4月11日、KYORAKUの直営店である「サンシャインKYORAKU栄」「サンシャインKYORAKU平針」「サンシャインKYORAKU南」の3店舗でぱちんこ新・必殺仕置人(以下略、e必殺仕置人)のフィールドテストが行われた。
今回PiDEA編集部はKYORAKUのスマパチ第一弾ということで、新筐体に新ハンドルを兼ねそろえた、e必殺仕置人の打感やユーザーの反応を「サンシャインKYORAKU栄」へ訪れ、実戦もまじえてレポートをする。
開店前、抽選には約60名ほどが参加していた。周りを見渡してみると、若者:中年:年配の割合はざっくり3:1:2で意外にも若者が目立っていた。男女比では9割が男性で、女性はわずかであった。朝イチの抽選の際はユーザーから店舗スタッフに「これ(e必殺仕置人)何台入るの?」と聞くような姿も散見され、ユーザーの興味関心が高いように感じた。
抽選待ちの合間にも「先陣斬るのは、仕置だぜ」と、e必殺仕置人の宣伝ムービーがマルチビジョンから繰り返し流れている。マルチビジョンは本来、多様な機種の紹介を行い、店舗の導入機種の豊富さをアピールする役割を持つはずだが、今日という日だけは自社のスマパチを全面的に推していた。
8時30分、いよいよ抽選時間を迎える。先頭から2番目に並んでいたため、遊技台が確保できる番号を引けるか引けないか悩んでいる間もなく、抽選ボタンを押した。なんとかe必殺仕置人を確保できる番号だったため一安心した。
スマパチの新機能の1つと言えば「Cタイム」だ。RAMクリアをしていれば、1回転目にRUSH当選の可能性がある新機能なため、目が離せない激アツ演出となっている。どんな演出が発生し、当落のジャッジを行うのかドキドキしながら貸し出しボタンを押す。そして飛び込んだ1回転目。……発生したのは通常演出だった。
頭の中にクエスチョンマークが浮かびつつも、周囲の様子を伺っていると、左隣の台ではしっかりと演出が発生していた。おそらく演出が発生して当落ジャッジを行うパターンと、通常演出のみのパターンがあるのかと思われる。他の台のデータを確認したところ、朝一1回転で大当り当選している台は10台中、1台だった。
CタイムはRAMクリア後、規定回転数後、RUSH・時短後に発生する。パチンコユーザーにとって1/350の初当り以外にもRUSHルートが多岐にわたるのはかなり嬉しい点だ。
遊技を始めて2点驚いたことがある。まず大型ダブル液晶。盤面の8割近くを埋め、奥側の液晶がメインディスプレイで手前側に透過ディスプレイが設置されており、奥の画面で通常演出を行いつつ、手前のディスプレイでオーバーレイを行い演出の立体感を生んでいる。もう1点は新ハンドルなのだが、その感想は後ほど。
しばらく回転数を重ね、金保留や、熱めの共闘リーチがかかるもののまったくヒットせず。さすがにTS350だったら当てるのも厳しいかと思いつつ迎えた263回転目。突如、「悪人仕置人チャンス」に発展し、当落ボタンもなく初当りを獲得。あまりにも突然だったため、絵に描いたように尻が浮いてしまった。しかもこの大当り、見事RUSHの振り分けを獲得しドキドキの右打ち体験が始まる。
RUSH中は「Re:ゼロ 鬼がかり」のような高速消化スピードではなく、体感としては「エヴァ15」のST程度、もしくは若干遅くしたようなスピードだった。ストレスはまったくなく、むしろ変動の間がリーチ発展を期待させる。
さてここから、先ほど触れた新ハンドル「レストハンドル」の驚きについて書いていく。蛇口のような形状の新ハンドルは、通常時からひねりの動作が大きくなるRUSH消化中もかなり手の疲労感が軽減されているように感じられた。筆者個人の意見ではあるが、従来型のハンドルよりもかなり抑えやすく、ストロークはかなり安定する。
また、KYORAKUの台と言えばエアバイブだ。手のひらに「ポポポ」という風を送ることで、打ち手だけが大チャンスを察知できるひっそり感がユーザーから人気な機能の1つ。今回レストハンドルでは、そのエアバイブが進化したのである。風力を一般的なものに例えるなら、さながら「ジェットタオル」。力強く吹き出るそのエアーが新たな快感を生み出している。
そんな新しいエアバイブでハイになりつつも、RUSHの結果は13連の12900発と大連続大当り。Cタイムの「死神チャンス」では1度引き戻しに成功した上に、早めの初当たりが取れたことはこの上なく嬉しく、大満足の結果となった。
正午頃、本レポート記事を作成するため遊技を終えた後、友人と一緒に来店していた50代男性ユーザーに話を聞いてみた。
「店舗のDMをみて本機を打つために朝から抽選を受けにきました。京楽以外のスマパチフィールドテストにも行ったことがあるんですが、仕置人はハンドルがすごいですね! 肘掛けいらずでとっても楽です。Cタイムの演出は出ましたが、外れちゃって残念でした。しかも今600近くハマってしまっているので、やはり少し初当りの重さを感じます。ミドルタイプより初当りが重い分、甘めな運用だとユーザーも助かると思いますが、なにはともあれ新しい物は楽しい。絶対に1度当たるまでは頑張りたいと思います!」とe必殺仕置人を堪能している声が上がった。
最後は業界誌記者らしく、全国導入時の店舗でのオペレーションで気をつけるべきことを触れたい。店内で稼働の様子を伺っていると、年配層が遊技方法に戸惑い、呼び出しボタンを押す姿が見られた。すぐにスタッフが駆け寄り、丁寧な説明を行うとその後は問題なく遊技を進めていたことからも、大きくハンドルの構造や、玉に触れないなどスマパチになってからパチンコの機構は大きく変わっている。しかし、今回のように1度説明をすれば老若男女問わずにいつも通りに遊ぶことはできるだろう。
同店のスタッフにも話を伺ったところ「今のところ(12時時点)トラブルもなく運営が続いています。他の新台が導入される時よりもお客さまから『何台入るのか』という声をいただいているので、仕置人への期待感があるように思えます。まずはこのまま閉店まで何事もなくユーザーの皆さまに遊技を楽しんでいただきたいです」と語っていた。
朝から着座した人は自分以外変わることはなく、RUSHを取った後もユーザーは遊技を続けていた。スマパチ、新ハンドル、Cタイムなどなど、ユーザーにとって一度は打ってみたいと思える要素が詰まっていることは間違いない。
一方で懸念点をあげるとすると、50代ユーザーの意見によく現れていたことだが、「349.9分の1」という数字が与える印象についてはしっかりとホールは向き合うべきだろう。実際に、319に比べて初当たりの重さを実感することは難しいだろうが、印象は独り歩きする。「スマパチはお金がかかる」というネガティブな印象を与えてしまっては、華々しいデビューに水を差すことになるだろう。
直近の情報では、「スマスロ北斗の拳」導入で、パチンコユーザーがパチスロに相当数移行しているという話もある。その背景にあるのは、ベースや千円スタート、初あたりまでの投資金額と勝率などのバランスが悪いということだ。期待されたスマパチである。デビュー時は打ち手に良い印象を与え、長期稼働を目指していくことがセオリーとなるだろう。
全国導入は4月24日から開始。KYORAKU第1弾のスマパチ「e必殺仕置人」はもうすでに準備万端だ。