サプライズがあるのが柳橋の強み
昨今のホールでは当たり前になっているデータ公開を、キング観光柳橋店ではしていない。ちなみに「金山店」「今池1号店」でもデータ公開はなしだ。
昨今の広告宣伝規制の中でデータ公開をすることによって、インフルエンサーがそれを取り上げ、出玉が出ているイメージが広がっていくというのが、普通の高稼働店の流れではあるが、なぜキング観光ではそれをしないのか。
その理由はシンプルで、データ公開をするメリットよりも他店と競合する上でデメリットが大きいからだ。差枚数まで公開するということは、業界人であれば売上や利益まで分かってしまう。こうなると営業内容が丸裸になってしまう。競合店としては、それよりも少し出せば良いという話になってしまうのだ。
これについて、「データ公開しないということは、出していないと思われてしまうのではないか?」という質問をしたところ、同店の近藤一城店長の回答は、「はっきりしたことは申し上げられませんが、日々の営業からあからさまに取るような営業はしていません。確実に言えることはどこかに必ずサプライズがあります。取り過ぎてしまった時は、必ず他で期待できるように帳尻合わせをします」とのことだった。
同店のファンなら知っていることだが、キング観光の中でも「柳橋店」「金山店」「住吉店」の3店舗は営業形態が特別である。その他の店とはさすがに条件が異なるため設定に割り振れる量が違う。比較的出玉を出すイメージの強い「若宮店」では、過去にパチスロ差玉が80万枚を超える日もあったが、柳橋ではなかなかこうはいかない。じゃあ柳橋がぶっこぬいているかというと、そういうことではない。低設定は極力排除し、低設定を使用する場合は、高設定で帳尻を合わせる。特日の強い「若宮店」と違って「柳橋店」の基本戦略は「毎日通えるお店」だ。
ちなみに、「若宮店」で集客が高まる日は、毎月15日である。土日などが重なれば台数以上に並びが発生することも日常茶飯事だ。一方、「柳橋店」はというとなかなかそういかない場合もある。これはビジネス街に建つ店舗の宿命というべきか、休みの日になると周辺から人通りが少なくなってしまうからだ。だからこそ、「柳橋店」の強さを測るには、平日の夕方以降なのだ。仕事を終えたサラリーマン層と近隣に大学や専門学校などがあるため、若い客層を中心に、毎晩高稼働となる。エンタープライズの金曜夜の稼働率は、全国で2位になる日もあるほどだ。
さてデータ公開はされていなかったが、この日お店に張り付いた結果、明らかに出ていたコーナーがあったので最後に紹介したい。全体的に稼働は高かったが、中でも「スマスロSAO」のコーナーはほとんどのユーザーが出玉を抱えており、朝から同機種に座っていたユーザーは2000枚ほどの出玉を抱えていた。夕方手前になるとその盛況感に気付き始めたユーザーがコーナーを埋め始め、夜になると1台あたり平均1000枚以上は獲得していた模様。少なく見積もっても全456といったところだろう。
このようなサプライズがあるのが「柳橋店」の魅力であり、強みでもあるのだ。