【激動の2023年】パチンコホールはどれだけ閉店したのか?

2023.12.28 / ホール

まずはコロナ禍の2020年~2022年の3年間、どれくらいのパチンコホールが閉店したのか。警察庁の統計によれば、全国の全国遊技場店舗数は

2020年 9035軒 (前年比 -604店舗)

2021年 8458軒 (前年比 -577店舗)

2022年 7665軒 (前年比 -793店舗)

となっており、3年間で、約2000店舗が閉店した。

コロナ禍の被害も甚大であったが、何よりも遊技機規則改正(2018年)による、旧規則機の撤去と新規則機導入に関する負担が大きな影響を及ぼした。

では、広告宣伝ルールは緩和されたものの、スマート遊技機の導入コストがホールには重くのしかかった激動の2023年は、果たしてどれだけのホールが閉店したのか?

結果的には、500店舗※程の閉店である。

(※2022年末の店舗数から、遊技産業健全化推進機構HPに掲載されている誓約書提出店舗数を引いた数)

傾向としては、

1)大手ホール企業による不採算店舗の閉店

2)小規模零細ホールの限界

が挙げられるだろう。

1)は、大手ホール企業のスクラップアンドビルドの過程の話であり、その実、不採算ホールは思い切って閉店する一方で、採算店の大規模リニューアルや新規出店も着々と行っている。

2)は、昨今の衰退する市場のなかで、これ以上頑張れない、頑張っても報われないという諦めからの閉店というニュアンスが濃い。全国のホールを取材して歩くなかでも、今後集客が伸び悩めば、設備投資をしても回収がままならないという溜息交じりの経営者の声はよく聞く。

ちなみに、この「500軒」という数字は、純減数であって、M&Aなどによって、営業権を譲ったホール数を「閉店」とするのであれば、その数はグンと上がるだろう。2023年は、大手ホール企業による中小規模のホールのM&Aが特に目立った年でもあり、業界の再編と収れんに向け大きく動き出した1年でもあった。この流れは2024年以降、より加速していくことになるだろう。

いよいよ2024年、新年を迎える。

ホールの閉店でいえば、来年が「最後のピーク」になる可能性が高い。

何よりも台当たり3万円~4万円とも言われる、7月からの新紙幣導入に際するユニットの変更や改造のコストが重い。また遊技機のスマート化も促進される。ホールにとっては、また金の掛かる1年となる。ここらへんが潮時と、店仕舞いと考える経営者も1人や2人ではない。他業種への転換も大いに考えられる。踏ん張るか、諦めるか。最後のひと山が来年の1年間である。ただその1年を乗り越えられるのであれば、先行きは今まで程は険しくないだろう。

1店でも多くのホールにとって、新年がよりよい年であるよう、パチンコのいちファンとして願わずにはいられない。

パチンコ・パチスロ合計設置台数500台以上の閉店店舗リスト(タップするとPDFファイルが開きます)

全国遊技場店舗数, 広告宣伝ルール, スマート遊技機