[キクヤ]ホールが成功しているからこそ手が出なかったSNS領域。自身の学びと若手店長の熱意で蘇らせたDJはやしの手腕に注目!(聞き手:PiDEA X編集部コガワ @pideanaotoko1 )
2024.03.12 / ホール年間300本の実績「動画制作は全部YouTubeで学んだ」
PiDEA編集部(以下略編):早速ですがなんでDJなんですか。あと顔出しって問題ないですか。
DJはやし(以下略D):6年くらいにキクヤ長良店で一般社員で働いていたのですが、その時に店内で実際にDJをやったんです。その時にハヤシで「DJ884」としてやっていました。ちょうど顔出ししようかなと思っていたところでしたので全然大丈夫です。
編:顔出しについてはなぜ必要だと思ったんですか。
D:僕の場合AIのアイコンなのでかっこよく映っちゃっていると思うんです。そういう意味では実際にお会いした時にギャップがありますし、何よりこの人が発言しているという信頼感は顔出した方が強いと考えています。
編:映像制作もご自身でやっていると思いますが、あれって独学ですか。
D:独学です。僕が現場を離れて販売促進部という部署に来てから3年くらい経つんですが、主に店舗の新台入替とかCMの動画作成を年間300本くらいやっています。
編:300本!? それもすごいことですが、独学というのもすごい。勉強方法を教えていただきたいです。
D:全部YouTubeにチュートリアルがあるので、それをひたすらやりました。あと、実際の遊技機の映像つくっているプロの方が配信をやっていて、その生配信にお邪魔して質問したりしました。Xでもつながっていて、その方から「申し分ない」というお墨付きをいただけたりして少しずつ自信がついてきた感じです。
編:先生はYouTubeだと。なるほど。DJ林さんはプロモーションディレクターという肩書きですが、動画制作以外ではどのようなことをなされているんですか。
D:キクヤのSNS全般です。僕はXに力入れたいなと考えていたのですが、なかなか個人のアカウントつくるのが会社的にハードルが高かったんです。ただそれはやらない理由にはならないと思って、見切り発車でも「やってみたい」というグループの中でも若手の店長(※編注:支配人の虎@ShihaininnoToraさんや神童K@Shindou_K_dxlviさん)にテスト的にアカウントを運用してもらって、僕自身はXのアルゴリズムとかを勉強しながら、1年くらい経てばこれくらいのアカウントに成長できるだろうということを予測して、今はほぼ予測通りになっているので動いて良かったと思っています。
編:Xのアルゴリズムって本か何かで勉強されたんですか。
D:最初は読書でした。コロナ禍くらいにWEBマーケティングを勉強し始めて、ふんわりつかみかけていたところで、イーロン・マスクがアルゴリズムを公開したんです。それを読んで「そうだよね」と納得できることが多かったんです。
編:実際、運用を変えて効果があったことってどんなことでしょうか。
D:まず営業をしないということです。最終的に集客につながるようにするけど、集客を前提として動かさないということ。あとリプ返です。フォロワーさんであったり、自店のお客さまとしっかり交流をしてくださいと。この2点がすごく大きかったです。
編:SNSへの強化はどんな効果を見込んでいたのでしょうか。
D:会社の収益につながるのが一番です。SNSを通して得られる考え方とか、今後もし広告宣伝規制でXの発信は禁止となったとしても、その時にはノウハウがあるわけです。また、フォロワーの方からしても、「店長と喋りたい」というニーズはあると思うんです。いつでも店長とやりとりできて、親近感をもってもらって、リアルで会いにきていただく。そして、遊技していただく。そういうことにつながればいいなと思います。
編:キクヤさんだと非常に高稼働な店舗がたくさんあるわけですが、その流れを変えようとするのは若手の方だったんですね。
D:支配人の虎も神童Kも、若手の店長たちで、ベテラン店長たちと比べて業務のレベルが違ったりするのでフットワーク軽くできたと思います。ベテランの店長たちも物腰柔らかく分からないことは聞いてくださる方が多いので、ベテランと若手の交流が深まって、今いい感じに全体が回り始めているなと感じます。
パチンコホール企業という職場でどんなAI活用の方法があるか聞いてみた
編:いやー博識。ちなみにAI関連への知識についても詳しそうですが、今使っているAIツールって何がありますか。
D:ChatGPT、Stable Diffusionです。一昨年の10月くらいに話題になって「やばいなこれは」と好奇心だけでいろんなのに手をつけていました。
編:パチンコホールにおいてAIの活用の道ってあるんでしょうか。
D:キャッチコピーを考えたり、今はウェブブラウジングもしてくれるので、ファクトベースでマーケティングの手助けとか。僕がよくやるのが自分の考えを一個投げてそれに対して5人の専門家が勝手に会議をしてくれて一個答えを導き出してくれるというもので、アイデア出しのベースとして使ったりすることが多いです。
編:それって有料版ですよね。
D:そうなんですよ。試用期間中は自腹でやっていたんですけど、社長にプレゼンをして決済をいただいたので、どんな風に使っていくかルールを決めれば、会社として使えるようになると思います。
編:ちなみにXの効果ってどのように算出していますか。活動を経営者に理解してもらうのは、結構難しいところで多くの担当者がつまづく部分だと思うのですが。
D:例えば200枚限定のステッカーとか、そういうのをXを見た人にしか渡さないとして、それが全部さばければ200人はきたことになるんじゃないかなと。
編:なるほど。他にはインプレッションの数字をWEB広告に置き換えたらいくらというような換算とかでしょうか。
D:そうですね。あとは逆に、何をどれだけ削減できたかでメリットを打ち出すのもいいと思います。実際WEB広告も内製していますし、Googleのリスティング、バナー、YouTube、Instagramなど、僕が出稿担当としてやっています。これがこれくらいかかるというのは全部把握していますので、会社に理解していただくことも高いハードルではないと思います。
編:本当に勉強になります。やっぱりいろいろと試しているんですね。
D:4月に大阪の堺本店という新店も控えているので、そこでは実験的に5個くらいアカウントを運用しようと考えています。
編:5個といいますと。
D:アイドル店員から見た堺本店、一般社員から見た堺本店。店長・副店長から見た堺本店など、レイヤーを厚くして各所にファンをつくり多角的に露出していきたいなと。
編:おー、最先端の企業がアイドル店員に戻るんですね。興味深い!
D:自撮りとかっていうより、言葉は悪いですが店長やお客さんにダル絡みしたり、ちゃちゃ入れたりとか。その人たちしか見えない景色があると思うんです。そういうのって面白いんじゃないかなって。内側をもっと見せていきたいですね。今まで点だったのを線で結ぶ感じです。
編:点と点を結んで線にして、それを増やして面を取っていくと。ハヤシさんはそこに参戦するんですか。
D:僕は目立たず裏方で頑張ります。
企画名:Xでは言えなかったXXXな話