2025.04.15/ホール
【ピデアな男】マルハンメガシティ東大和/店長・川辰 大輔
2025.02.18 / ホール「1カ月は休んでほしい」と言われた大幅な工事を、
「3日でやってください」と無茶なお願いをしました(笑)
1月24日、マルハン東大和店は、マルハンメガシティ東大和へと屋号を変更した。これで東日本カンパニーでは7店舗目のメガシティとなり、都内でも初のブランディング店舗の出店となった。初代店長となったのは、川辰大輔氏だ。キャリアの中で数々のグランドオープン立ち上げを経験してきたという川辰氏が歩んできた道のりと、メガシティブランドをどう作り込んでいくかを最速でインタビューした。

PiDEA編集部(以下、編) 川辰店長は何度か取材させていただいていますが、改めてキャリアを振り返って教えてください。
川辰大輔店長(以下、川) 大学を卒業し、2004年に入社しました。今マルハン池袋店とマルハン池袋 SLOT BASEの店長をしているシラカワさんと同期です。
編 入社当時から関東のホールが中心だったのでしょうか。
川 一番最初の配属は熊本の小山店というところです。私が熊本出身だったので、おそらく会社がそちらに寄せてくれたのだろうと思います。それから、新卒2年目では山口県のマルハン宇部店の立ち上げで異動に。また、その半年後ぐらいに佐賀県のマルハンみやき店のグランドオープンメンバーとして働きました。入社してから2年半でマネージャーになり、次はまたグランドオープンで大分県のマルハン高城店へ。

編 相当グランドオープンの立ち上げ経験が豊富ですね。
川 なぜか連れていかれるんですよね(笑)。一般社員として働いていた時の店舗の店長が新店を立ち上げるということが多くて、その際に連れていかれることが多かったんです。
編 新しい場所を作り上げていくことに適正があったんじゃないですか。
川 どうなんでしょうね。指示があったことは即反応していたので使いやすかったんですかね。今はとみおかエリア長から質問があってものらりくらりかわしていますが(笑)。
編 あと2年半でマネージャーって出世スピードが早くないですか。
川 そういう時代でした。その後何店舗か異動を繰り返していたところ、マルハン千葉みなと店がリニューアルするタイミングで、全国から「チャレンジメンバー」としてマネージャーを公募していたんです。リニューアルでしたが、新店と同等の扱いで、会社としても「新しいパチンコホールプロジェクト」ということでしたので応募しました。
編 なるほど。それで九州でのキャリアを一旦卒業し、以降は関東を中心というわけですか。
川 そうですね。九州よりも大きなマーケットだったらどんなことができるのか体験してみたかったんです。

編 そして初店長となったのは?
川 2015年に埼玉県のマルハン上里店で初めて店長となりました。当時は苦戦して毎日泣いていましたね(笑)。もう忘れてしまいましたが。その次がマルハン新宿店です。
編 新宿店は今はもうないですね。
川 はい。今はマルハンのL&A営業部が運営する「ME TOKYO」になっています。その後にマルハン池袋店です。
編 池袋店は川辰さんのキャリアの中でも大きな転換点になったのではないでしょうか。
川 そうですね。5年いましたからね。ただ運が良かったですね。
編 運が良かったというのはどういう意味で?
川 会社として店舗の評価指標が稼働率じゃなくなったのが大きかったです。あの市場は楽園さんが王者で何をやっても稼働率では勝てない。勝とうとして躍起になって玉出しや広告販促をやってとなるとすごく利益ロスになります。つまり稼働率に捉われていることがダメだったんです。そこから方向変換して、「一番大切なのは楽園さんに勝つことじゃない。目の前にいるお客さまを大切にしましょう」と店内で号令をかけて、方針を切り替えてからはすごく上手く回り始めましたね。

