徹底分析・グランドオープン店舗の成功要因と今後の展望[CASE3/123フェニックスプラザ長田]
2025.01.21 / ホール
123長田店と123+N摩耶店
2つのフェニックスプラザで商圏制圧へ
神戸市の中心地から少し離れた兵庫県の長田区にグランドオープンした「123フェニックスプラザ長田店」。
2キロ圏内にある激戦地・新開地エリアと長田区の足元エリアの双方からの集客と高稼働につなげる営業戦略とは。
12月21日、延田エンタープライズの69店舗目となる「123フェニックスプラザ長田店」がグランドオープンした。
総台数は651台(4P・197台、1P・160台、46S・294台)と大型店舗の新店が多い同社にしては中規模クラスになるが、オープン以降、集客・稼働率ともに好業績で推移している。
会員募集は12月7日から15日まで。グランドオープン期間の21日から26日は朝から満台状態で「初日の入場人数は台数を超えたことまでは分かりますが、多くのお客さまが入場され把握できなくなりました」と松本正人店長は笑顔で話す。

店舗正面に置かれていたフロアーインフォメーション。4円や20円に加え、地元の中高年層も考慮し160台の1パチも置かれている。
成功の大きな要因は同店がオープンする1カ月前にグランドオープンした「123+Nフェニックスプラザ摩耶店」との相乗効果にある。同店はクルマで15分圏内にあり、総台数1011台の大型店舗である。その摩耶店のオープンの勢いに乗り、長田店の特色を出すことでさらなる大きな波に乗ることを「狙っていた」という。「摩耶店と長田店はエリアとチームが同じです。僕たちは足元の顧客を囲い込みつつ、地域をよく知る部長やエリア長にはSNSであったり、外部販促であったりを摩耶店と合わせて行って123ブランディングを強化してもらった部分は大きいですね」と松本店長。
競合ホールとの集客競争が厳しい時期にあって、グランドオープンの宣伝効果と出玉のインパクトで周辺地域のパチンコ・パチスロファンの選択肢が〝摩耶店か長田店か〟となり、「全国でもトップクラスの稼働状況が作れている」と実感しているようだ。

SNSや外部販促(演者来店)を活用して若者層への訴求にも力を入れている。
また、店舗の規模や作り的にも長田地区にはマッチした。1000台オーバーの店と600台クラスの店では同じ客数、例えば500人でも稼働率が大きく違う。それは長田店の「低い天井」と合わせ見た目の繁盛感や活気を大きく後押ししているという。
長田地区はJR新長田駅・兵庫駅も近く、複数のパチンコ店が集まる激戦区であり、地元ユーザーに知名度の高い新開地エリアまで2キロメートル圏内にある。
松本店長は言う。
「低貸に関しては足元の長田地区から集客する必要がありますが、4円20円のメインレートに関してははっきりと新開地エリアが競合と判断しています」
周辺店舗のレートごとのユーザーを分析した販促と変化に応じた軌道修正
では具体的に新開地エリアからどのように引き込んでいくのか。
「メインレートはSNSや外部を使った販促が有効と考えています。そこに合わせて長田市場を考えてティッシュ配りだとか、ローカルな販促も同時並行で続けていきたいです」
同店では各レートに関して競合設定を行っている。例えば新開地エリアにも長田地区エリアにも特色のある優良店舗が存在する。そこで4円はこの店のこのユーザーに、20円はここ、低貸はここ、と各店舗のレートごとのユーザーを分析して、それに相応しい販促を行う。加えて123のグループ店の効果を生かした販促法など考えられるすべてを実行しているようだ。
その上で、「今、行っている方法が正しいのかどうか。これから確認・分析しつつ、市場シェアやお客さまの動向も変わってくるでしょうからその都度、修正していきます。オープンからまだ6日目(取材時)ですが、レートごとのお客さまの数や全体のお客さまの数も変動していますので、年末、年明けの1月前半、後半で何が正しいのか、何をするべきか、商圏特性も見ながら2月以降につなげていきたいですね」 69店舗分の積み上げたデータに加え、兵庫エリアで9店舗を出店する同グループにとって兵庫県は大阪府とともに主要拠点であるため、新開地エリアを含め県の特色もかなり熟知しているという。2024年末に長田店と摩耶店ができたことで商圏がどう変わり、変わっていくのかをしっかりと分析してこれからの営業につなげていくようだ。

店の特色を出すために迷わず選んだ「ジャグラー」。強化していることを認知してもらうために装飾にも力を注いでいる。
そして、これからの店長、ひいては店舗のミッションについてこう話す。
「パチスロに関しては兵庫県という地域生もあり、ある程度の出玉があり、来店・収録・取材などができれば123ブランドで集客は難しくないと考えています。課題はパチンコです。今は4円パチンコが強い店は少なくなっていますから、このグランドオープンのタイミングで4円にお客さまを付け、それを長く続けることが私のミッションだと考えています。それを摩耶店の1000台のキャパでも実現したというのが自信になっています。それにより、重たいミッションだったのが、実行できるミッションに変わりました」

それを維持することがミッションです」と話す松本店長。
そのポイントは今の時代にあったSNSや外部販促をしっかり活用して若者もターゲットにしながらも、土台としては中高年層や地域住民を軽視しない現場での対話を重視した営業を続けていくことだという。