担当者、AIを駆使してデータと構造から市場を分析するコンサル。

それぞれの視点で2025年の遊技機動向振り返りから、年末の中古機市場動向、2026年の遊技機市場の予測、ホールの遊技機に対するニーズの変化、そして、今後買うべき中古機や売るべき中古機など、複数のテーマで語ってもらった。まずは2025年の遊技機動向の振り返りから整理していく。


2025年の遊技機動向総括

機種寿命の短命化が 顕在化した一年

まずは今回話を聞いた方々に2025年の遊技機市場を総括してもらった。それぞれ感じることに多少の違いはあれど「機種寿命の短命化がさらに顕著になった一年」だったというのが共通認識だった。射幸性や話題性の高い機種が評価される構造自体は変わっていないものの、その評価が長期に持続しなくなった点が、より鮮明になってきているという。初動評価と中長期評価の乖離が広がり、導入後の修正判断がよりシビアに求められる環境になったことも、象徴的な変化と言える。

加えて、機種評価のスピードそのものが早まり、数週間単位で「成功・失敗」の空気感が形成される傾向も強まった。結果として、ホール側の運用調整が追いつく前に評価が固まり、短期回収・短期判断に拍車をかけた側面も見逃せない。

畠中氏は、ユーザーの評価軸について「その時点で最も射幸性が高く、新規性を持つ機種が優位に立つ構造は継続している」と前置きしつつ、同一スペック帯の横並び化が寿命短縮を加速させたと指摘する。類似スペックの量産によりユーザーの機種移動が早まり、結果として客滞率が低下。遊技時間ベースでの全体稼働を押し下げる構造が強まったという。

元大手法人勤務のK氏も、2025年を「良い機械が少なかった年」と総括する。結果的にパチンコもパチスロも「東京喰種」が突出した存在感を示した一方、それ以外の機種は決定打を欠き、「新台を買う意味そのものが問われた一年だった」と振り返る。導入判断が周囲の動向や新台販売の条件に引きずられ、短期での見切りや入れ替えが常態化したことも、寿命短縮を後押しした要因といえる。

また、関西エリアで売買を行うM氏は、「これまでの判断基準がほぼ通用しなくなった年」と表現する。「e牙狼12」や「e東京喰種」「e暴凶星2」といった機種はいずれも「尖りすぎている」という事前評価だったが、異なる結果を残し、スペックだけでは需要を読み切れなくなった。出玉性能や演出、遊技テンポなど複数要素を掛け合わせた評価が求められ、判断の難易度が上がったと感じている。

ホール目線でいうと、機械購入担当のN氏はこの短命化を構造的問題として捉える。ホール軒数が減少する一方で新台供給は高水準を維持し、供給過多の状態が続いた。その結果、2025年のパチンコ新台は過去数年で最も平均貢献週が短く、市場全体が短期判断に傾かざるを得なかったという。

中古市場の現場に立つO氏も「PもSも東京喰種が市場を強く支えた一年」と振り返る。代替機が見当たらない中で需要が特定機種に集中し、それ以外は早期に役割を終える。ホールを支える機種が特に少なかったのが2025年の遊技機動向の特徴といえるだろう。


「e牙狼12」「e暴凶星2」は高値を維持するが 12月の中古機市場は停滞ムード

エヴァ17導入を前に 中古市場は足踏み状態

2025年12月の中古機市場は、例年以上に慎重な空気が支配した月だった。売買が極端に冷え込んだというよりも、ホール関係者は「今は動くべきではない」という共通認識が広がり、市場全体が足踏み状態に入った印象が強い。その最大の要因として、複数の取材者が挙げたのが「eエヴァ17」の導入である。

新台の「eエヴァ17」が過去の「エヴァ15」のような稼働をしてくれるならば、無理して「e牙狼12」や「e暴凶星2」を増台、入替する必要はないという空気感が拡がり需要は減ったが、相場自体はそこまで下がっていない状況だ。

そんな状況を関東エリアで中古機売買を行うO氏は、次のように解説する。

「年末は毎年、新台が集中導入される時期であり、その中でeエヴァ17という大型タイトルが投入されたことで、『まずはこの機種がどうなるのか』を見極めたいという空気が一気に強まっています。売るにしても、買うにしても、判断を先送りするホールが多かった印象です」

ホールの機械購入担当目線としてN氏も、12月の中古市場を「動けない月だった」と振り返る。新台の初動結果次第で、主力機の適正台数や入れ替え判断が変わる以上、年末時点で中古に踏み切る合理性は乏しい。結果として需要は、「新台動向に左右されにくい安定機種」と、「すでに長期貢献を証明した機種」に限定され、それ以外は様子見に回された。

