【緊急インタビュー】SANKYO小倉敏男社長が語る「エールプライス」と「KUGITAMA」の覚悟(PR)
2026.01.15 / メーカーパチンコの未来は “ファンの入口”からつくり直す
ファン減少、新台価格の高騰、開発費の制約……。パチンコ業界を取り巻く環境は、この数年で大きく様変わりした。そうした中SANKYOは、2026年度よりSANKYOブランドの主力パチンコ新機種(新規IP含む)の本体価格を499,000円(税抜/予定)に設定する新価格方針「SANKYOYELL(エール)プライス」を打ち出した。
さらに「KUGITAMA(クギタマ)」プロジェクトのプロダクト施策として、2026年秋には新たな羽根モノ機を月額2万円(税抜/予定)の低価格レンタル「KUGITAMAYELL(エール)プラン」もスタートさせる予定だ。単なる値下げ策でも、懐古主義でもない。そこに込めた狙いと覚悟を、SANKYO代表取締役社長・小倉敏男氏に聞いた。
「ファン減少」と価格高騰が生む構造的な危機
PiDEA編集部(以下:編):まず、現在の遊技機業界が直面している環境をどう捉えていらっしゃいますか。
株式会社SANKYO代表取締役社長 CEO 兼 COO 小倉敏男氏(以下、小倉):一番大きな課題は「ファンの減少」です。ファンが減ればホール様の売上が下がり、その結果として新台購入台数も減少する。この負の連鎖が長く続いており、業界全体の体力を確実に削ってきました。足元では遊技人口の下げ止まりの動きも見えますが、依然として楽観できる水準にはなく、本格的な改善には程遠い状況だと見ています。
加えて、販売台数の減少にコロナ禍や部品供給の逼迫といった外部要因が重なり、パチンコ台の販売価格は高騰が続く状況となりました。本来であれば、その背景にある構造的なコスト上昇を丁寧にお伝えすべきところですが、「機械が高くなった」という表層だけが切り取られ、「メーカーが勝手に高くしている」という誤解を招いてしまっている面もあると感じています。
開発予算の圧縮と「新しい体験」が生まれにくい悪循環
編:こうした市場環境の変化は、メーカーの開発現場にはどのような影響をもたらしていますか。
小倉:販売台数の減少とコスト高騰により、どのメーカーも開発に投じられる予算が絞られつつあるのが実情だと思います。その結果、市場全体で見れば、既存タイトルのスペック違いや、いわば焼き直し的な後発機に頼らざるを得ないケースが増えているように感じます。
もちろん、IPを継続的に生かしていくこと自体は重要です。ただ、それだけに偏ってしまうと、ファンの皆様を「おっ!」と驚かせるような、まったく新しい体験というものが生まれにくくなります。新鮮味の欠如は機械の魅力低下につながり、ひいてはさらなるファン離れを招きかねません。
つまり、「ファンが減る→ホール様の売上・新台購入が減る→メーカーの開発予算が細る→既存IP頼みでチャレンジが減る→新しい体験が生まれにくくなる→さらにファンが減る」という悪循環に陥るリスクがあるわけです。このサイクルをどこかで断ち切らなければいけない、という危機感を強く持っています。
メーカーの使命とSANKYOがこだわる「新しい楽しさ」
編:そのような状況の中で、メーカーにはどのような使命があるとお考えですか。また、その中でSANKYOはどこに自社らしさを出そうとしているのでしょうか。
小倉:一言でいえば、「ファンを増やす体験をホール様とともに創り出すこと」です。新しい遊技体験を開発し、ホール様を通じて、既存ファンはもちろん潜在的な新規ファンにも届けていく。その積み重ねによってファン人口の底上げを図ることこそが、メーカーの最大の使命だと考えています。ファン減少に歯止めをかけ、新たなファンの入口をつくり直せなければ、業界全体の未来はありません。
その上でSANKYOとしては、「今あるパイをどう取り合うか」だけで終わらせないことを意識しています。現状、市場全体を見ると大型IPの焼き直しやスペック違いに偏りがちなタイトルも見受けられますが、当社は新しいIPの開拓に取り組むと同時に、既存IPであってもこれまでとは異なるスペック・ゲーム性へのチャレンジを続けています。
