「楽園アメ横店」グランドオープンの広域集客効果とは?
2023.01.06 / ホールかつては30軒ものパチンコ店が密集していた上野アメ横周辺。ここ数年ですべて一掃され、大手の日拓の2店舗とPIA、そして2023年初頭に出店した楽園の4軒だけになった。かつてのパチンコの聖地で勝ち残り、集約された3社による集客力は種編市場にどのような影響を及ぼすか?

この記事はPiDEA197号の抜粋記事です。
グランドオープン前夜
楽園と周辺店舗は?
エスパスは3商圏目、PIAは7商圏目となる競合「楽園」に対して、どのように事前対策を進めているのか?
いずれも10月あたりから営業を続けながらカウンター周り、 喫煙BOX新設、一部島工事などのプチ改装を段階的に行い、遊技環境を整える動きが見られた。先手必勝とばかりに早めの動きで各店増客に成功している。
6.5号機初期はやや乗り遅れた感のあった3店舗だが、スマスロはエスパス本館84台、新館は84台。一方、PIAは66台と積極的だ。「PIA」は、楽園グランドオープン日程にあわせて1月4日リニューアルの告知がなされているが、本稿執筆時封鎖中の地下120台前後をどのタイミングで解き放つのか? そこにもパチンコファンの注目が集まっている。

「楽園」は2022年12月5日から会員募集を開始した。事前の外観やチラりと見える内装進捗状況からクリスマス前にはオープンするのではという噂もあったが、蓋を開けてみればグランドオープンは年明けの1月6日となった。
会員募集開始・事前整理券配布から1カ月後のオープンはあまり見られない例で、内装の完成度を見る限り、工期の都合でこのタイミングになったのではなく、当然ながら「狙い」があってのものだろう。
想定される狙いの1つ目は、駅前・繁華街型のロケーションでは、周辺のオフィスが休みに入る期間は平時の客層とは異なるため、オフィス勤務層が立ち寄りやすいタイミングにオープンという「商圏客層に合わせて」。
2つ目は、平時の営業を考えれば、繁忙期明けに支持されている状況が望ましいわけであり、12月オープンを想定してさまざまな集客戦略を打ち出している競合の施策を〝後出し〟で無効化する「競合対策」。
3つ目は、会員募集期間を長く設けて会員数をできるだけ多く抱えて「その後の囲い込み」をしやくするため。
年末にオープンして年明けに強めの施策で……、という2の手を持ってくるのがオーソドックスな流れではあるが、この会員募集期間を1カ月設けた年明けオープンが与える影響にも注目したいところだ。
1月6日からのオープン初期は843台、10日新装で887台フルオープンとなる流れ。貸玉別台数は、4円360台(初期344台)・1円90台・46枚390台(初期362台)・5円47台という構成である。一般的にグランドオーオープン初期は低貸を設けない、あるいは少台数として稼働低下のタイミングで新設・増台していくケースが多い。しかし、初手からある程度の台数割合で低貸が設けられており、フロアごとの貸玉区分を見る限り、その後の貸玉ごとの台数変更もなさそうで、通常貸の稼働変化にどうケアしていくのかが気になるところだ。
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