新型コロナウイルスのパンデミックにより、接触を避けるための非接触型販売の需要が高まっていることが、冷凍自販機「ど冷えもん」の需要を後押ししていたが、パチンコ業界における需要はすでに次のステージへと進んでいる。
今年5月、タイヨーネオ富山店での事例を当サイトでも記事化し、フードコートのような環境を整えることでより冷凍食品の売れ行きが良くなると結論づけた。今回の記事では、そのフードコート化の詳細をレポートしていくため、施工を手がけた株式会社ネオプラに話を聞いた。
タイヨーネオ富山店での「ど冷えもん」コーナーフードコート化については、ただ自販機を置くだけでは売れないからこそのアイデアとして実施されたと語られた。
「ど冷えもん」の商品が売れるまでに、利用者はいくつかのプロセスを確認する必要があり、またホールは予め環境を整えて置く必要がある。
①商品を買うこと(ホールは思わず食べたくなるような商品を用意する「ご褒美Theぐるめ」など)
②電子レンジで温める(ホールは電子レンジを用意し、どの製品が何分温めが必要なのか分かりやすくする)
③温めた商品を食べる(食べやすいテーブルや机などがなければ利用しようと思えない)
④食べた後にゴミを捨てる(汁物などは専用のゴミ箱が必要となる)
これらは利用者が「ど冷えもん」を利用しやすくなるための基本であり、必要不可欠な部分。タイヨーネオ富山店では、さらに利用しやすくなる雰囲気づくりとして自販機のシールカッティング、イオンと同じゴミ箱、イートインコーナーであることが分かる防水タイルなどを用意した。
ソファとテレビが置いてあるだけの何も生み出さない休憩コーナーから、来店客が利用でき、お腹も満たすことのできるコーナーとして再利用することになった。
施工を請け負ったネオプラは、「ど冷えもん」2機と電気工事周り、電子レンジとそれを設置する台、テーブル3台と椅子、自販機上の装飾、自販機のラッピング、カーペットを剥がし防水かつ汚れにくいの床材への変更、コーナーを目立たせるための大型ポスター、イオンと同じフードーコート専用のゴミ箱などすべてをフルパッケージとして提供した。
外注するからこそ実現できる匠の技
中でもこだわったのは、自販機上部に施した装飾だ。元々ネオプラではバルやイタリアンレストランなどの飲食店施工も請け負っており、そのノウハウを生かし、白熱電球の柔らかい光で食べ物が美味しく見える効果を狙った。
また、それ以外にも形のないサービスとして、伸び悩んでいる商品変更や、新商品の案内、プロモーション方法の提案などもサポートする。
もちろんミニマムの予算でも冷凍自販機「ど冷えもん」を運用開始することは可能だ。しかし、これらをすべてを、ホール運営という本業を行いながら用意することは、なかなか骨の折れる作業を伴う。
「ど冷えもん」を導入するからには売上を求めるか、パチンコユーザーへのサービス向上を求めるか。あるいは両方を求めるというのであれば、やはりフードコート化のような利用する環境づくりは欠かせないのだ。
今回、「ど冷えもん、ご褒美Theぐるめ店内飲食用」を取り扱うパック・エックスイノベーションとネオプラがアライアンスを組み、こうした施工は全国どこでもネオプラが請け負うことが可能となった。
タイヨーネオ富山店の施工を担当したネオプラの久米亘さんは、「デザインからできるのが弊社の強み。『ど冷えもん入れるタイミングで店内のイメージを変えたい』というホール様なら確実に喜んでいただけるものを提供できると思います」と自信をのぞかせる。
スペースや予算に合わせた柔軟な提案も行われる。環境を整えてこそ、「ど冷えもん」は売れる。「ど冷えもん」がポテンシャルを発揮した時には、パチンコの売上を超えることもありえる。今設備投資を行うべき案件である。
(取材協力)
タイヨーネオ富山店
設計デザイン・施工:株式会社ネオプラ
問い合わせ:株式会社パック・エックス イノベーション