初代(4号機)を知らない若者たちが「L吉宗」にハマったワケ

2025.06.14 / 機種

オジサン世代が喜ぶ初代を踏襲したゲーム性で稼働好調の「L吉宗」。中高年ユーザーが夢中になるのは理解できるが、一方で初代を知らないであろう若者の姿も散見される。なぜ若者は「吉宗」を好んで遊技するのか。その理由を探ることで、若年層ファンの嗜好が見えてくるかも!?


高稼働は予想外の結果なのか!?「L吉宗」が人気を集めた理由

4月21日から導入された「L吉宗」は「初代(4号機)踏襲」をウリにして、711枚獲得できるBIGボーナスが1G連するという、当時の「アツさ」を再現したゲーム性に加えて、スマスロの特性を生かした新要素「裏鷹狩り」なども評価され、一時期はトップ稼働を誇るほどの人気を博し、ホールの主力機種の一角として肩を並べた。

導入前の評価は、4号機時代に夢中になったオジサンスロッターにとっては、演出やゲーム性は懐かしさを感じさせるもので、期待する声も多かった。一方で、4号機と同じで通常時は「吉宗と爺が向かい合っているだけ」「高確率以外はほとんど演出も発生しない」など、今のド派手な演出に慣れたユーザーには受けないのではないか。という懸念の声もSNS上では散見され、賛否が分かれていた。しかし、実際に導入された結果をみる限り、心配は杞憂だったといえるだろう。

さて、そんな「L吉宗」だが、当時を知る中高年ユーザーからすれば、おなじみのコンテンツであり、かつて2000ゲーム近くに設定された今では考えられないほど深い天井は999ゲームになり、しかも短縮される可能性もあるとすれば、ずいぶんと「優しい吉宗」になったものだと感じるだろう。

実際にシマを見回してみると、当時を彷彿させるように黙々と遊技する年配層が他機種に比べて多いようにも見えた。とはいえ、年配層が多めだが、中には初代を知らないであろう20代〜30代前半の若者の姿も確認できた。

導入前の評価にもあったように、演出が控えめの本機をド派手な演出に慣れ親しんだ若者ユーザーが遊技しているのは、なぜなのだろうか。本企画ではこの謎を追求することで、若者ユーザーが好むパチスロの嗜好を探ることができるのではないかと考えた。

前置きが長くなったが、今回は初代を知らない若者がなぜ「L吉宗」を遊技しているのか。その理由を探るために導入ホール関係者や「L吉宗」を好んで遊技している人気演者に話を聞いてみた。


本当に「若者」に刺さった!? 導入ホール関係者に聞く稼働状況

まず最初に話を聞いたのは東京板橋区にある人気のパチスロ専門店「EXA FIRST」で、副マネージャーを務める本山健司氏。同店の「L吉宗」は、新台初週は8台導入。その後、2台増やして現在は10台が稼働している。

まずは現在までの稼働状況や遊技しているユーザーの年齢層について聞いてみた。

「当店の場合は、導入当初はやはり初代を知っているだろう30代後半以降の中高年ユーザーが稼働の中心でした。ただ、懐かしさからの興味を持っただけだったのかもしれませんが、初週の稼働はそこまで良いものではありませんでした。むしろ最初は『ちょっと厳しいかな』と感じていたくらいです」という。

全国的な動きと同様に同店の「L吉宗」の稼働も徐々に稼働が上がっていったというが、若者ユーザーの食いつきはどうだったのだろうか。

「うーん。興味を示す若いお客さまもいましたが、当初はあまり多くなかった印象です。ただ、実戦動画が公開されたり、出玉性能などの周知が拡がったりすることによって、興味を持った若い方が少しずつ増えていった印象ですね」

今回のインタビューで若者がパチンコホールへ足を運ぶ方法を聞いたところ、「実現できるのかわかりませんが、例えば人気ゲームのキャラクターがパチンコホールで入手できるみたいなことができたら可能性はあるのではないでしょうか」と語ってくれた本山氏。

 アピールしやすいという出玉性能に関して、「L吉宗」は設定に素直な台だと本山氏は続ける。

「初代と同様に低設定でも一撃性能は持っていると思うんですが、基本的には高設定ほどしっかりと出玉が反応してくれる印象です。設定6の勝率は55%くらいと言われておりますが、当店の場合は70%を超えていましたし、平均して7〜8000枚くらいの差枚も期待できるのではないかと思っていました。ただ、つい最近、設定6でコンプリートする台が出たのでちょっと印象が変わりましたが(笑)」

そんな「L吉宗」だが、初代を知らないであろう若者が遊技したポイントはどこにあるのか。本山氏は次のように話してくれた。

「初代に似ている機種ではありますが、新要素も搭載されていて、雰囲気は結構違うのかなと思います。中高年のユーザーたちはおそらく711枚のボーナスが1G連するところに興奮を覚えるのでしょうが、若い方たちは、711枚ということの意味を知らなくても満足感を得られているように思います。投資に見合ったリターンがあること。また、天井も999Gなので、昔にくらべれば浅いですし、もしかしたらまとまった出玉が得られるので、短時間勝負しやすいみたいな印象も持っているかもしれません」

本山氏が今回の「L吉宗」が若い人たちにも受け入れられた理由として「新要素」の影響もあると続ける。

「高確率中の『リーチ目役』も支持されたポイントじゃないですかね。初代を知っている人たちからすると、吉宗の『高確率演出』はただの前兆でしたけど、今回は約1/655のリーチ目役を引ければボーナスにつながる。こうした自力感を発揮できるところも若い人たちに支持されたポイントだと思います」という。

本山氏が若者に「L吉宗」が支持されたポイントの1つとしてあげたのが「高確率」中のリーチ目役の存在。初代も「松解除」などがあったが確率は重く、小役解除の期待感は薄かった。しかし、今回は約1/655と「引けなくはない」絶妙な確率で、自力感を生み出している。

「L吉宗」に限らず「バイオハザード5」や「マギアレコード」など、4号機や5号機で人気を博した機種のリメイク機は複数登場しているが、人気になるものもあれば、思ったよりも稼働がつかなかったと言われる機種もある。本山氏は若者に支持されるかどうかは読むのは難しいとしつつも「ゲーム性が優れているだけでもダメですし、コンテンツが若者向けだから良いというものでもないと思います。その両方を兼ね備えたバランスが大事なんではないでしょうか」と語ってくれた。


「かぐや様」に似たゲーム性が 初代を知らない若者が打てた理由!?

