【ピデアな男】マルハン浜松中央店/店長・松本純
2025.05.15 / ホール2024年12月、マルハン東日本カンパニーの中でも売上は五指に入るマルハン鶴見店での任期を終え、M&Aで取得した新店を任されることになった店長MJこと松本純店長。常連客なら思わずファンになってしまう誠実な人柄である一方、運営面ではしたたかに彼我の長所短所を見抜いた上で一手を繰り出してくる戦略的な面もある。グランドオープンから2日目となる4月26日に、松本店長をインタビューした。
Xを見て、
自分なりにひも解いて
ツモった時と、
なんとなくツモった時って、
結果は同じですが、
私は全然違うと思っています。
PiDEA編集部(以下、編) 開店から1日経ちましたが、いま率直にどんな気持ちですか?
松本純店長(以下、松) 本当にやっと営業を始められたという気持ちが一番です。鶴見店を離れてから4カ月とちょっと経っていますが、長い準備期間でしたので早くオープンさせたいという気持ちが強くて、本当にやっとこの日を迎えられたなと思っています。

編 準備期間はどんなことに神経や時間を費やしましたか。
松 マルハン東日本CではM&Aを経て新規出店するパターンも増えており、M&A後もしばらくの間、旧屋号にて営業している期間を設けることも多いです。このため、旧屋号から引き続き働いてくれるスタッフ、そしてマルハンから合流してくれるスタッフが、同じ仲間として働く期間があります。今回の場合は、ジャンボさんが閉店し、新規屋号として出店するまで店休期間に入ってしまったこともあり、スタッフ一同が浜松中央店のホールで初めて働いたのは、グランドオープン初日でした。
編 グランドオープン日には、静岡エリアだけではなく神奈川エリアの店長も応援に駆けつけてくれたようで。
松 神奈川からも店長やマネージャーが何人も来てくれて、浜松中央店が所属する静岡2エリアは会員募集から昨日も今日も店長総出で助けてもらっています。また、昨日は閉店近くの時間帯に会員募集をしたのですが、その際も各店のマネージャーやスタッフが応援に来てくれました。このあたりは、静岡2エリアの総力結集という感じで、ヤマダさん*のチーム作りが上手く、エリアで一緒になってオープンを成功させようという雰囲気を感じることができました。
編 経営幹部の方々も来られていましたし、今回のグランドオープンは力が入っているように感じました。
松 基本的にグランドオープンは社長を含めて幹部は立ち会うことが多いですが、今は新規出店が多くあるわけではなかったり、静岡県から他の地域に多店舗展開していった歴史があるので、マルハンにとっては思い入れのある土地ということもあるのかもしれませんね。
編 ところで、オープン初日は“まっすぐ”に動いた感じでしたか? それとも“仕掛けた日”でしたか?
松 そうですね。やりたいと思っていたことはいろいろあったのですが、初日ですべて出そうと思っていたわけではありません。特に地元の方は抽選参加チケットを25日(初日)か26日(2日目)を選んでいただくようになっていたんですね。25日は平日ということもあったので、思いのほか26日を選択された方が多かったのですが、期間中は常に「今日がグランドオープン」という気持ちで気を引き締めて準備するつもりです。
編 Xのポストでもそのように書いていらっしゃいましたね。つまり2日目もやりたいことをやったと。
松 はい。以前の鶴見店では、私の好みが営業に反映されることを知っているお客さまも多くいらっしゃいました。知っているというより伝わっているという表現の方が正確かもしれませんが、「好きな機種を好きなように」を初日のお客さまに対してだけ表現するのは違うなと思ったので、2日連続でやりました。
編 もちろんそこだけではありませんね。
松 初日に「もっとあの機種を…」みたいなお声をいただいたので、2日目はそれをしっかり反映させました。それは戦略的ではなく、完全にアドリブですね。
編 言えば変わることってあるんですね(笑)。ただ、その分どこかに歪みが生じてしまうのでは?
松 いいえ、他を減らしたんじゃなくて、上乗せしただけです。「もういいや」って(笑)。事前の計画から乖離してしまいますが、それでいいやって。その点、部長もエリア長も同じタイプだと思っていて、黙ってやっている感覚もないのですが、ちゃんと話せばその感覚は理解してもらえるタイプなので私もやりやすいです。たとえ理解してくれない上司だとしても私は必要だと思ったらやるんですけども。

編 初日の評価が一変しそうですね。
松 どうしてもグランドオープンって初日がピークだという期待を持っている傾向はあるはずなので、「これぐらいしか出さない店なのね」と思われた方はいるかもしれませんけど、一日だけではなくどれだけ長く続けられるかが大切ですし、一日単位でも期待を超えることはこれからもできるので。
編 さらりと笑いながら言ってますが、やり方は攻撃的ですね(笑)。ところで、機種構成なんかもお聞きしたいのですが、パチスロのラインナップで何かこだわった機種や配置はあるのでしょうか。
松 浜松全体の市場や近隣店舗の傾向や強みを見た際に、他の市場に比べて台数を多く設置する、意図的な配置をするなどのチャレンジした機種はいくつかあります。3カ月強の休業を経てオープンするので、単純に市場への供給台数が増えて競争が激化することにもなります。シンプルにこのあたりにユーザーが集まるようにできたらいいなと。
編 なるほど。そういう狙いでしたか。ただ、機種によってはかなり勇気が必要だったのでは?
松 たしかにそういう機種もありますね。自分自身の経験と感覚から「多すぎるのでは?」という機種もあったので心配でした(笑)。そのあたりは自分一人の決断ではなく、ヤマダさんや部長とも協議しながら決めました。どの機種もそうなのですが、稼働が想定した結果にならなければ方向を修正するプランも用意しているので、最初に決めたことにこだわりすぎずに状況を見ながら柔軟に判断していくつもりです。
編 近隣店舗もユーザーを取られまいと対抗してくるのでは?
松 当然そうなると思いますのでそこは我慢比べですね(笑)。前回もお話しした通り、浜松には各法人の旗艦店がひしめき合っているので、この地域の店舗同士の話だけではなく、最終的にはグループの総力戦のような構図になるはずです。そういう意味では、浜松中央店だけでなくヤマダさん率いるこのエリア全体、あるいは県全体でどうしていくかも大切ですよね。