元大手法人勤務のK氏は、12月相場をより構造的に整理する。パチンコに関しては、稼働実績の割に中古価格が下がらず、売り手市場に近い状態が続いた。一方パチスロは、新台ラインナップが比較的充実していることもあり、中古価格は全体的に下落基調。明確に「パチンコは動かず、パチスロは買い時」という温度差が生じていたという。

関西方面の市場を見ているM氏も、ホール側が早い段階で「足元固め」に入った点を指摘する。東京喰種、牙狼、暴凶星、エヴァといった主力機が固定化され、これ以上メイン機を増やす判断がしづらい中で、甘デジやデカヘソといった補完カテゴリーへの需要が例年より早く表面化した。ただし、それも積極的な拡張というより、既存構成を安定させるための調整的な動きにとどまっていたという。

畠中氏も、12月の中古市場については「新台評価を見極める段階にあった」と整理する。eエヴァ17が市場にどの程度定着するかによって、既存機の寿命判断や中古戦略が大きく変わる以上、年末時点での売買停滞は自然な反応だという。

総じて12月の中古機市場は、需要が消えたのではなく、「次の一手を決めるために静止した状態」だったと言える。eエヴァ17の稼働結果が、年明け以降の中古市場を動かす起点になる。高額中古機の相場が一気に下がるのか、それとも再び高値取引が続くのか要注目だ。


2026年の新台、中古機市場も 「eエヴァ17」の動向で変化!?

拡大なき市場で 選別が進む一年へ

2026年の遊技機市場を展望するうえで、取材者の多くが共通して挙げた分岐点が「eエヴァ17」の稼働推移である。年末に停滞した中古市場は、この機種が「主力として定着するのか」「短期で役割を終えるのか」によって、年明け以降の動きも大きく変わると見られている。

畠中氏は、eエヴァ17が一定期間稼働を維持したとしても、「それ単体でパチンコ市場全体を押し上げる決定打になるかは慎重に見る必要がある」と分析する。単発的なヒットに終われば、ユーザーは再びスロット側へ流れやすく、市場全体としては横ばいから微減のレンジで推移する可能性が高いという。一方で、パチンコ側に複数の支えとなる機種が現れなければ、中古市場も限定的な動きにとどまる。

ホールの機械選定に携わるN氏と、関東エリアで売買を行うO氏は、「2026年も大きくは動かない年になる」という点で意見が一致する。新台導入台数そのものが減少する中で、中古市場も爆発的な活況は見込みづらい。需要は結果を出した機種、あるいは安定稼働が見込める機種に集中し、それ以外は評価されにくい。判断を誤れば動かせない在庫を抱えるリスクが高まるため、これまで以上に選別力が問われる一年になるという見方だ。

元大手法人勤務のK氏は、2026年も「パチンコは中古、パチスロは新台」という構図が基本になると見る。新台効果が期待しづらいパチンコでは、中古機が営業の軸となり、相場も大きく崩れにくい。

一方パチスロは、話題機の供給状況次第で相場が上下しやすく、買い時と見切りの判断がより重要になる。中古市場は、台数を増やすための場ではなく、調整と補完のための市場としての性格を強めていく。

M氏もまた、新台依存の終焉を指摘する一人だ。ホール経営は高利益率重視から稼働重視へとシフトせざるを得ず、中古機を活用した「調整」と「育成」がより重要になる。2026年は、話題性だけで中古機を動かす局面ではなく、どの役割を担わせるかという運用設計が前提となる。

総じて2026年の中古機市場は、量的な拡大ではなく「選別と定着」の一年になる可能性が高い。「eエヴァ17」を起点に、市場は一時的に動く局面を迎えるものの、その後は慎重な判断が常態化する。中古機は新台の代替ではなく、営業構造を支える基盤として、より戦略的に扱われていくことになりそうだ。


ホールの規模別で買い方が変化 大手は縮小、中小は中古へ2026年の遊技機ニーズ

支持率重視の構成が 主流になる!?

