岡野陽一のパチンコ人生訓 Vol16ー生粋のクズギャンブラー岡野流、損切りの極意

2022.12.16 / 連載

「借金芸人」岡野陽一が送るPiDEA新連載!
パチンコを打っていく中で岡野陽一がたどり着いた人生の境地を、月替わりの金言とともに語る。


今月の金言

生粋のクズギャンブラー

岡野流、損切りの極意

 

:岡野陽一 ※PiDEA Vol.192掲載分

ある日の夕方、ほんのり発熱して変だなと思ったら、ちょっと前に一緒にいた人から「陽性だった」とLINEがきていたんですよ。僕もすぐに病院に行ってPCR検査を受けに行きました。2時間で結果が分かるやつで、3万もかかるんですよね。陽性となった瞬間に39度くらいの熱が上がりました。でも1日と少し経ったら37度くらいに下がり、症状も落ち着いてきたので、今は家にいながらネットで競輪などをして適度に楽しんでいます。

 意外と1人でいることは苦ではないので、都市伝説とか怖い話みたいな変なYouTubeを観ながら生きているんですけども、コンビニも行っちゃダメなので、それはちょっとストレスかもしれません。天気の良い日に僕だけが家に閉じ込められている気がして損してる気分になるので、てるてる坊主の逆みたいなのをつくって、みんな出かけられなくなればいいのにと思ったりしています。

損切りをして残した5万円

「これは得しているのか?」

 今回のテーマは「損切り」ですか。損切りってやっぱりある程度数字で決めないとどうしようもないことですよね。僕の友人(大口の債権者さま)が株をやっていて10億くらい持っているんですけど、損切りをミスった時に全資産が1億を切ったりしたこともあったみたいで、むずいテーマです。

 1つ言えるのは、損切りというシステムを使っているのは、ある程度成功した人だと思います。

 でも僕は人生においてこれという損切りってしてきませんでした。よく芸人の世界でも「30歳になって売れなかったらやめる」とか「10年やってダメだったらやめる」とかあるんです。でもなんていうんですかね、僕はずっとハンドルを握り続けてきて、10万1000円目に当たることもあると思っているタイプなので、つまり10年と1日目に売れることもあると思っているんです。10回とか30歳とかキリのいい数字に設定しがちなんですけど、数字ってただ人が決めただけの概念なので、そんなに10回とか30歳とかに意味はないんですよね。

 パチンコでも「今日は絶対全財産8万負ける日だな」なんて、鈴木もぐらとよく話すんですけど、絶対にどうしようもない日というのがたしかにあります。

 ダメな日は損切りをして、4万くらい残して帰った方が得なんですけど、長い目でみたら全部打った方が得な気がするんですよ。これはね、うーん、何と言えばいいのか分からないですけど、とことんいっておかないと自分がブレちゃうといいますか……。

 例えば、1日打って8万負けるところを3万にセーブしました。全財産なくなることを考えれば5万プラスにはなっているけど、損切りで得た利益は結局5万ですよ。長い目で見るとそこの5万を負けれる人でいた方が得なんじゃないかと思うんです。

 こうなると、何が損かという話にもなってきますよね。はたして5万なくなることは損じゃなかったのではないか。5万残したところで、また次の日負けて徐々になくなっていくじゃないですか。8万とはいえ、全財産失うということは結構大変なことをしているんです。その経験している人の方が、面白いような気がします。

 損切りするなら損切りする人の人生の楽しさがあると思うけど、僕はしたくないですね。損切りした時の嬉しい時って、「あそこで最小限に負けをとどめられて良かった」「死ななくてよかった」なんですよね。めっちゃ得したと言うことってないと思うんです。逆にそれで「損切りの向こう側」に踏み込んでいければ、そこからの大逆転ということもありますからね。

損を損と思えばそれまで

極論、結果はなんでもいい

 ……とは言ったものの、普通に考えればこれは一般的な考えではなく身を滅ぼす可能性も高いので、簡単に向こう側に行っちゃおうぜという話でもありません。

 結局は何をよしとするかだと思っていまして、お金が関わることは損切りした方がいい。でも、何かなりたいものがあるとか、諦められないものとか、そういうのは「30歳になっちゃうから」などと別に区切らなくていいんです。

 だってそれこそ錦鯉さんなんか、思いっきり損切りの向こう側から来た人たちですよ。M1優勝して、人生のチャートをV字回復させて、ずっと諦めなかったみたいなドラマがあってみんな応援したくなるわけじゃないですか。パチンコで言えば、8万負けからの15万勝ちみたいなもので、それは向こう側に行った人でないと経験できないことですよね。

 もしかしたら、今売れている芸人さんは、みんな行っちゃっているんじゃないですかね、向こう側に。芸人をやること自体よく分からないですからね。なんの社会の役にも立たないし、もはや楽しいのか分からないで続けている人もいっぱいいます。

 正解は分からないので僕の考え方を言います。損を損と思わないようにすることが重要です。結構な時間を使ってしまって目的を達成できなかった時、それを損と思ったら損にしかなりません。損をした中で何かを得られれば、プラスにできますし、極論を言えば、損したと思わなければどんな結果でもいいと思うんですよ。だからつまり結局は気の持ちようですね。僕みたいに脳を改造して損を損と思わなくなれば、怖いものなんてないですよ。

それこそ錦鯉さんは損切りの向こう側から来た人たち。

だから30歳までとか決める必要なんてない

 

岡野陽一, 岡野陽一のパチンコ人生訓, パチンコ