スロ専の試練を踏み越えて反転攻勢に成功した「EVO2」の底力

2023.09.21 / ホール

九州・福岡の博多駅周辺は名だたる強豪大型店がひしめく全国でも指折りの激戦エリアだ。その中でユーコーラッキーグループの「EVO2」は〝単独スロ専〟として唯一互角にわたりあっている。スロ専には長く厳しい試練が続いたが、その壁を乗り越えてきた軌跡の一端を追った。


ユーコーのスロ専として
認知が定着するEVOという屋号

福岡県博多駅周辺には高稼動店として全国的に知られるホールが多い。

駅前の「プラザ博多」を筆頭とするプラザ系列、「メガフェイス博多本店」「123博多店」「GION1・1」「ワンダーランド百年橋店」「玉屋本店」など名だたるホールが連なっている。いずれもパチンコ・パチスロ併設店だ。

そんな中、〝単独スロ専(*注/スロ専を援護する同系列の併設店が近隣にない)〟として、総台数429台と中規模程度でありながら目を見張る高稼働を見せるのが「EVO2」だ(福岡市博多区博多駅前3-5-3)。

EVOは福岡県に本社を置くユーコーラッキーグループがスロ専として掲げる屋号。久留米市の「EVO37」は県内でも屈指の高稼動店として存在感を放っている。

スマスロが登場する直前の昨年10月~11月、「EVO2」の平均稼働は10%台の前半だった。しかし、スマスロ導入・増台とともに、あれよあれよと稼働を上げ、今年5月ごろから平均43%を超えた(弊社調べ)。「なんだ、まだ40%程度か……」と思われる方もいるかもしれないが、福岡ナンバー1の圧倒的な稼働を誇るプラザ博多の平均稼働は6割強である。まして単独スロ専の稼働が全国的に厳しい中で、この間に見せたEVO2の躍進は、まさにスロ専に“勝利の方程式”を導いたひとつの解だったといえるだろう。

社を挙げてスマスロに投資
地域最大の北斗とヴヴヴ

2018年2月1日、遊技機規則の改正が施行され、旧規則機から新規則機への移行期間(経過措置)がはじまった。経過措置は当初3年に区切られ、2021年1月31日までにすべての旧規則機を撤去するよう求められた。そこにコロナが襲来した。 その後、特例として経過措置は1年延長されたが、それ以前からスロ専には試練が始まっていた。旧規則機5号機に段階的なスペックダウンが講じられ、5.5号機から5.9号機へ移行しつつあったからだ。新規則機の6号機にはさらにスペックを引き下げる方針が示されていた。

当初6号機は有利区間の短さに苦しめられた。有利区間が終わるとまたイチから仕切り直しである。途中有利区間のゲーム数上限が緩和されたりもしたが、加速するファン離れは止められなかった。

果たしてスロ専として今後もやっていくことができるのか。そもそもスロ専をやっていく意味があるのか。

実際問題、経過措置の終了が近づき6号機への入替が進む中で、ファンの多くがパチンコのエヴァやRe:ゼロへと流れた。スロ専には閑古鳥が鳴く厳しい日々が続き、先行き不透明感が重くたちこめていった。

この間、EVO2も本当に苦しかったと友森幸生マネージャーは振りかえった。

好転したのは昨年7月、6.5号機の「犬夜叉」が出てからだった。「そこから手応えを感じた」(友森マネージャー)という。6.5号機から有利区間のもうひとつの上限規定である払出枚数がMY上限から差枚数上限に置き換わった。

この転換点を機敏にとらえると、年末に控えるスマスロ導入もにらんだ上で積極的な反転攻勢へと打って出る。福岡を代表する総合レジャーグループであるユーコー本社が決断した。

「第一弾のヴァルヴレイヴはスペックが魅力的と聞いていましたので、初日に13台入れました。ユニット不足が言われていましたが、会社は総力を挙げて確保に動き、可能なかぎりの台数を回してもらいました」(友森マネージャー)

新卒でユーコーに入社し、3年前に店長職に就任した友森幸生マネージャー。オススメ機種を明確に絞り込み、ユーザーの信頼を裏切らないことをモットーに日々の運用を心がける。

 その後同店は増台を重ねていく。

その中でもとりわけ大きかったのは加熱式コーナーを開始した今年4月のリニューアルだった。 北斗の拳(北斗)に18台から48台への大幅増台を敢行するとともに、ヴァルヴレイヴ(ヴヴヴ)にも18台から26台への増台を実施した。また、新台としてゴブリンスレイヤーを36台導入し、スマスロ強化の姿勢を一層鮮明にしただけでなく、S機Aタイプのマイジャグラーにも8台から22台への大幅増台が行われた。 そして7月末までには、北斗は52台、ヴヴヴは39台へと、さらに増台は押し上げられ、周辺地域の大型店を上回る最大設置台数が確保された。

 

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