続いて、話をうかがったのは愛知県名古屋市にある「マルハン上小田井駅前店」で店長を務める長井孝介氏。

同店は「L吉宗」は16台設置しており、稼働状況は堅調だという。

「稼働は好調で力を入れている日などは、今でも2万アウトは軽く超えてきますね。やはり初代踏襲なので、他機種よりも遊技されているお客さまの年齢層は高めです。もちろん、初代を知らないだろう若いお客さまも遊技していただいてはおります」という。

そんな長井店長に若者が「L吉宗」を遊技する理由を聞いてみた。

「個人的には『かぐや様に告らせたい』と出玉の出方が似ているところが受け入れられたポイントじゃないかなと思います。もちろん、ゲーム性などは違いますし、『かぐや様』の方が若い方が多いと思います。ただ、まとまった枚数のボーナスが1G連するというのは、若い方も『かぐや様』で体感しているので、『L吉宗』も違和感なく遊技できたように思います」

また、「わかりやすさ」「安心感」も支持を集めたのではないかという。 

「L吉宗」の稼働は「一定ラインで下げ止まり、しばらくは堅調な稼働を続けてくれるのではないか」と話してくれた長井店長。

 「『高確率』と『BIGボーナス』中にアツさが集約されているというか、叩きどころが明確なところ、演出がごちゃごちゃしていないから分かりやすい。この辺も初代を知らなくても打てたポイントではないでしょうか。また、叩きどころが明確なので、それ以外のところはスマホを観るなど『ながら遊技』できるのも若い人には良いのかもしれません」と話してくれた。

初見でも分かりやすいゲーム性、興奮するポイントが短くまとまっている。こうした部分が若者のニーズとしてあるのは間違いないのだろう。加えて、1回のチャンスで得られる出玉感、その期待感も「L吉宗」が初代を知らない若者から受け入れられたポイントではないだろうか。

シンプルな演出で「高確率」と「BB中」にアツさを集約しているため、通常時は「ながら遊技」しやすい。これが良いのかどうかわからないが、複数のことを同時に行いたい若者に刺さるポイントなのかもしれない。

次はユーザー目線の意見を聞くべく「L吉宗」を10万ゲーム回している来店演者のピスタチオ田中氏に、若者が遊技している理由を聞いてみた。


 設定を使って運用すれば もっと若者が遊技するはずです!

「ギリギリ初代を知っている世代ですけど(企画的に)大丈夫ですか?」

そう語るのは「L吉宗」導入2日後から打ち続け、およそ1カ月で約10万ゲーム遊技しているピスタチオ田中氏(以下、田中氏)だ。

新台導入2日後から「L吉宗」を打ち始め、約1カ月で10万ゲーム遊技したピスタチオ田中氏

実際にユーザーと触れ合う来店演者という立ち位置で、初代を知らないだろう若者が「L吉宗」を遊技する理由を語ってもらった。

「ホールの方も言っていたようですけど、自分も『かぐや様』に似ているっていうのはポイントだと思います。だから取っ付きやすいというのもあったでしょうし、もう一つは、7図柄をそろえたボーナスの期待感。これも大きいと思います。吉宗で1G連するっていうのは、ヴヴヴでハラキリ100Gと(枚数期待度は)ほぼ同じですよ。パチスロは7そろえるのが、やっぱり楽しいですし、その恩恵が大きいほど人気になるものじゃないですか」

今回の取材にあたり田中氏は「L吉宗」の客層を調べてみたという。

「先ほど『かぐや様』と似ていると言いましたけど、来店した時に遊技しているお客さんの年齢を聞いて調べてみました。吉宗は平均するとやっぱり40代が稼働の中心で、かぐや様は20代が多い。もちろん、吉宗を遊技する若者もいるんですけど、かぐや様の方が若い人が多かったです。これは、コンテンツの違いとか思われるかもしれないですけど、そうではなくて設定状況の違いだと思います。単純に『かぐや様』の方が状況が良いので若い人が多いだけだと思います。なので、『L吉宗』ももう少し設定をちゃんと入れてもらえたら若い人はもっと遊技すると思います」

若い人たちから支持される機種になると、からくりやヴヴヴと同様に看板機種にもなり得ると田中氏は続ける。

「今の吉宗は初代に似ているかもしれませんが、まったくの別物です。高確率中はボーナス期待度3〜5%くらいある本当のチャンスゾーンです。また、目押しもほとんどしなくて大丈夫。なので、ライトな層でも打ちやすい。こういう情報を発信することでもっと若い人たちが遊技してくれるようになると思います。遊技する理由じゃなくて、もっと遊技してもらうための方法になっちゃいましたけど、実際に高設定をしっかりと使っているホールさんでは若者の数も多いですし、運用次第でもっと若い人たちが打ってくれて、人気になる可能性もあると思うので、ぜひ大事に使って欲しいです」

と「L吉宗」対して、ピスタチオ田中氏はアツい想いを語ってくれた。

 

©DAITO GIKEN,INC.

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