今、不調のパチンコに稼働を取り戻すための必須要素

2023.07.18 / その他情報

4円パチンコがなぜ今、不況なのか?好調だった時代を振り返る

「エヴァ15」「Re:ゼロ鬼がかり」など一部の機種を除き、4円パチンコは近年稀に見る不況である。こうした状況で考えなければならないのは、いかにして依存状態を脱するかだ。その鍵となるのは機種ごとの〝役回り〟である。


稼働を支える役割の機械が相対的に価値を高めている

誰もが危機感を感じている4円パチンコの現状。何が4円不況の原因なのか。その理由は、一部の機種に稼働が寄りすぎていることにある。人気が集まること自体は悪いことではないが、今のパチンコ稼働を支えているのが「新世紀エヴァンゲリオン〜未来への咆哮〜(以下エヴァ15)」「P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.(以下Re:ゼロ鬼がかり)」「海物語シリーズ」「新台」の4種であり、これ以外のカテゴリーが低調になっていることが問題なのだ。

では4円パチンコが好調であった時期はどうであったか。この状況は遊技時間支持率を見れば明らかだ。下記の図では遊技時間支持率が100%を下回ると、折れ線がグラフ下へと消えていく。掲載した一部の機械が横長にグラフを伸ばしていることは、稼働を維持できていることを示している。しかし、現実にはパチンコは多くの機種がグラフ外へと消えていく。

これがパチスロなら「スマスロ北斗の拳」を筆頭として高い遊技時間支持率を維持しており、「ジャグラーシリーズ」「S甲鉄城のカバネリ」「S沖ドキ!GOLD」「S新鬼武者2」「SバイオハザードRE:2」など、支持率のグラフが横伸びしているものが多く存在している。

比較的パチンコが好調と言われていた2021年から2022年前半には、4円パチンコの新台に多くのヒット機が登場していた。「エヴァ15」「Re:ゼロ鬼がかり」は高い状態で現在もなお推移しており、これらはそのまま活躍していくことを願うばかりだが、ホールの業績を回復させるために、今からこれらの機種を集めようとすることは現実的なアイデアではない。

一方で、「エヴァ15」や「Re:ゼロ鬼がかり」には及ばなかったが、当時、遊技時間支持率が横伸びしたパチンコ機がいくつか存在した。「P牙狼月虹ノ旅人(以下牙狼月虹)」「P神・天才バカボン~神SPEC~(以下バカボン神SPEC)」などだ。「エヴァ15」や「Re:ゼロ鬼がかり」とは役割が異なるが、しっかりと業績貢献を果たした。

この役回りができる機械の有無が、パチンコが好調だった頃と稼働低迷している現在の違いである。稼働を支える役回りができる機械の価値が今、相対的に高まってきているのだ。一部の機種の結果にホールの業績を依存させることは健全ではなく、ホールはバリエーションや機種の役割を考えた導入を図るべき時がきたのだ。  

「バカボン」のような役割が できる機種に注目

そうした稼働を支えた機種の一例として、大一の「バカボン神SPEC」に注目したい。

この機械が導入されたのは2021年10月のこと。ラッシュ突入率が75%と高く、それでいて初当たりから1500個獲得でき、上位ラッシュに突入すれば継続率が約81%にアップ。「神スペック」という触れ込みで導入期の話題をさらった。

それからほぼ1年後にリリースとなった「Pうしおととら~超獣SPEC~」と部材調達の関係で惜しまれつつ面替えとなったことは記憶に新しい。多くのホール関係者がどちらを取るべきか頭を悩ませたことだろう。小誌連載でも活躍するP店人氏は、この時のことをこう振り返る。

「高い玉粗利機種は、貢献が終了してしまうと、稼働が一気に急落し、撤去対象となる機種がほとんどである中、『バカボン神SPEC』は違いました。稼働貢献自体は27週となっているため、あまり目立たないのですが、平均稼働割れした後も底が抜けない状態というか、店舗平均稼働の少し下をずっと維持し続けています。このような機種は、当然撤去対象とはならないので、お店にとっては大変貴重な存在です。しかもこれは2023年6月現在までも継続していることなのです」

たしかに2021年の機種である、「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン(以下ガンダムUC)」の影に隠れがちではあるが、「バカボン神SPEC」の稼働貢献は27週に133万円の粗利貢献である。粗利が平均稼働を下回るまでで考慮すれば55週、200万円を超える粗利を叩き出したことになる。

「当時の新台は射幸性需要を補う『Re:ゼロ』や『ガンダムUC』のようなタイプに注目されがちでしたが、幅広い年齢層と朝から遊技できる安心感を求める機種も活躍していました。今はそういった機械が供給されていない可能性があります」(P店人氏)

左ページグラフには載っていないが、「P大海物語4スペシャルBLACK」「Pベルセルク無双」なども、朝から遊技でき、幅広いファンから支持されていた。2023年の台では、「P大海物語5」などもこれに該当するだろう。

今は稼働を牽引している機種も、いつかはその役割を終える時がくる。また、それらに依存する状態では、他の機種が好きな人の来店同機を打ち消す可能性もある。だからこそホールはさまざまなタイプの機械をとりそろえ、それぞれの役割を考考えた運用を実施していく必要がある。 

   

全文はPiDEA203号、P32~37に掲載!

 

 

 

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