大阪IR認定で
依存問題が再燃する!
おはよーございまーす。毎月の研修「いまさら聞けないパチンコの常識」の時間です。今月も私、人事総務部のチェリーこの紗倉千江里が担当します。今月のテーマは、私たちの業界が避けては通れないとても大事な問題のお話をします。そうそれは、「ギャンブル依存問題」。
そうそう、先月の統一地方選挙。皆さんは投票に行きましたか? 正直に教えてください。行った。行った。行った。行った。行ってない。行った。選挙権がない。行った。行ってない。はい、手を降ろしても大丈夫でーす。
先月の選挙を経て大阪ではカジノの設置、正確にはIRの建設ですが、まあカジノができることはほぼ確定したわけです。インバウンドの目玉の1つとして2029年頃にはできるということですが、世の中でカジノの話が出てくると、また「ギャンブル依存症」の話が出てきますし、そうなるとパチンコがあーだのこーだのという話が出てくるわけです。また叩かれちゃうのです。
まして毎年5月は国が決めた「ギャンブル等依存症問題啓発週間」でもあり、だから今月はこの「ギャンブル等依存症」についてお話をしたいと思っています。
はい、ここで質問です。「ギャンブル依存は病気でしょうか?」
まずはGoogle先生に聞いてみましょう。「ギャンブル依存症って病気なの?」って聞いてみると、検索ページの1番上に「依存症対策全国センター」というのが出てきて、そこでは「いわゆるギャンブル依存症は、1970年代後半にWHOにおいて『病的賭博』という名称で正式に病気として認められました」と書いてあります。ちなみに「依存症対策全国センター」は、厚生労働省とつながりが強い「久里浜医療センター」という病院が運営しています。
では次に、最近話題のchatGPT先生に聞いてみましょう。ちなみに無料版のほうです。私は有料版に登録して色々質問したいような人生を送っていないもので、そこらへんはご容赦ください。さてGPT先生の答えはこうでした。「はい、ギャンブル依存症は病気として認められています」
その後つらつらとその原因についての説明がありましたが、とにかくGoogle先生もGPT先生も「ギャンブル依存症は病気です」と教えてくれました。
はい、ここで改めて質問です。「ギャンブル依存症は病気でしょうか?」
ギャンブル依存症=病気
それは古い考え?
実はこの「ギャンブル依存症は病気でしょうか?」という質問は、パチンコ業界で働く人たちにはとても大事な質問の1つになります。どっかの芸能人みたいに「ネット見ろ!」と言えれば簡単なんでしょうが、ネットには「病気だ!」と書いているわけで、でも、でもね、私はあえて言いたい。「ギャンブル依存症は病気じゃない!」と。
まずGoogle先生の話と戦いますね。国際連合の機関であるWHO、中学校の社会で習いましたね、世界の病気とか医療とかを仕切っているところ、シン・仮面ライダーのショッカーのマークのようなロゴを使っているところです。
コロナ禍の際には毎日のようにマスコミに取り上げられていましたが、そのWHOが1970年代に「病的賭博」と言って、これがギャンブル依存症が病気であるという根拠になっているみたいですが、実は2018年に同じWHOは同様の症状について「危険なギャンブリング」という風にその表現を変えています。基本的には病気ではなく障害として捉えているのです。病気と障害の差ですか?それはGoogle先生に聞いてください。
では次にGPT先生ですが、この先生と戦うのは簡単です。
GPT先生はネットに書かれている情報の集合知と言われていますが、まず日本語で質問すると、ネット上の日本語の情報を検索するわけで、基本的にはGoogle先生が言うことと同じことを言います。さらに言えば、無料版のGPT先生が取り込んでいる情報はだいたい5年前までの情報なので、やっぱり2018年のWHOの情報は含まれていないんですね。
ずばり言えば、「ギャンブル依存症は病気」という話はちょっと古い話なんです。
本当にヤバい
ギャンブル依存症とは?
WHOの最新の情報では、本当に深刻なギャンブリング問題を抱えている人は、①ギャンブルを止められない、②ギャンブルが人生の関心事や日常活動より優先される、③負けても負けてもどんどん突っ込む、の3つの要件をすべてそろえていて、さらに現実問題として仕事や家族・友人関係など、社会的に著しく弊害を与えている状況が長期間継続されている人と定義されているんです。
こういう方、たぶんいますね。ここまでヤバいレベルの人たちは専門機関による治療や、状況によっては隔離が必要になるかもしれませんが、実はそれ以外の人たちは「危険なギャンブリング」という括りの中にいて、世の中で「ギャンブル依存症だ!」と言われる人たちのほとんどがこのカテゴリーに属しています。
こんな人たちには、周りが寄り添い、時に相談にのり、パチンコ店であれば自己申告・家族申告プログラムの話をしたりして応対が可能になります。
世の中では「ギャンブル依存症は病気だ!悪だ!」、「パチンコ屋はギャンブル依存症を何百万人も作り出している!」みたいな話が簡単に飛び交いますが、そのパチンコ屋さんで働いている私たちが、この問題についてちゃんと知らないといけないと思っています。「ネット見ろ!」じゃなくて「PiDEA見ろ!」、そう言いたいです。