マルハン池袋店、白川譲店長へインタビュー

2023.11.11 / ホール

SNSと新台を両輪に稼働↑
池袋市場と新宿市場は違う

―池袋店の特徴から教えてください。
白川店長(以下.白川)「3日前に赴任したばかりなので偉そうなことは言えないんですが、埼京線にしろ東武東上線にしろ、埼玉から東京へ行こうと思ったら池袋を通るケースが多い。いわば玄関口なので、埼玉から来られるお客さまもいらっしゃいます」
―新宿と池袋は違う?
白川「池袋は新宿市場に比べて、現地に住まわれているお客さまが多い。また、池袋店は古い店舗で歴史がある。そういった面で新宿東宝ビル店とは別モノです。ただ、SLOTBASEを含めて1000台を超えて、新宿東宝に肩を並べる看板店へ成長してやろう!というテンションはあります」
―ライバルは。
白川「そりゃ楽園さんですよ(苦笑)。稼働も台数も地域一番なのに、ここから新規出店するって。すごいなと思います」
―どのように対抗していくか。
白川「楽園さんの動きで池袋の情勢は大きく変わりつつあります。SNSと新台を両輪として、話題機種はしっかり導入し、X(旧Twitter)で発信するようにしたい。情報発信ツールとしてのSNSはもう欠かせません」
―新宿東宝ビル店の山田店長のように?
白川「あの人はほんと普通じゃないですって(笑)。でも、個人で1万5000人ものフォロワーさまを引きつけたならもう他店は追随できませんし、目指すところはあそこだと思っています」 

店舗の入り口を始め、エスカレーターの側面の壁など要所要所の目につく場所には「池袋新店長就任」をPRする顔出しのポスターが貼られている。

ライバルの楽園は2000台へ?
そしてまさかのコラボ呼びかけ!?

―楽園の稼働にどうやって対抗する。
白川「マルハン池袋店はすでに月間平均の稼働率が60%を超えます。このレベルの店舗は上げる努力も大切ですが、稼働を落とさない努力も必要になる。楽園さんの新店で市場に人が増えますから、対抗というよりも着実に客数増を目指します。ただ会社としては『うちの業績も良くしてね』という気持ちでしょう」
―池袋市場に人は増えますか?
白川「増えると思います。うちのSLOT BASEは春にオープンした280台のスロ専ですけど、それだけで池袋の遊技人口は1日平均300人も増えました。設置台数以上に増えた。もちろんコロナからの回復やスロットトレンドといった外部要因はあると思いますけど」
―楽園に勝つ。
白川「いやいやいや。あちらの台数はうちの倍、2000台になります。しかも東京で1位2位を争う店舗さんですよ。もちろん仕掛けはいろいろと用意していますが、今のマルハン東日本カンパニーは闇雲に稼働一位を目指す法人ではありません。楽園さんのグランドオープンで〝池袋〟にお客さんを集め、我々もその分を着実に伸ばしたい」
―今までのマルハンのイメージと違う。
白川「以前は苛烈なナンバーワン戦略でしたが、今は違います。前年比で売上を伸ばしましょう、伸びた売上の分だけ利益も伸ばしましょうという感覚。もちろん楽園さんに負けるつもりはありませんし、稼働率で地域一番店も目指します。ただ、稼働そのものを目的として一番店に戦いを挑めば、どうしても相手のミスを待つ戦略になってしまう。それはちょっと違うでしょう」
―あくまでもマルハンファーストか。
白川「それも違います。本音を言わせていただくなら、コラボしたい」
―コラボですか!?
白川「楽園さんだけじゃなく、やすださんやプレゴさん、ジャパンニューアルファさんらとも合同で池袋を活性化させたい。なんならエスパスさんも巻き込んで『池袋vs新宿』みたいになれば面白いじゃないですか」
―覇王・マルハンらしくない。
白川「○○に勝つぞ!と何億円も投資する時代じゃありません。今までのマルハンは日本中のホールさんに戦いを仕掛けてきました。多額の資金を投じて顧客を奪い合った。その結果、何が残ったのか。逆にファンは減ってしまいました。個人的な意見ですがこの過去は業界全体として大いに反省しなきゃいけないと思っています」
―それは誌面に書いてもいいのか。
白川「かまいません。不毛な戦いを続けてしまったと感じている現場の人間は多いですよ」
―まずは池袋で楽園とコラボか。
白川「したいんですけど、なかなか楽園さんとのパイプがなくて。同じ池袋でも、あちらは学生やサラリーマンが一日中通るメインストリートに位置します。こちらは『夜の街』にありますので、コラボをすれば普段行き来のない人たちが交流する。面白い企画になると思います」
―店内ポスターも含め、積極的に顔出ししているが、その狙いは。
白川「本来は必要ないんですよ、顔出し。でも僕はパチンコを世間から認められる業界にしたい。P店の店長はなんか怪しい、パンチパーマ、謎に包まれている印象がまだまだ残ってますよね。そんなことないよ、普通のサラリーマンだよと、まず自分のできるところから発信したかった」

パチスロだけ強い店は怖くない
年末の注目機はPシン・エヴァ

―年末に注目している機種は何か。
白川「Pシン・エヴァンゲリオン」
―パチスロではなく?
白川「東京だけでなく日本中に『あの店はすごいよ!』といわれるホールはありますけど、行ってみるとパチスロしか稼働してなかったりする。そういうお店は結構多いんです。基本的に設置台数はパチンコの方が多いわけですし、売上も利益もパチンコの方が高い。パチスロだけ稼働していても利益を確保できなくなり、ジリ貧になるんですよ。本当に強いホールを作ろうと思ったら、重要なのはパチンコです」
―だからエヴァだと。
白川「はい。パチスロは流行り廃りが激しく、多台数が長く安定して稼働するのはジャグラーやハナハナを除けば北斗くらいしかありません。一方のパチンコは長いトレンドを作る機械が複数ある。エヴァはそういうコンテンツですし、Pシンエヴァが今後のキーになるでしょう」
―スマパチではなく?
白川「P機です」
―ありがとうございました
白川「ありがとうございました。PiDEAさんが間に入る形でもいいので、ぜひ複数法人による池袋コラボを実現したいですね」 

亀有店から池袋店に異動してきたばかりの白川店長。「パチンコがしっかり稼働しているホールこそが強い店」という信念を持つ。

<池袋エリア取材を終えて>
2024年明け早々にもオープンしそうな楽園池袋の2店舗目「グリーンサイド店」。店舗が完成すれば総台数は合わせて2000台規模になる。そうなれば、マルハンややすだ、PREGOなどの大型店・中小店合わせ池袋エリアは新宿アリアを超えて東日本最大のパチンコ市場が形成される。市場を盛り上げ、商圏人口を拡大するために各社はどのように知恵を絞っていくのか。次回は楽園池袋グリーンサイド店のオープン後に迫っていきたい。乞うご期待。

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