「このタイトルだから打つ」ではなく、「この遊び方が面白そうだから打つ」と感じていただける機械を増やしたい。「新しい楽しさでファンそのものを増やす」という発想を大事にしている点が、SANKYOならではのスタンスだと思います。
さらに、遊技のバリエーションという意味では「KUGITAMA」プロジェクトにも取り組んでいます。かつての遊びの良さや分かりやすさを、現代的な形で蘇らせる試みです。主力パチンコ機では新規IPや新スペックで攻めつつ、「KUGITAMA」のようにレトロテイストと現代性を両立した企画も展開することで、ヘビーユーザーからライト層まで、それぞれのスタイルに応じて〝遊びの選択肢〟が広がるラインナップづくりを進めています。
なぜ機械は高くなったのか――構造要因と「エールプライス」
編:一方で、ホールからは「以前より機械が高くなった」という声も根強く聞かれます。価格高騰の背景を、あらためて教えてください。
小倉:パチンコ台の販売価格が上がった要因はいくつかあります。コロナ禍による生産・物流の混乱、半導体をはじめとした電子部品の逼迫・価格高騰、さらに長寿命化やクオリティー向上に伴う設計・部材の高度化などが重なり、製造原価そのものが大きく上がりました。「昔より高くなった」のは事実ですが、単純にメーカーが利益を上乗せした結果というより、産業構造全体の変化の中でやむを得ない部分が大きかったというのが実情です。
「昔は機械が安かった」というお声には、自動車の例が分かりやすいと思います。かつての自動車は機械式制御が中心で、今ほど電子制御や高度な安全装備はありませんでした。現在の自動車は電子制御技術の進化により、安全性・快適性・環境性能が飛躍的に向上し、その分価格も上がっています。
パチンコ・パチスロも同様で、昔は機械主体のシンプルな構造でしたが、今は高品質な液晶パネルや多彩な演出を実現する電子制御が当たり前になっています。同じ技術水準を維持したまま「昔の価格帯に戻す」ことは現実的ではありません。その代わりに、現在の技術水準を前提としながら、どこまでコストを削り、どこまで価格を抑えられるのかに真正面から取り組んでいる、というのが私たちのスタンスです。
「高品質」と「導入しやすさ」を両立するために
編:その前提を踏まえた上で、SANKYOとしては具体的にどのような工夫をされているのでしょうか。
小倉:設計段階からのコストダウンを意識した技術開発、社内体制の見直しによる開発・生産プロセスの効率化、部材共通化・調達力強化を含むサプライチェーン全体の再構築など、さまざまな取り組みを総動員しています。「高品質は維持しつつ、少しでも低価格で提供する」ことに、本気でチャレンジしているところです。
すべてを昔に巻き戻すことはできませんが、その中でも創意工夫でどこまでホール様に還元できるかが、これからのメーカーの力量を測る物差しになると考えています。当社が掲げる「エールプライス」も、そうした考え方の延長線上にあります。当社の主力ラインナップを可能な限り手の届きやすい価格で提供していくという方針を象徴する言葉であり、遊技機業界に育てていただいた歴史への感謝と、これからも業界とともに歩んでいく覚悟を込めた施策です。
業界全体で「ファンの入口」をつくり直すために
編:最後に、ホールや業界関係者に向けたメッセージをお願いします。
小倉:ファンの減少もコスト高騰も、一社だけで解決できる課題ではありません。ただ、その中でもメーカーには「新しい体験でファンを増やすこと」と「導入しやすい価格でホール様を支えること」という2つの使命があると考えています。
正直に申し上げると、SANKYOだけが価格を下げても、市場全体がすぐに変わるわけではありません。
それでも、「SANKYOがこういうことを始めたなら、うちも何か新しいチャレンジをしてみよう」「業界全体で、もう一度ファンの入口をつくり直していこう」と感じていただける、ポジティブな連鎖のきっかけにはなれると信じています。
SANKYOはこれからも、ホール様と力を合わせ、「楽しさ」と「導入しやすさ」を両立した機械を送り出し続けることで、業界全体の活性化に貢献していきたいと考えています。
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