編 これは川辰さんが気付いたことですか。
川 前任の方もみんな気付いていたと思います。ただ、なかなか踏み込めなかった。そんな中、上司に考えをぶつけたところ、話を聞いてくれ、相談に乗ってくれ、方針を切り替えられました。他にもいろいろあって、タイミングなども含め、運が良かったということですね。パチスロの調子が良くなってきたのに合わせてマルハン池袋 SLOT BASEも出店できましたし。池袋の中で店舗展開するならココだという店をいくつかピックアップしていました。
編 新規出店の計画というのは店長の業務に含まれているんですか。
川 含まれていないです。実は今マルハン鹿浜店の店長をやっているフジヤマさんは元々池袋で同じ時期に働いていました。彼は、一時期マネージャーを外れて開発部で勉強をしていたんです。開発部は基本、本社勤務ですけど、よくマルハン池袋店の事務所で業務をしていたので、近い距離感で働くことができていました。そうしたら、近くのフォーションさんが閉店するという情報が入った。かつてマルハン池袋店の店長を任されていたトッティさんも「あそこは(売りに出たら)買った方がいい」と前々から言っていましたし、自分もイケると思っていました。すぐに開発と話して業績のシミュレーションを会社に提出してトントン拍子で進みました。
編 マルハン池袋 SLOT BASEの出店でマルハン池袋店の方にも好影響がありそうですね。
川 池袋は朝はそうでもないんですが、夜稼働が上がるんですよ。昼50%くらいで夜は85%くらい。多い時はあふれちゃうくらい人がいるので、キャパは広げた方がいいと。パチスロが上向きの時期だったので、1つ手を加えると朝イチの集客も増やすことができました。
編 そうした成功を収めて東大和店ですが、こちらでも川辰さんは高稼働店舗を実現していますよね。
川 歴代の店長が礎を築いてきたので、元々良い店でしたが、自分としては全然何もやっていないというか普通だと思っています。
編 良いお店ならではの難しさがあるのではないでしょうか。
川 私が着任した2023年10月の頃の市場は、広告販促についてそこまで積極的なマーケットではなかったと思います。一方、私がマルハン池袋店の店長の時に立ち上げたX(旧Twitter)アカウントがあり、あれは後任のシラカワさんにあげてしまったのですが、その時にブランディングというと仰々しいですが、自分の名前ややってきたことはなんとなく知られていたので、アカウントを新しくしても「あぁ池袋の店長が来たのか」「なんか結構出す店長らしいよ」とうまく人気をスライドさせることができました。SNSをうまく活用できたことで、着任した時にスタッフが「なんか若いお客さまが増えましたね」と言っていました。私が着任してから周囲の競合店の動きも活発になってきたので、流動層が動き始めたという感じです。追い討ちで8月にP-PORTPREGO立川店さんが300台増床でマーケットへの影響は大きかったですね。
編 とはいえ、こちらのお店も全国で7番目の「メガシティ」なのでトピックとしては大きいですよね。
川 その時には計画としてメガシティ化の準備は進めていました。メガシティ関連の広告も1月11日くらいからで、他の法人さんが対応できないくらいのタイミングで出すことができました。

編 リニューアルに際して店休4日間ですもんね。どこを変更したんでしょうか。
川 内装は壁紙と天井が変わっています。台数はカウンター横に「モンキーターンV」のパチスロ島を一列(27台)増台しています。あとは島上などの照明演出。大きくはこの3つの変化です。あと老朽化対策で椅子などもすべて変更していますね。
編 よくそれを4日でできましたね。
川 営業的にそんな休めないよということで、最初は「3日でやってください」と無理なお願いをしたんです。開発からは「本来なら1カ月は休んでほしいくらいの規模の工事なので無理です」と言われました(笑)。では間をとって閉店後の深夜作業で営業しながら進めていくしかないということで実際には2カ月くらいかけて工事をしていました。
編 工事しながら営業ってできるもんなんですね。これ、今後のスタンダードになっていくんじゃないですか。
川 いやいや、ほとんど深夜作業なので人件費は割高になりますし、店舗側の負担も大きいので結構厳しいと思いますよ。
編 内装など見た目以外の変化も当然ありますよね。メガシティになるということってどんな意味があるのでしょうか。
川 メガシティは、簡単にいうと旗艦店ですが、ファン創造のために新規で取り組もうとする店舗です。メガシティで新しいことを試してみて、それが上手くいったら各店舗に落とし込んでいくなど、基本的には戦略の始まりはメガシティからです。ただその形は1つではありません。お店によってターゲットは変わります。例えば、マルハンメガシティ柏だったらマーケットリーダーになるために何をするか。メガシティ店舗の店長陣で会議をやっているのですが、お店によって考え方は異なります。ただ、メガシティとして統一しなければならないところももちろんあるので、自分が「こうしたい」ということを好きに決められなくはなりましたね。
編 川辰店長としてどんな挑戦を考えていますか。
川 まだ具体的に何をやろうかは決まっていませんが、今、すでに実施していることの1つとして店内では「マルハンラボ」という3台のパチスロ禁煙コーナーを作っています。
編 分煙を成立させるためのコーナーみたいな感じでしょうか。
川 3台のすぐ背後にはセルフ交換POSがあり、出入り口にも近くてトイレも近い。物体としての仕切りはないけどエアーカーテンで空気はちゃんと分離されています。もちろん、分煙を成立させる面もありますが、店内喫煙を実現するために捨てコーナー的に設置するのが良くないと個人的に思っています。隔離された場所でもちゃんとやってるんだと思われるコーナーをつくってみたかったんですよね。機種も私が好きな「北斗」「モンキー」「ヴヴヴ」をそろえています。
編 豪華なラインナップです。でも、そういうコーナーで打つのって勇気がいりますよね。
川 だから初日は頑張ったのですが、出玉は……でしたね(笑)。メガシティになり、今までとは違って若い客層の方も増えてくると思います。18歳の方などは喫煙ができるメインコーナーには入ることができないので、そういった方々への対応でもあるんです。当店でいうとマルラボですが、各店舗でもいろいろな形でチャレンジしています。
編 メガシティ化に伴って助言を求めた店長などはどなたかいますか。
川 マルハン新宿東宝ビル店のラリーゴ店長ですね。マルハンメガシティ長野の立ち上げ店長なので。
編 どんなことを言っていましたか。
川 「やりたいこと、お金使ってでも実現したいことを全部やった方がいいよ。遠慮して引くと後悔するから」と言っていました。リニューアルも予算の制限内で考えなければなりませんが、「遠慮して考えるとそれなりのものになっちゃうよ」というアドバイスですね。これはたしかにその通りだと。そんなに大幅な予算オーバーではありませんが、納得できるものになりました。
