昔でいう所のV確スペックが現市場では時短なく、約50%のRUSH突入で未だに開発され続けている。さらには、出玉速度、通常アウト効率が向上され、ただでさえパチスロ市場へとユーザーが流れている中で、パチンコの客滞在・稼働率が激減している。
実際に市場牽引をしている機種の多くはRUSHの間口の広さにある傾向にあり、ユーザーニーズとパチンコスペック開発に乖離がある様に感じる。そんな中、2020年11月にリリースされ、大いに市場を盛り上げた100%突入STの「Pとある魔術の禁書目録」以降はまったくといっていい程ハイミドルタイプではリリースされなかった100%STがようやくリリース開始となる。
そんな中で、「Pダンベル何キロ持てる?」は、100%STで登場する。「Pとある」と比較して基本情報を表にて確認してみよう。
《基本スペック》
機種名 | Pダンベル何キロ持てる? | Pとある魔術の禁書目録 |
通常確率 | 約1/319.7 | 約1/319.6 |
RUSH仕様 | 2種ST | ST |
RUSH突入率 | 約100% | |
RUSH回数 | 100回+残保留4回 | 154回 |
RUSH中当選確率 | 約1/70.2 | 約1/99.9 |
RUSH中継続率 | 約77.5% | 約79% |
特図1 出玉 | ALL 1,500個 | |
特図2 MAX出玉・比率 | 約1,500個(70%) | |
特図2 MIN出玉・比率 | 276個(30%) | 400個(30%) |
上位RUSH | 搭載 | 非搭載 |
遊タイム | 非搭載 | 搭載 |
《大当り振分・初当り》
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | 振分 |
6R | 約378個 | RUSHへ | 60% |
《大当り振分 RUSH・上位RUSH2回目》
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,500個 | 上位RUSHへ | 10% |
10R | 約1,500個 | RUSHへ | 60% |
3R | 約276個 | 30% |
上記のスペック表より「Pとある」との大きな差は「遊タイム」が搭載されていない代わりに「上位RUSH」が搭載されている点となる。その他の差異は、最小出玉が若干落ちている程度となり、ベースとなるスペックはほぼ同じ仕様となってる。
上位RUSHは、RUSH中の当選時10%程度のプレミアフラグとなっており、当選時には以後2回の当選が約束される。振分次第では、4,500個が獲得できる一撃フラグともなっている。プレミアフラグを考慮した当選回数から算出した継続率は約81%にもなり、他ハイミドル機のRUSH継続率と同等となっているのだ。
演出面においては、原作を生かしたコミカルな演出仕様となっており、開発社お馴染みのデバイス等の信頼度や演出カスタマイズによる信頼度設定が可能となっている。原作にはない本機オリジナルの新規キャラや新規演出、そして新規楽曲も搭載されているのだ。
RUSH中は前半30回転が即当りゾーンとなり、後半は任意で演出選択可能となっている点なども「Pとある」と同様になっている。
本機の訴求ポイントは「コンテンツ&スペック」となっている。
コンテンツ訴求は原作アニメが盛り上がった要因の1つでもあるキャッチコピーの「女子高生×筋トレ」をキービジュアルと共に活用する程度で良いだろう。
そして、スペック訴求は本機最大のセールスポイントとなる「100%突入ST!」を全面的に訴求することが効果的だ。おおよそのユーザーが「とある魔術の禁書目録」を想像すると思われる。
「Pとある」は遊タイムが搭載されていたため、実当選確率が高くなっていた分は、出玉性能を抑えた仕様になっていたが、本機はその分をシッカリ出玉性能に振った仕様となっているので、「Pとある」とのスペック比較にて出玉性能が高くなっている点を訴求することは効果的である。
予定通りに4月には、スマパチリリースが期待されているのだが、Cタイム等でTSが変化するゾーンやシームレスでRUSH当選を行う仕様が予想される。
個人的には純粋に初当りに割を回してTYを上げる仕様の方が良い様な気がするが、新しくやれることをやりたい気持ちも分からなくはない。しかしこれまでも「設定」「遊タイム」「c時短」と新たな機能が何1つトレンドになることがなかった点を考慮すると、厳しい結果が容易に想像できる。
パチンコにおいて、ユーザーが認識する点は「完全確率抽選TS」「突入率」「継続率」「出玉振分」の4つしかない時点で、表記できないスペック性能に寄せてしまうとユーザーに伝わらないのだ。
本機のような初当りに重点を置いたスペックが当たれば、ユーザーニーズの方向性も立証されていくはずなので、本機には是非とも市場ニーズの指針になることに期待したい。