低迷続くパチンコ復活の鍵になる!? シリーズ最新機種「PF機動戦士ガンダムSEED」新装初日リポート

2023.08.09 / ホール

2021年8月に導入された「ガンダムUC」から同年12月導入の「エヴァ咆哮」、翌年1月に導入された「Re:ゼロ鬼がかりver」以降、なかなかヒット機種に恵まれずにパチンコの稼働は低迷してきた。

全国のホール関係者もその後に多数登場してきた新台に期待をかけてきたが、それに応えられた機種は皆無。そんな中でコンテンツ的にもスペック的にも〝期待に応えられそうな〟新機種「PF機動戦士ガンダムSEED」(以下、ガンダムSEED)が導入された。

コロナ禍で自粛されていた大々的なプレス発表会を開催し話題を作り、その後もTVCMやネット、SNSでも大量の広告やキャンペーンを投下して期待感が醸成されてきた。はたして、低迷するパチンコの復活の鍵となるのか。編集部は新装初日の導入ホールを取材した。


エヴァ咆哮とユニコーンを合わせたスペック

取材状況をお伝えする前に、ホール関係者もユーザーも盛り上がっていたスペックを振り返っておこう。

本機は大当り確率1/319.7のミドルタイプ。右打ちのRUSH突入率は66%(※時短引き戻しを含む)でRUSHの継続率は約81%(※ST120回継続率:約76.2%、ST10000回継続率:約99.9%の、3000FEVERを含んだ合算値)、通常時も右打ち中も約20%の割合で3000個大当りを搭載(右打ち中は時短1万回5%を含む)している。

前作「ガンダムUC」のような3000個大当り+高速消化を再現しつつ、「エヴァ咆哮」のようなロングST+時短100回も付与されたスペックはトレンドを押さえたものであるが、はたして初日稼働はどうだったのか。さっそく、状況を振り返っていこう。


都内近郊、各導入6店舗の状況は!?

8月7日、都内近郊の店舗には「ガンダムSEED」に加えて、「真・一騎当千〜桃園の誓い〜」や「GO!GO!マリン3000」などパチンコが5機種。パチスロも「スマスロキン肉マン」や「戦国BASARA GIGA」「スーパービンゴネオクラシック」「防空少女ラブキューレ2」など5機種と多くの新台が導入された。

ターゲットとなる「ガンダムSEED」の状況を確認するため、今回は「楽園池袋店」「楽園立川店」「マルハン東大和店」「マルハン日野店」「Super D`station錦糸町店」「メッセ竹の塚店」のオープン状況をチェックした。


<CASE 01 楽園池袋店>

パチンコ 928台

パチスロ 607台

所在地:東京都豊島区南池袋1-24-5

(ガンダムSEED導入台数:43台)   

池袋駅から徒歩3分程度と好立地な場所にある「楽園池袋店」。地域ナンバーワンの稼働を誇る同店は朝10時のオープンとともに新台も開放。パチンコとパチスロの列は別々となっており、パチンコの方にはおよそ300人強のユーザーが列を作っていた。入場待機中の30代男性ユーザーは「はじめてSEEDの情報を目にしてからずっと注目していた。ガンダム好きなので今日はSEEDを狙っています」とコメント。

朝イチで「ガンダムSEED」コーナーは満台。その影響もあってか、「ガンダムUC」や「エヴァ咆哮」も朝イチから満台になっていた。


<CASE 02 楽園立川店>

パチンコ 767台

パチスロ 785台

所在地:東京都立川市柴崎町3-1-3 立川南口駅前ビル

(ガンダムSEED導入台数:32台)

今から2年前に立川駅前にグランドオープンした同店。激戦区・立川において「ジアス」や「D`station」といった大型店舗としのぎを削り、確実にファンを増やしている。当日は2周年の節目でもあり新台も多数導入ということで、当日の並びは一般だけでも300人以上と、多数のユーザーが詰めかけた。「ガンダムSEED」は32台導入でこちらも朝から満台。装飾も力が入り、多台数導入を積極的にアピールしていた。


<CASE 03 マルハン東大和店>

パチンコ 760台

パチスロ 391台

所在地:東京都東大和市桜が丘2丁目139番地7

(ガンダムSEED導入台数:40台)

西東京エリアのマルハンの中において最大の設置台数1151台を誇る東大和店。同店はガンダムSEEDを40台導入している。新装初日は7日ということもあり、朝イチの並びは450人を超える。当然朝から満台でスタートとなり、運良く台を確保していた30代の男性ユーザーは「SEED狙いできました。たまたま抽選がよかったのでなんとか座れました。大当たり中はやっぱりエヴァに近いのかなと。早く当たって通常時はそんなに打ってないので、まだなんとも言えないですが、通常時もストレスなければ終日打とうと考えています」と話してくれた。


<CASE 04 マルハン日野店>

パチンコ 600台

パチスロ 352台

所在地:東京都日野市栄町5丁目23番地9

(ガンダムSEED導入台数:30台)