編 他に台の並びなど、あえてクセを持たせた場所ってありますか。
松 鶴見店の時は円形の島などデザイン島になっていて、“一等地”をより一層アピールしやすいデザインでした。メイン機を設置して出玉も出してという分かりやすいことをやっていたんです。
編 それが自分が好きな機種だったと。
松 私自身本当によく打っていて、お客さまから「また打ってたね」と言われるようなこともあり、私の〝好き〟が伝わっているような反応も見てとれました。実際、グループ店の中でもその機種の稼働は高かったです。だから、改めて鶴見時代のXをさかのぼって読んで、このオープンのタイミングでその機種に座ってくださる方がいたら嬉しいです。今回の店舗でも私の趣味とか嗜好が伝わるような配置、あるいは使い方をXと絡めて意識的にやっていきたいと考えています。
編 Xを見てくれということですね。
松 今回のオープン前にX上でタネを撒いていたのですが、それが少しでも伝わってくれたら嬉しいです。
編 例えばどんなことが伝わってほしいと思っていますか。
松 パチンコでも似たようなことをやったりしていました。ある機種を複数回増台した時には「店長が○○好きだから増えた」と言われたり、この店は「パチンコなら○○、パチスロなら△△を打っておけばいいんでしょ?」みたいなお声もいただくこともありました。今はどうしてもパチスロは即効性があって日毎の動きが大きいですが、対してパチンコは遅行性があります。機種構成などトレンドを抑えて毎日来てもらえる理由もちゃんと作っていくようにしています。強い店って絶対パチンコが動いていますから。パチスロの抽選が悪かったとしても、「じゃあ今日はパチンコで勝負するか」となるお店が真の意味で強い店だと思うんです。何なら「最初からパチンコ打った方がいいぞ」くらいに感じてもらえるように、パチスロもパチンコも楽しんでいただきたいです。

編 このマルハン浜松中央店ではどんなことをお客さまに提供するお店になっていくのでしょうか。
松 「ワクワクする場所、つくってます。」というのがお店のスローガンなんですよ。例えば、Xを見て、自分なりにひも解いてツモった時と、なんとなく抽選に参加して深く考えたわけじゃない時にツモった時って、結果は同じですが、私は全然違うと思っています。抽選も前日の読みも、「昨日はこうだったから今日はこうなる」と考えを巡らせることもワクワクできる時間ですし、それも含めてトータルでパチンコ・パチスロを楽しんでもらえるお店を目指しています。そこは〝ヤマダエリア〟なのでちゃんと意識していこうと思っています。
編 ヤマダさんがエリア長になってSNS関連は変わりました?
松 戦略的にXを使っていく点は明確に変わりましたね。鶴見店の時ももちろんやっていましたが、その時以上に力を注ぐようにしていくつもりです。
編 グランドオープンの裏テーマみたいなものって何かありましたでしょうか。
松 うーん。お客さまが何か気になることなどあったら直接呼び出して意見をいただけると嬉しいですね。先ほど話した初日のご意見に対して改善したこともありますし、これは以前から意識的にやっていたことでもあるので、裏テーマとは違うかもしれませんが。
編 ホール内にいたら声をかけるじゃなくて、呼び出してもいいんですか。
松 もちろん会議などで対応できない時もありますが、私は直接会話をするのは好きなので呼び出していただければ。はじめましての方も歓迎ですし、馴染みの方なら他愛のないことをお話したりします。大体怒られていることが多い気がしますが(笑)。
編 呼び出せる店長ってのは斬新ですね。スタッフさんもどうしていいか分からないことがありそうです(笑)。
松 そうかもしれませんね(笑)。スタッフからすると、お客さまが「店長呼んで」と言っているからといって、本当に呼び出していいのかと困惑してしまうかもしれませんが、私からするとそれはまったく問題ないことなので、そのあたりもしっかりとスタッフとのコミュニケーションの中で伝えていく必要があると思っています。スタッフに対してもお客さまに対してもそういった直接的なコミュニケーションを大切にしていきたいですね。
編 松本さんって基本的に準備段階からしっかり練っていながら、瞬間的に馬力を出すシーンもある。その上で、お客さまとの距離も近い人の部分での営業もする。競合店からすると与しにくい店長ですね。
松 今の時期は時間を作ることが簡単ではありませんが、お客さまと接する時間を大切にしているので直接物を言える店長だと思ってほしいです。ご意見をいただければ即改善につなげたり、店長としての気付きにつながることが本当にたくさんあるので、浜松中央店でのそういったコミュニケーションをとれるようにしていきたいと思っています。
