「スマスロ北斗の拳」が牽引し圧倒的な業績のセガサミー、ほか

2023.08.10

【セガサミー】

先陣を切ったのはセガサミーホールディングス<東証プライム6460>。

8月1日昼に発表した内容によると、売上高は1080億5000万円(+63.4%)、本業の儲けを示す営業利益は225億5600万円(8.1倍)、経常利益は230億9600万円(5.4倍)、最終の利益となる純利益は172億5900万円(5.5倍)と極めて高い伸びを示し、特に前年同期比8.1倍の営業利益は大きなインパクトをもたらした。圧倒的な業績を引っ張ったのは遊技機事業の「スマスロ北斗の拳」。一方でエンタテインメントコンテンツ事業はやや伸び悩んでいる。

8月7日には、JPX総研と日本経済新聞社が「JPX日経インデックス400」の構成銘柄を8月31日に入れ替えると発表し、セガサミーが選ばれた。JPX400とは、東証に上場する全銘柄約3900社の中から、過去3期以内に債務超過や営業赤字がないことや、3年平均ROE(株主資本利益率)などの基準をもとに選定される。安定して儲ける力のある優良企業の証(あかし)ともいえ、トヨタ自動車やソニーグループ、三菱UFJフィナンシャルやNTT、三菱商事やリクルートホールディングスなどが選ばれている。

8月9日には、ゲーム会社買収資金として1050億円の銀行借り入れを行うと明らかにした。手元資金は豊富ながら今後の投資へ機動的に対応できるよう借り入れすることにした、と発表している。融資には、三井住友銀行をアレンジャーとして、三菱UFJ銀行とみずほ銀行、あおぞら銀行とSBI新生銀行らも参加する。

 

【SANKYO】

8月7日、SANKYO<東証プライム6417>が発表した決算内容によると、売上高は507億7700万円(82.9%増)、営業利益191億8800万円(2.0倍)、経常利益194億8200万円(98.2%増)、純利益140億8000万円(77.5%増)と、こちらも非常に高い伸びを示した。

パチンコは「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」の再販に加え、「フィーバー炎炎ノ消防隊」、「フィーバースプラッシュ×スプラッシュ」、「コードギアス 反逆のルルーシュ Rebellionto Re;surrection」の堅実な売上が業績を押し上げた格好だ。

また、前年同期に赤字だったパチスロ部門は、スマスロ「革命機ヴァルヴレイヴ」の増産と「炎炎ノ消防隊」により黒字転換した。

セガサミーと同様「JPX日経インデックス400」への採用も決まり、投信による買いも予想されることから株価は急伸。一時、2008年以来となる6600円を突破した。

 

【藤商事】

8月8日の大引け後、藤商事<東証スタンダード6257>も決算を発表。売上高135億2300万円(2.5倍)、営業利益38億8700万円(69倍)、経常利益39億6500万円(23倍)、純利益26億8100万円(9.3倍)と、目を見張るような決算内容となった。業績を引っ張ったのは、パチンコパチスロ共に「ゴブリンスレイヤー」。また、スマパチの「RAVE覚醒ループ」や、パチスロの「戦国恋姫」も貢献した。

同社は通期計画で50億円の営業利益を見込んでいるが、第1四半期の時点で進捗率は77.7%にも達している。しかし、業績予想の上方修正がなかったことから、失望売りを誘い株価は下落。8月8日に1644円だった株価は、発表直後の8月9日には1455円と、10%を超える急落となった。

スマスロ北斗の拳, セガサミー, JPX日経インデックス400, SANKYO, 藤商事