パチンコが人気の同店も7日ということで、450人ほどのユーザーが並ぶ。開店から5分ほどで30台のガンダムSEEDは満台となった。無事に台を確保できたという40代男性は「テレビCMをみてワクワクしていた。普段よりも遊技予算は多めに持ってきています。早めに当たってくれるといいな(笑)」と期待感を語ってくれた。同店ではコーナーの通路に「3000」と描かれた装飾を施し、スペックを訴求することを推した装飾が印象的だった。


<CASE 05 Super D'station錦糸町店>

パチンコ 639台

パチスロ 361台

所在地:東京都墨田区江東橋4-25-5

(ガンダムSEED導入台数:50台)

都内でもトップクラスの「ガンダムSEED」大量50台導入で新装初日を迎えたのは墨田区にある「Super D’station錦糸町店」だ。取材日は200人以上が抽選を受けて、「ガンダムSEED」も朝から満席となった。同店ではオリジナルの店内POPを多数提示しており、スペックを全面推ししている印象。遊技しているユーザーからは「YouTubeで同機の存在を知って、楽しみにしていた。液晶が綺麗なので感動しました。原作が好きなので演出を楽しみたい」とコンテンツファンらしいコメント。


<CASE 06 メッセ竹の塚店>

パチンコ 576台

パチスロ 431台

所在地:東京都足立区六月1丁目23-1

(ガンダムSEED導入台数:28台)

地域最大級の1000台規模で地域のパチンコファンからの支持を集めている同店にはガンダムSEEDは28台導入。当日は朝から150人ほどの人たちが抽選を受けていた。同店の新台は12時開放ということで、朝の抽選で新台遊技希望の人には抽選の早い人から順に整理券を配布。その影響もあって、12時の新台開放は非常にスムーズに行われた。中には動画で撮影しているユーザーもいて熱気が感じられる。「今年の新台では一番注目されている機械ではないかと思います。お客さまも楽しみにしていただいていたと思うので、ぜひ長い稼働を期待したいです」と店舗のスタッフの方も話してくれた。


導入初日の状況を見たホール関係者の声

「話題作の初日ということで当然といえば当然なのですが、『ガンダムSEED』の稼働は非常によく、現在のところ終日満稼働の状態になっています。当店は時差開放でしたが、開放時刻の抽選は導入台数以上のお客様に集まっていただけました」と導入初日の様子を語るのは、東京・荒川区にあるBBステーション日暮里店の店長である「ぴぃ」氏。

「久しく出ていなかったエヴァに類似したスペックであること。そして版権の強さ。さらにはスマートハンドルを採用している点など、穴が無いように見えます。わたし自身も設置後に少し試打しましたが、楽曲の使い方などが上手で大変面白く打たせていただきました」と、氏はその出来栄えを評価する。

記者が当日に現場で確認したところ、当該店での稼働はまさしくSEED世代の20代後半から30代前半が中心であり、なかにはネットでの配信を行いながら打っているユーザーの姿もあった。また背面側に設置されているパチンコに座りつつ、SEEDの空きが出るのを今か今かと確認しながら打つ遊技客の姿もあるなど、現実の稼働に対し導入3台ではやや少なかったのではないかとも感じた。率直にたずねると、ぴぃ氏はこう意図を説明した。

「大型版権で強いコンテンツなので『入れない』という選択肢はありませんでした。ですが春先に『北斗』が出て以降、多くのホールでは徐々にパチンコの稼働が落ち市場の投資意欲がパチスロに向かっているというトレンドの変化があります。従って当店も無理にギャンブルはせず確実に稼働するであろう3台にした、というのが実情です。ただ、本音ではもっと欲しかったというのもあるので、この後の動きを見て増台を考えるというのはあるかもしれません。今後は劇場版新作映画も公開されることですし、その可能性も充分にあるのではないでしょうか」

自身も「ガンダムSEED」ファンだというぴぃ氏は導入に際し、なにか「他の機種とは違った」広報などはおこなったのだろうか。確認すると「早い段階から台間やカウンターなどにSEED導入を予告するシールを貼るなどしました。当店はこれはあまりやらないので、他の機種にくらべ特別感を出しました」と語ってくれた。

ぴぃ店長のツイッターはコチラ:https://twitter.com/bbnippori


導入初日は「ガンダムUC」と同等の4万個オーバーを記録!

今年導入された機種の中でもトップクラスの稼働で、パチスロに押されて低迷が続いている現在の状況を考えると順調なスタートを切ったといえるのではないだろうか。長期稼働でホールを支えた前作の「ガンダムUC」と同じような滑り出しとなっただけに、今後の動向は気になるところだ。

取材時に話を聞けたユーザーたちからもCMや動画、SNSなどで「機種情報を事前に知って楽しみにしていた」という意見が複数あがっていたように、遊技意欲は高まっている状況。また、ライターやパチンコ演者たちも下記のように実戦動画を公開してきており、さらなる稼働アップも見込まれる。

3000個大当り搭載と出玉スピードで人気を博した「ガンダムUC」、ロングST、時短100回の安定感が支持される「エヴァ咆哮」の両側面を持つ本機がパチンコ復活の鍵となるか。今後の稼働状況をチェックしていきたい。

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