岡野陽一のパチンコ人生訓 vol18 -岡野陽一の勉強方法

2023.01.13 / 連載

「借金芸人」岡野陽一が送るPiDEA新連載!
パチンコを打っていく中で岡野陽一がたどり着いた人生の境地を、月替わりの金言とともに語る。


今月の金言

岡野陽一の勉強方法

 

:岡野陽一 ※PiDEA Vol.194掲載分

勉強ですか。全然、何にも好きじゃないですね。競馬とか麻雀とかはめっちゃ本を読んだりしたこともあります。
ちなみに競馬は血統の本ではありません。血統を信じると、つまるところ僕も大した人間にはなれないというところにいきついてしまうんですよ。僕は農協で働くお父さんとパートのお母さんの子ですよ。それが悪いことではないけども、血統理論が正しいなら自分もそういうふうになっていくというか。
ただ、数学的なことは好きではあります。麻雀の牌効率とかね。麻雀では実力10の運90とか言いますけど、ある程度数学ができるという土台の上に運という才能が乗っかっているのです。麻雀にとって数学は基礎の部分なので、その勉強はしたことはあります。そもそも論になりますが、まずは岡野陽一が勉強が好きではない理由を説明させてください。
「私は勉強するのが好き」「知識を得るのが好き」という方がよくいらっしゃいます。何人かの大人の方は、何も知らない僕に「そんなことも知らないの?」という言い方をしてきました。

こういうのはマジで僕はいらないなと感じていて、興味があって勉強するならいいですけど、興味のない知らないことを勉強する必要はないと思っています。
なんでしょうね。めちゃめちゃ勉強している人が死ぬ前に最後にクイズとかがあって、その点数によって天国にいけるとかでしたら勉強するかもしれないですけどね。 

資格がたくさんあることを
自慢する人は不採用

お笑いの勉強ですか……。今はそういう意識はないですけど、養成所時代とかはYouTubeとかを見ていましたよ。東京03さんとかがやっているネタとかを全部文字に書き起こして、ウケているところにマルをしてみたいな。当時は頑張りたいからやっていましたけど、勉強している自分が好きなだけで、今思えばそこに酔っていたんじゃないかなと思います。効果がなかったとかそういうことではなく、器用な人だったらそれでしゃべりが上手くなっていったりするんでしょうけど、僕はそういうタイプではないとどこかで諦めてしまっていますから。
僕にとってはそういうことよりも、競馬場とかパチンコ屋さんにいるちょっと変なおじさんのしゃべり方の方が面白くて、彼らが話す内容を自分の中に取り入れようと思ったんです。意外なことに、そういうおじさんと飲みにいくとめちゃくちゃなエピソードがあったりするので面白いんですよ。
実際、芸人になって5〜6年目くらいで、「やりたいこと」と「できること」が違うなと気づいたんです。例えば、友近さんとかってなんでもできるじゃないですか。でも自分はそうではないなと。
だからね、勉強ってめちゃくちゃ無駄があると思っているんです。たしかになんでも知っていればできることは広がります。でも、昔因数分解とかを学んできましたけど、大人になって使った人は少ないと思うんです。
つまりですね、不確かなことに大変な苦しい思いをして時間を割くんだったらパチンコしていた方がいいんじゃないですかということです。それが楽しいと思える人だったら全然いいです。ただ、たまにいるじゃないですか。資格いっぱい持っていることをステータスにする人。全部の準二級を持っているとか。それって逆に良くないことだと思うんですよ。何かに特化した資格を1個持っていればいい。もし株式会社岡野陽一商事があるとしたら落とそうと思います。

人生が3日だとしたら
嫌な時間は減らした方がいい

それよりも興味というか、すごい変なことをやっている人っていますよね。職人さんとかもかっこいいですし、「私は箸をつくる以外できません」というような人もとても良いです。
「じゃあ岡野にとっていい勉強とは一体なんなの?」と思っている方もいらっしゃると思いますので、僕の思うことを言います。
鈴木もぐらという芸人と「くずぱち」というYouTubeの動画をやっているんですけども、もぐらが実戦する機種の演出の期待値とか信頼度とかを0.なん%の数値まで言うんですね。あいつはそれをちゃんと勉強して頭に叩き込んでくるのが面白いからです。それがもぐらの役で、そういうふうに知り過ぎているのが面白いということなんです。
こういうことに時間を割くのは良い勉強なんじゃないでしょうか。つまんないことに時間を使いたくないというか、今を生きているだけというか。先のことをそんなに考えていないというのが真相だったりするんですけどもね。
ちなみにこんなことも考えます。みなさん80年スパンで人生を見てしまいがちで、1年後も生きていると思っているじゃないですか。だから今の勉強が10年後とかに生きてくると長く見ていると思うんです。
これは勉強うんぬんではなく、僕の人生観ですが、10年後を、自分の計画性を根本的に信用していないんですね。だから3日スパンで生きているんです。だからこそ僕の辞書に勉強という文字が出てこないわけなんです。
今これを勉強してこうこうこうでと思っている人は考え過ぎかもしれないです。諦めて人生1週間くらいの単位で生きてみれば、嫌な時間は減らした方がいい理由が分かるはずです。

勉強うんぬんではなく、僕の人生観ですが、
10年後を、自分の計画性を根本的に
信用していないんですね
 
岡野陽一, 岡野陽一のパチンコ人生訓