三重県オールナイトのYouTuber収録が禁止になった理由をジェームス柳橋さんに聞いてみた

2023.12.29 / ホール

年に一度だけ「三重県オールナイト営業」とは

パチンコ・パチスロファンにとって年に一度のお祭りである「三重県オールナイト営業」の時期が今年もやってきました。これは文字通り三重県のホールで行われる年越し営業を指すもので、歴史を紐解くと、なんと1985年から存在する由緒正しい年末の風物詩であるとのことです。

近年は全国的にも有名な催しになっているので、読者の方の中にも三重まで足を運び、ホール内で台と向き合いながら新年を迎えたことがあるという方もたくさんおられることでしょう。

 

以前はYouTuberたちにとってもお祭り感が重宝されていたが

さてそんな「三重県オールナイト営業」ですが、コロナ前までは三重県内の各店が日本中からたくさんの動画演者やYouTuberなどを集結させていたことでも知られていました。

当日の様子は動画、生配信あるいはSNS投稿などもリアルタイムで拡散されるため、「三重県オールナイト営業」はまさしく動画配信サイト・SNSの進化と歩を同じくして、知名度を高め、年に一度のお祭りとして楽しまれているのは間違いありません。

そして世間が無事コロナ禍を抜け、2023年末のオールナイト営業を迎えることを楽しみにしている方も非常に多いと思いますが、なんとこれに関して三重県遊協よりある通達がなされたとの情報がSNSで拡散されたのは記憶に新しいですね。

そう、オールナイト当日の「YouTube配信等の全面禁止」がそれです。

ネット上ではさまざまな憶測がなされていますが、一体それは何故なのか。実際に三重県にて系列店がオールナイト営業を行う「キング観光」グループのジェームス柳橋氏に詳しい事情を尋ねました。

今年から「YouTube配信等の全面禁止」になったワケ

ジェームス柳橋氏(以下略ジェ)「実際にはそんな大した話じゃないんですよ。某YouTuberさんのところでも真相について話をしたのでそちらを見てもらうのが早いのですが、かいつまんでいうと、オールナイトをあんまり派手に全国に広めて『けしからんじゃないか』と廃止に追い込まれるのは本望ではありません。もちろん前提として伊勢神宮の参拝客にトイレを貸すという名目から逸脱しすぎないように……という意味もあります。今SNSってすごい情報が拡散されて、おそらくこれ以上拡散しなくてもかなりの稼働になるのでそもそも必要ないですし、そういう意味で配信などを禁止にする、というのがまず1点目ですね」

ジェ「2点目が、コロナ前は多くのホール企業が演者・YouTuberなんかに来店や撮影を許可したりしていたんですね。いろんなホールが3カ月4カ月前、早ければ半年前から演者の来店許可を出してスケジュールを決めてました。ただそうなると、たくさんのコネを持っている大手企業が勝つ構図になります」

 

ジェームス柳橋氏のいう「YouTube配信(撮影)禁止の理由」はまず第一に「あまり広げてもしょうがないから」であり、つぎに「一部企業の独占を防ぐため」であるとのことでした。それを踏まえ、コロナ前まで店舗に来て撮影・配信をしていたYouTuberについて、ジェームス柳橋氏はこう考えを語りました。

 

ジェ「そもそもですね、YouTuberって仁義とか筋を通すとかいうことはしないんですよ。来店しているのに、SNSで『あんまり出していない』みたいなデータを晒したりします。出玉は遊技の結果なので出ない時だってあるのですが、みんなそれをみて『どんだけぶっこ抜いているんだ』となってしまいます。どの法人もある程度は利益を確保するので、一部分だけ切り抜いてフォーカスされたらどこだってそういう見え方になるものです」

 

当然、パチンコホールはボランティア活動をしているわけではなく、利益がなければ経営が成り立たないのは日本全国、ありとあらゆる企業と同じ。利益を確保することが悪であるという前提の動画は、単なるPV目的のネガティブキャンペーンに過ぎません。

「営業中に設定を変更できない」状態で約40時間ほどぶん回されるのだから、そう安々と高設定ばかり使えるはずもないことはちょっと考えればわかるはず。

ですがオールナイトは営業時間が長いため、負け額・勝ち額ともに大きくなりがちで、数字的な派手さがあって動画映えしてしまう。そんな状況に対し、インタビューの最後にジェームス氏はこう苦言を呈しました。

ジェ「YouTuberとしては再生回数かなり稼げるでしょう。大負けにせよ大勝ちにせよ、数字が大きいと絵面がいいので『はいオールナイトに行って来ましたけど結局20万円・30万円負けました』という動画を作ればたくさん観られる。けど、三重県のオールナイトのプロモーションとしてはマイナスですよね」

以上がキング観光のジェームス柳橋氏に聞いた「三重県オールナイトのYouTuber収録禁止の理由」です。

 

オールナイト経験者の反応

一方で「過去、オールナイト営業で遊んだことがあるユーザー」にも「撮影禁止の報を聞いてどう思ったか」を聞きました。ユーザーには上述のジェームス氏の語ったところの概要もあわせて伝えています。

まずは30代のスロプロの男性はこう語ってくれました。

「僕は過去2回行ったことがあるのですが、それは他では絶対に体験できないお祭りを楽しむためでした。なので撮影禁止については単純に『残念だな』と思います。いくら負けた! とかいうのはやっぱこういうお祭りのときには拡散するべきじゃないです。そもそも勝とうと思って行ってる人なんかいないでしょうあれ。お祭りなんだから。僕も仲間も負ける前提でいって普通に負けましたけどみんな笑顔でしたし(笑)。てか本気で勝てると思って行って負けてムカついて動画で晒してるとしたらヤバい奴だと思います」

次に30代女性。こちらはこちらは動画演者の熱心なファンでオールナイトへの参加経験があるとのこと。

「話を聞いた時は『射幸心を煽りたくないのかな』と思ってました。例えば今の機械って爆発すると万枚出ちゃうし、オールナイトだったらコンプリートだらけになっちゃうから怒られちゃうのかなとか(笑)。でもまったく逆みたいでちょっとビックリしました。全6にしてとは思わないんですが、例えばベタピンにしてオールナイト営業してる店があったとしたら、それで晒されても仕方ないかな。YouTuberを呼んだら数字取れるように動画作るのは当然だし、ちょっと三重県はSNSの時代と合わないことしてるな〜って思うかな」


以上、三重県オールナイトの撮影禁止について情報をまとめました。これについてあなたはどう感じましたか? よかったらコメント機能で皆さんのご意見お聞かせください。

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