パチンコ業界バズライター、キム・ラモーン的 2023 年ビッグニュース BEST3

2023.12.31 / コラム

「スマスロがここまで良いとは思わなかった」と自分の見識のなさを痛感した2023年でした。筆者が話を聞いた店長も、口をそろえて「パチスロは復活した」とのこと。ただこれは機械性能的にもそうですけど、ホール側の運用面も大きいのは間違いないでしょう。春に登場した目玉機種を中心にしっかり設定を使い、それはグレーじゃないかという広告宣伝も散見されはしたものの、ちゃんとユーザーにアピールしたから。

ただそれができるのは強いホールが中心で、最後の望みとばかりに頑張ってスマスロを導入してもダメなところはダメなまま。スマスロを導入してない店舗は休廃業が近いという本前兆で間違いありませんが、導入していても結果が伴わずに前兆に突入しちゃったホールもあるようで。


ということで編集部から2023年の個人的な業界ニュースをランキングしてくださいと話をいただいたので、ベスト(ワースト?)3的に記していきます。


まず3位

 スマパチの大コケでしょうか。大コケといってもあくまで現時点の話ではありますが、スマスロと比べると客観的に見てもそういわざるを得ませんし、ホール側だけではなくユーザー側もそういう認識で間違いないでしょう。

仕様的には有利区間のゲーム数が撤廃されただけのスマスロがこれほど盛り上がっているのに、新たなシステムを搭載したスマパチだダメだった。その明暗を分けたのは、やはり運用面も大きかったのかなと個人的には考えます。もともとパチスロは6.5号機が出るまではどんぞこにあえいでいた、いわばマイナス状態からのスマスロでインパクトも大きかったのに対し、パチンコはP機になってからどうしてこんな機械が出せるのというくらいに盛り上がりました。

結果、低迷するパチスロの分までパチンコはホールに貢献してくれましたが、そこで「抜けるだけ抜く」という流れになったのはホールで打てば実感できること。それでも「出ない」パチスロより「出る」パチンコを我慢しながら打っていたユーザーが、「出るようになった」スマスロが登場すればそちらに流れるのは必然でしょう。

しかもスマパチはP機でも必要十分だった射幸性をさらに高めて、その部分をアピール。でも実際にそれがユーザーにとっての魅力になったかといえば、なっていませんよね。逆に大当り確率が低くなったことばかりが気になってしまい、同じタイトルでe機とP機が同時導入されれば動くのはP機ばかり。

しかもこの現状を何とかするため、また射幸性を引き上げようとしています。思えば遊タイムという実質的な天井機能しかり、どうにもパチンコの「規制緩和」は上手く行っていない様子。ホール側の運用との乖離含め、射幸性だけではないところに活路を見出さないと2024年以降も厳しいのかなと考えます。

 

そして2位

やっぱりパチンコメーカーである西陣の、そして大手ホールであるガイアの破綻でしょう。 

思えば西陣は筆者がパチンコを覚えたばかりの40年ほど前には誰もが認めるトップメーカーで、趣向を凝らした役物が楽しい羽根モノを打ちまくったものです。その後もCR機の普及に多大なる貢献をするなど3大メーカーの一角を占めていましたが、その後は時代の流れに乗れずにどんどん凋落していったような感じ。

それでも民事再生ではなくいきなり廃業というのは、本当に驚かされました。借金を抱えてどうしようもなくなる前に撤退するのはもしかしたら賢明なのかもしれまんけど。

また大手ホールのガイアの倒産については、業界関係者だけではなくユーザー側も「やっぱり」といった感じでしたから、特にどうこうはありません。数日前に近場の店舗を除いたら、それでも年末の注目機種は導入し、そこそこお客さんがいたのには逆に驚きましたけど。

 

1位なのにおまけ 

最後に個人的な1位は、上野村にある某ラーメン屋の値上げということで。「きたなシュラン」に乗りそうな店が上野村のど真ん中にあるのは業界関係者ならご存知かと思いますが、そこのラーメンと半餃子で500円というランチセットを取材で上野に行った際には積極的ではありませんが好んで食していました。

それがふと気付いたら600円に値上がりしていて、正直ガイアの倒産以上に驚きました。飲食店の値上げは昨今の状況を考えれば仕方ありませんが、まさかこの店がと。思えば景気が良かったころの上野村の住人は、昼から焼肉ランチが当たり前。でも最近ではワンコイン弁当に行列ができるようになり、そもそも業者やメーカーの撤退などで住人自体も減っています。 

かつてショールームがあった場所も空きテナントになっていたり、なぜか美容院ばかりが増えていたりと、筆者が出入りするようになった30年前と比べると大きく様変わり。上野村の隣にある入谷よりの昭和通沿いが30~40年ほど前のバイクブームの頃には上野バイク村と呼ばれるほど専門店が集まっていたのに、今ではその面影さえないのと同じようなことに上野パチンコ村もなってしまうんだろうなと。

それでもいちファンとしては何とか頑張っていただきたいですし、ついでに某ラーメン屋も、末永く営業してもらいたいと願います。ただ、600円になってからは、まだ食べに行っていないですけど。

キム・ラモーン