2026年に向けたホールの遊技機ニーズは、これまで以上に「何を入れるか」よりも「何をそろえるか」に重心が移りつつある。射幸性の高い機種を増やして押し切る時代から、支持率の高いカテゴリを意図的に構成する段階へと入ってきた。

背景には、機種寿命の短命化によって、新台を入れ替え続ける営業が成立しにくくなった現実があり、構成そのものの完成度がより強く問われている。

畠中氏は、現在のパチンコ市場について「ユーザーの評価軸そのものは大きく変わっていない」としたうえで、支持される機種の傾向がより明確になっていると指摘する。具体的には「399タイプ」「デカヘソ機」そして「一定の突破体験を得やすいスペック帯」など、ユーザーに選択されやすい機種群が支持を集めているという見方だ。これらは性能だけでなく、遊技への入口が分かりやすい点が評価されている。

ホールの機械選定に携わるN氏も、現場のニーズとして「支持率の高い機種を外さないこと」が最優先になっていると語る。新台を多く試す余裕はなく、結果を出した機種や定着実績のあるカテゴリーをどうそろえるかが重要になっている。特にパチンコでは、399タイプやデカヘソといった“今の市場で動く型”を外した構成は、稼働面でのリスクが大きいという。

中古市場の現場に立つO氏も、ホール側からの要望として「分かりやすく動く機械をそろえたい」という声が増えていると話す。尖ったスペックや話題先行の機種よりも、「この店に来ればこのカテゴリは打てる」と認識される構成が求められている。結果として、中古市場でも支持率の高い機種やカテゴリに需要が集中しやすくなっている。

M氏は、こうした流れを「育成前提の構成」への転換と表現する。新台を入れて一気に稼働を上げるのではなく、399やデカヘソなど役割が明確な機種をベースに、店舗全体のバランスを取る発想が強まっている。パチスロにおいても、単価やタイプを細かく分けた構成ニーズが高まっており、万能機を求める声は減っている。

また、K氏も、ホールのニーズは一見共通しているように見える一方で、実際には「余力の差」によって判断が分かれると見る。大手・中小を問わず、支持率の高い機種をそろえたいという点は共通だが、導入タイミングや台数の判断が異なるだけだ。

総じて2026年のホールニーズは、新台一辺倒ではなく、より安定志向が強くなり、大手は購入機種数の減少、中小法人は全国的な結果を見て、中古で機種構成を検討する。その流れがより一層加速していく状況になりそうだ。


買うべき中古と売るべき中古とは!? 2026年の中古機戦略

売却判断と仕込みが 明暗を分ける局面

2026年に向けた中古機戦略を考えるうえで、取材者の意見は一様に「絶対的な正解はない」という点で一致している。重要なのは、機種名そのものではなく、自店の状況に照らして「今、その機械が役割を果たしているかどうか」を見極めることだ。

売却判断について多く挙がったのが、「e牙狼12」をはじめとする高射幸機である。月間稼働がアウト20000を下回るのであれば売却を検討してもよい、という意見は複数の取材者から聞かれた。ただしこれは業界全体の絶対基準ではなく、あくまで各店の稼働水準を基準に考えるべき目安の一つ。 O氏やK氏は、富裕層が多い立地や回遊が生まれやすい大型店では、同じ稼働水準でも(設置しておいて良い)という判断が成立するケースもあるという。重要なのは「高値で売れる今、持ち続ける意味があるか」という視点だ。

一方で、売却によって生まれた原資をどう使うかも重要になる。畠中氏やM氏は、中古機は単なる穴埋めではなく、島構成や単価調整のための戦略的パーツとして考えるべきだと語る。高額で売却できる機種を手放し、その資金で安価かつ役割の明確な機種を仕入れる判断は、今後さらに一般化していく可能性がある。

買うべき中古機については、「結果を出している機種」「支持率の高いカテゴリ」に集約される。デカヘソ機や一定の突破体験を提供できる機種は、判断に迷った際の保険的選択肢として有効だという見方が多い。またパチスロでは、価格が落ち着いたAT機や、運用次第で活かせる機種を5円パチスロ向けに活用するなど、柔軟な使い方が想定されている。

さらに視野に入れておきたいのが、新台トレンドとの関係だ。化物語のリメイク版が一定の評価を得たように、今後は北斗転生の続編やカバネリの新作など、期待度の高いシリーズ機が控えている。こうした新台の動向次第では、パチスロ市場を中心に相場が動く可能性もあるため、「今は中古」「次は新台」と状況に応じた判断する姿勢が求められる。

総じて、2026年に向けた中古機戦略は、売る・買うの二択ではなく、構成全体をどう作るかという視点が欠かせない。高額で売却できる機種をどこまで保持するのか、安価で仕入れる機種にどの役割を担わせるのか。

短期的な相場変動に振り回されるのではなく、中長期で見た運用価値を基準に判断できるかどうかが、今後の差を分ける要素になっていく。

自店の客層とニーズを捉えた島構成こそが、中古機活用の成否を分けるポイントになるだろう。


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