業界きってのメインコンテンツである...
業界きってのメインコンテンツである「海シリーズ」だが、コロナと旧規則機撤去を経て若干のユーザー数を減らした分野ではある。しかし、未だ市場の多くの支持を受け続けている不動のコンテンツだ。
ただし、2021年に旧規則機撤去規模以上に、非常に多くのシリーズ機がリリースされたが、ユーザー支持は上昇しなかった。高い水準で市場規模を占めるものの、新機種効果は少ないため、ホールとしては、機械代というより遊技環境面へ投資するイメージになるはずだ。「P大海物語5」はシリーズの中でもニーズが高めのシリーズなので、シリーズ市場が活性化することに期待したい。
そんな本機はシリーズを踏襲したハイミドル機となっており、前シリーズ機と比較して基本情報を表にて確認してみよう
<基本スペック>
機種名 | P大海物語5 | P大海物語4 |
通常確率 | 約1/319.6 | |
確変仕様 | LOOP | |
保留 | 8個※通常・電サポ共通 | |
確変振分※特図1・2共通 | 約60% | 約52% |
確変中当選確率 | 約1/31.9 | 約1/39.7 |
時短回数 | 通常後100回 | 通常後100or120回 |
出玉※特図1・2共通 | ALL1,500個 | |
突然確変 | 非搭載 | |
初当り時期待値 | 約4,730個 | 約3,960個 |
遊タイム | 非搭載 | 搭載(通常950回後時短350回) |
《大当り振分 特図1・2共有》
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,500 | 確変へ | 60% |
10R | 約1,500 | 時短100回へ | 40% |
上記のスペック表より前作から遊タイムがなくなり、特図2で通常当選時の時短回数が減少した分を確変比率に振った仕様となっている。突然確変もなく、ALL1,500個×60%LOOP+100回時短(時短込み継続率71.5%)の非常にシンプルな作りとなっている。そのシンプルさ故に、シリーズ随一の出玉性能を有しており、等価分岐では17回を切る仕様となっている。ALL1,500個且つ確変中確率が上昇したことにより、8個保留を生かした保留連による3,000個以上のボーナスも搭載されているのだ。
本機のキャッチコピーとなっている「BIG5」の内の3つは演出面となっており、液晶サイズは前シリーズ比130%とサイズアップしている。液晶サイズに合わせ、ギミックや図柄もサイズアップして迫力のある仕様となっている。
そして、新たなプレミアキャラの「ビッグクラブ」は「変動中出現で確変」「ラウンド中出現で3,000個」など出現時点で最大恩恵が得られるとなっている。その他、背景・図柄・予告・リーチの全てのキャラがビッグになるプレミア演出が搭載されている。モードはシリーズ同様に3つのモードから任意選択が可能で、演出カスタムも搭載されている。
本機の訴求ポイントは「コンテンツ&スペック」だ。
コンテンツ訴求は、現市場シリーズNO.1の後継機となるので、シリーズ最新作と分かる様に訴求する程度で問題ない。スペック訴求は、非常にシンプルな作りとなっているが、現市場のプロモーションに則って「時短込み」の数値訴求がポイントとなるだろう。
本機の懸念点は圧倒的に「甘い」仕様である。通常のシリーズ機のプロモーションでは見た目のスペックと提供する遊技環境のギャップが悪い方に働く可能性が高いので注意が必要だ。あとはキャッチコピーとなっている「BIG5」に沿った演出訴求も効果的である。
メインシリーズとしては非常に少ない台数でのリリースとなっており、市場規模を考慮すると他のメインシリーズ機との共存を考える必要があるホールも少なくないはずだ。スペック面は、他メイン機の追随を許さない性能なので、本機を軸にした運用となるとは思うが、それ故に「甘さ」が際立つので、シリーズ機の遊技環境には十分に注意が必要となる。ターゲット層を考慮して機械性能に合わせるよりも、体感値を合わせた遊技環境整備が効果的なことを忘れてはいけない。